耳で波の音を、骨でサザンを楽しむ――渋谷TSUTAYAに骨伝導イヤホン「EarsOpen」展示中

次の記事

必要なHRサービス間でデータ連携、マネーフォワードが「MF クラウド給与」のAPIを公開

BoCo CEOの謝端明氏(写真左)と、ワンモアCEOの沼田健彦氏(右)

全国でエンタテイメントストアを展開するTSUTAYAと、クラウドファンディング・プラットフォームの「GREEN FUNDING by T-SITE」を運営するワンモアは4月28日、TSUTAYAの店舗を活用した起業家支援の取り組みを開始すると発表した。

両社はその第1弾として、4月28日より10日間、渋谷スクランブル交差点の目の前にあるSHIBUYA TSUTAYAに、BoCoが開発した骨伝導イヤホン「EarsOpen(イヤーズオープン)」の体験試聴コーナーを設置する。

リアルな店舗を活用することで、ユーザーがプロダクトを手にとって体験できる場所を提供するための試みだ。

Bocoが開発する「EarsOpen」は、骨を通して音を聴くことで、耳を塞ぐことなく音楽を楽しめるイヤホンだ。同プロダクトはGEEN FUNDING by T-SITEでのプロジェクト開始後、1ヶ月で5000万円以上の支援を集めることに成功した。

骨伝導イヤホン自体は新しいものではないが、EarsOpenがもつ特徴の1つはその音質だ。分割振動や不要な共振を大きく減らすことにより、再生帯域4Hz~40KHzの「ハイレゾ級音質」を実現したと同社は主張する。

製品ラインナップは有線タイプ、Bluetoothタイプ、聴覚補助タイプの3つ。その中で一番ノーマルな有線タイプの一般販売価格は9800円になる予定だ。

僕は今日、SHIBUYA TSUTAYAの体験スペースに行って実際にEarsOpenで音楽を聴いてみた。(イヤホンにこだわりを持つタイプの人間ではない)僕がEarsOpenで音楽を聴いてみたところ、音のこもりだとかが特に気になることなく普通に音楽を楽しめた。ただ正直、骨伝導型ではない通常のイヤホンに比べて音質に特別感動するということもなかった。

EarsOpenが耳と触れる部分。半透明の部分が振動し、耳たぶの上にある軟骨を通して音を伝達する。

骨伝導イヤホンは、音を伝えるために鼓膜を振動させる必要はない。だから、耳が聞こえづらい人々も音楽を楽しむことができる。BoCo COOの磯部純一氏によれば、「老化によるものだとか、後天的に難聴になった場合であれば、ほぼ問題なく音が聞こえる」という。

また、先天的な難聴であっても音が聞こえたケースもあるようで、EarsOpenのプロジェクトページには、生まれつき左耳が聞こえない17歳の女の子がEarsOpenを使ってみると見事に音が聞こえたというエピソードが紹介されている。

磯部氏は、「EarsOpenの聴覚補助版は音楽鑑賞版とまった同じデザイン。私たちのイヤホンをつけているときは、自分が難聴であることをうっかり忘れてしまうようなイヤホンをつくりたかった。周りから見ても、何か『かっこいい』モノをつけてるなと感じてもらえるようなものです。ただ、ターゲットは『すべての人』で、難聴の有無という垣根を取り払ってすべての人に音楽を楽しんでもらいたい」と語る。

それでは、耳に不自由のない一般ユーザーへの訴求点とは何か。ターゲットはすべての人で、価格も9800円とイヤホンとして安くはない値段である以上、一般ユーザに訴えかける何かが必要だ。

磯部氏によれば、それはEarsOpenが提供する”新しい音楽の楽しみ方”だという。「このイヤホンは、音楽は骨で聴き、周りの音は耳で聞くことができる。通常のイヤホンは音楽のみを楽しむものだが、EarsOpenでは周りの音と融合した音楽を楽しむことが可能です。例えば、海岸で波の音を聞きながら、サザンオールスターズの音楽を聴くというような、新しい音楽の楽しみ方ができるのです」と語る。

前述したように、BoCoは現在TSUTAYAにEarsOpenの体験試聴スペースを設置している。同社は一般販売を開始した後も、家電量販店を販売チャネルとして使うことは基本的に考えておらず、体験型のスペースを通した販売を主軸として考えているという。年内の販売目標は、すべての製品タイプを合計して10万本だ。