株式のように自分の価値を取引できる「VALU」、購入にはビットコインを利用

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株式会社のように、個人個人が自分の価値を「模擬株式」として発行・(ビットコインによる)取引できるという斬新なサービス「VALU」のベータ版が5月31日リリースされた。すでに堀江貴文氏や家入一真氏、はあちゅう氏などが登録しており、SNS上でもちょっとした話題になっている。ちなみに6月1日15時の段階で、時価総額ランキング1位は堀江氏となっている(なおVALUはクリエイティブエージェンシーのPARTYや堀江貴文氏らが出資する会社だ)。

VALUではソーシャルメディアのフォロワー数・友達数に応じて自身の時価総額を自動的に算出される。その金額を元に模擬株式(VA)を発行し、自分の価値をシェアしたり取引する仕組みだ。ビットコイン・ブロックチェーンを活用して開発されており、VAの購入はビットコインで行う。

各ユーザーは株主(VALUER)に向けてイベントの参加権やノベリティといった優待を設定できるが、この辺りはクラウドファンディングにおけるリターンの概念に近い。株主は優待を楽しみつつ、支援者の時価総額が上昇した場合には応分の見返りをもらえるわけだ。

今後は動画配信など新機能のリリースも検討しており、ユーザーと支援者(株主)がより楽しめるサービスを目指していくという。

クラウドファンディングに近い印象を受けるかもしれないが、方向性が明確なプロジェクトやプロダクトを支援するのではなく、「顕在化していないが成し遂げたい何か」を持っている個人の可能性に対して投資をするというのがVALUの特徴だ。

サービスを手がけるVALUによると、「会社から独立してフリーのエンジニアとして新規事業の立ち上げに挑戦するも、資金が足りず諦めざるをえなかった」という代表取締役の小川晃平氏自身の経験がサービスの根本にあるのだという。

金融庁に通い、資金決済法の問題をクリア

上述したとおり、VALUでは模擬株式の売買にビットコインを使っている。ビットコインの特徴は特定の国が管理しない通貨だということ(非中央集権的)。

ビットコインを活用している理由について、小川氏は「(ビットコインでは『貧しい国』『貨幣が強くない国』といった環境に関係なく)共通の通貨で対等にお金のやり取りができる。VALUを通して、国境を越え、個人間での支援のし合いがより活発になる環境が整う第一歩になればと思う」とコメントしている。

すでにVALUは日本語と英語に対応しているが、半年以内に全世界で100万人のユーザーを獲得することを目標にしており、送金手数料が安く手続きも容易なビットコインとは相性がいいといえるのではないだろうか。

一方で気になるのは、法的なリスクについてだ。おそらく「サービスのコンセプトはおもしろそうだけど、法律的には大丈夫なのか」と気になる読者もいるのではないだろうか(実際にSNSでもそのような声があった)。

この点についてはサービスの開発が始まった約9ヶ月前から頻繁に金融庁を訪れ、1つ1つの機能について法律面の問題がないか確認してきたという。

たとえばVALUではVALU上で直接ビットコインを購入することはできず、外部サービスで購入しVALUに送金するという仕組みをとっている。日本円への換金もVALU上ではできず、ビットコインで一度外部サービスに送金しなければならない。ビットコインの購入、送金を行う外部サービスは、仮想通貨交換事業者として登録されているビットコイン交換所のウォレットだ。

このような仕組みにすることで外部サービスを経由する必要性はでてくるが、2017年4月に施行された改正資金決済法における「仮想通貨交換業」には該当せず、仮想通貨交換事業者への登録がなくともサービスの提供ができると判断された(ただし、この点は現状の仕様に関して。今後の機能追加などによっては事業者登録が必要になる可能性もあるという)。

現時点ではビットコインはまだ一般的なものとは言えず、「危険なもの」「うさんくさい」という認識の人もいるはずだ。だからこそVALUでも「法律面は相当シビアに考えている」とのことで、現在もアップデートがあれば金融庁に行き、法的な問題がないかを確認しながら安全なサービスを心がけているという。

(2017年6月2日18時11分 編集部注:VALU内外でのビットコインの扱いなど、記述に不足があったため、1,12,13段落の内容を加筆・修正しました)