ハードウェア特化型VCの仏Hardware Clubが31億円の1stクロージング発表

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左より、Jerry Yang氏、Alexis Housou氏、Barbara Belvisi氏

パリに本社を置くハードウェア特化型VCのHardware Club(以下、HWC)は6月19日、同社のファンド「Hardware Club FundⅠ」の1stクロージングを完了し、2500万ユーロ(約31億円)の出資コミットメントを取得したと発表した。

日本からは、孫泰蔵氏が率いるMistletoeDGインキュベーションがLPとして参加している。その他、フランスのソブリン・ファンドであるBpifrance、大手保険会社のCrédit Mutuel Arkéa、台湾の鴻海科技集団などが出資に参加した。

ハードウェア特化型VCのHWCが正式に活動開始したのは2015年のこと。HWCは参加スタートアップに対し、製造や流通を担う一流企業とのマッチングや協業支援を推進しているほか、参加企業のみが利用できるオンラインプラットフォームを運営し、コミュニティ形成およびその活性化を推進している。

現在、同社のコミュニティには世界30カ国から260のスタートアップ企業が参加している。日本からはFOVEトリプルダブリュージャパンなどのスタートアップが参加中だ。

HWCのジェネラル・パートナーであるJerry Yang氏はプレスリリースのなかで、「Hardware Clubにとって、日本は、特にオープンイノベーションの推進を考える際に、とても重要になる国です。例えば、保険会社や不動産会社などは、我々のコミュニティに所属するフルスタックAI技術、すなわち、センサー、クラウド、ソフトウェア、マシーンラーニングなどを包括したソリューションを提供できるようなスタートアップと連携することで、驚くほど彼らの業績が伸ばせるということがわかっています」と語る。

通常のアクセラレーターたちは、プロダクトのアイデアを持つものの未だプロダクトが実現していないフェーズのスタートアップに、活動場所と3Dプリンターなどの設備を提供することで彼らを支援する。しかし、HWCがフォーカスするのは、すでにプロトタイプのプロダクトが完成しているスタートアップだとYang氏は語る。その理由として彼は、「製造、流通、リテールの各領域でHWCがもつリソースを十分に活用できるのがこのステージだ」と話す。

また、Mistletoe代表の孫泰蔵氏は「Hardware Clubの一番の魅力は、彼らが世界初のコミュニティをベースとした集団であることです。コミュニティの素晴らしいところは、参加するスタートアップが、互いに切磋琢磨することで、どんどん成長していけるところです」とコメントしている。

同社が今回1stファンドクローズを発表したHardware Club FundⅠが注力するのは、デジタルヘルス、フルスタックAI、ノーベルセンサーなどのジャンルだ。今後、同ファンドはHWCのコミュニティに参加する260社のスタートアップに投資を行う。その中では、シードとシリーズAステージのスタートアップへの投資も検討しているという。

同ファンドの投資期間は2017年〜2020年で、存続期間は2017年〜2027年の10年間としている。Yang氏によれば、HWCが想定する各ステージごとの投資金額は以下の通りだ:

  • プレシード:日本円にして約1200〜3700万円
  • シード:約3700万円〜1億円
  • シリーズA:約1〜1.9億円

現在、TechCrunch JapanはJerry Yang氏に対して取材を試みている最中だ。追加のコメントが得られれば記事をアップデートする。

[アップデート 16:30]取材への回答として、6段落目および9段落目を追記した。