料理キット「TastyTable」運営元が 7000万円を調達——月間提供食数はリリース半年で約400%成長

次の記事

BackMapは、視覚障害者を室内外で案内してくれるバックパック

オンライン食材宅配サービス「TastyTable」を展開するブレンドは5月15日、独立系ベンチャーキャピタルのANRI、フリークアウトホールディングス代表取締役社長の佐藤裕介氏から総額7000万円の資金調達を実施したことを明らかにした。同社はEast VenturesとYJキャピタルが共同で運営するアクセラレータープログラム「Code Republic(コードリパブリック)」の1期生であり、今回がそれに続く2度目の資金調達となる。(コードリパブリックの参加社は両VCからシードマネーとして、1億円のバリュエーションで合計700万円の出資を受ける)

TastyTableは毎週土曜日に自分で選んだメニューに必要な食材が自宅に届く、「料理キット」サービスだ。こだわりの食材と調味料を必要な分量だけパッケージ化し、プロのシェフや料理家が監修した詳細のレシピとともに提供している(レシピはスマートフォンに最適化したデジタル版と、キットに同梱される紙版がある)。現在は2名用と4名用でそれぞれ2プランずつ、合計4プランを提供。最も安い2名用・1メニューのプランだと1週間あたり3500円だ。

運営元のブレンドでは今回調達した資金を元に、アプリの開発やレシピ・食材調達ルートの拡充、マーケティング面を強化し事業の拡大を目指していく。

月間提供食数はサービス開始から約400%成長

ブレンドは、転職EXや賃貸スモッカなど複数のバーティカルメディアを運営するじげん出身の3人が創業したスタートアップ。代表取締役の田尾秀一氏は学生時代にイタリアンレストランで4年間働いていた経験があり、当時の体験も食の領域で起業する1つのきっかけになっているそうだ。

「たとえばパセリを少し添えるなど、ささいな工夫だけで見た目や味に大きな違いが出るが、自宅で用意するのは余ってしまうことも多いこともあり購入のハードルが高い。いつもより気合を入れて作った料理にちょっとしたポイントを加えることで、使う人の気持ちを豊かにするサービスを作りたいという思いがあった」(田尾氏)

ブレンド創業メンバーの3人。写真左から共同創業者の鈴木麻弓氏、代表取締役の田尾秀一氏、共同創業者の北国悠人氏

2016年11月にTastyTableを正式にリリースし、約半年。当初に比べ月間提供食数は約400%成長している。「リリース時は主に新婚の夫婦やカップルの利用を想定し2名用のプランのみを提供していたが、家族向けプランの問い合わせなどもいただくようになり、4月からは4名用のプランも始めた」と田尾氏が話すように、リリース以降ユーザーからのフィードバックを元に、提供プランの拡充から梱包方法まで改善を重ねてきた。

料理キット(meal kit)といえば米Blue Apronを筆頭にここ数年で多くのサービスが立ち上がり、世界的に注目を集めている市場だ。国内でもスタートアップに限らずオイシックスの「Kit Oisix」や、らでぃっしゅぼーやの「私が仕上げる10分キット」など食品ECの大手企業も参入している。

複数のサービスが乱立する中で、TastyTableがこだわっているのは「メニュー選びから実際に調理し、食すまでの一連の体験」だという。TastyTableでは時短や簡単さを押すのではなく、普段はあまり購入することのないような食材を使い、プロのシェフや料理家が考案するレストランのようなメニューが作れるように設計されている。

たとえば「築地でとれた魚を一尾丸ごと送り、捌くところからユーザーに体験してもらう」ような形で、多少手間はかかるが、料理をするところから楽しんでもらうことを大切にしているという。レシピもスマホでの閲覧に特化した詳細なものを独自で用意し、真似をすることで自然と料理がうまくなっていくことを意識しているそうだ。

実際にTastyTableで扱っているメニューの一例。本格的なメニューが並ぶ。

冒頭でも触れたとおり今後は現在のウェブサイトに加えアプリの開発、レシピや食材ルートの拡充に力を入れつつ、マーケティング面も強化しながらさらなる事業拡大を目指していくという。