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デジガレと講談社が女性向けにキュレーションならぬコンピレーションメディア——「HOLICS」は雑誌記事を人とAIで再編して配信

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デジタルガレージと講談社の合弁会社、DK Mediaは6月28日、女性誌のコンテンツとAI技術を組み合わせてコンテンツを再編、配信するデジタルメディア「HOLICS」を開設、公開した。

デジタルガレージと講談社は、2015年2月にデジタルコンテンツ事業の分野で資本業務提携に関する基本合意を締結。2016年8月には合弁会社のDK Mediaを設立し、デジタルメディアの共同開発を進めてきた。DK Mediaでは、新メディアの形態を「コンピレーションメディア」と呼称。人気雑誌のコンテンツをテキストや画像単位に細分化(マイクロコンテンツ化)し、自然言語処理によりキーワードの関連度をスコアリングしたデータベースを構築して、データベースを元に、デジタル端末向けに最適な形に再編集し、配信するかたちをとる。

デジタルガレージと講談社が1月に発表したコンピレーションメディアの概念図

DK Mediaでは「WEBメディア業界では、PV・UU数にひも付く広告収入を獲得する事を至上とした傾向が、昨今の無数のWebサイトからの無断転用や、フェイクニュースを含む信ぴょう性の低い情報で運営するキュレーションメディアの問題として顕在化した」として、従来型のキュレーションメディアの問題点を指摘。その上で「DK Media自体の設立は昨年夏だが、従来のキュレーションメディアがはらむ問題を払拭するために、出版社が保有する雑誌コンテンツを使用するコンピレーションメディアという概念を打ち出した。権利処理にも時間をかけた」と説明している。

HOLICSはローンチ時点では、版権処理作業を先行して進めてきた講談社の「ViVi」「with」「FRaU」「VOCE」「おとなスタイル」をはじめとする雑誌コンテンツを基に、再編集記事を制作。記事の再編集にあたっては、HOLICS編集部が独自の視点を加えるほか、検索エンジン上の人気キーワードも考慮する。また、AI技術を活用して、個人別の興味や目的に合わせた形で記事の配信を最適化する仕組みを現在検証中とのこと。今後はユーザーの反応を見ながら最適化してゆく予定だという。

また今後、他の出版社の雑誌の参画も予定している。現在、13社50誌について、コンテンツのデータ分解とデータの格納のテストを行っており、準備が整い次第データベースへ格納し、コンテンツのクオリティーおよびメディアの価値向上を図っていくという。

講談社では6月9日にもグルメアプリ「SARAH」と提携、雑誌「おとなの週末」に掲載された情報をマイクロコンテンツ化して提供を始めている。また他の出版社では、小学館が4月、キュレーションメディア問題でサイトを閉鎖したDeNAと共同でデジタルメディア事業を検討するための基本合意を締結して、両社で改めて編集体制や記事作成フローの研究を行うと発表している。