Twitter、ウィンブルドンやコミコンのライブ配信に関し新たなパートナーシップを締結

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Twitterは引き続きストリーミングビジネスに精力的に取り組んでおり、ここ数週間に複数の企業と新たなパートナーシップを締結した。これにより、ユーザーは7月にサンディエゴで行われるコミコンの様子や、ウィンブルドンのニュース、舞台裏の様子などもTwitter上で視聴できるようになる。

皆さんの中には、Twitter初のスポーツ中継として昨年ウィンブルドンの様子が放映され、それ以前には、同社がNFLから1000万ドルで『Thursday Night Football』の放映権を獲得したのを覚えている人がいるかもしれない。なお、ウィンブルドンの中継は大々的に宣伝されなかったため、当時は本格的なサービスというよりは、むしろTwitter上でのライブ配信のテストのように考えられていた。

しかし時は流れ、その後Twitterはさまざまなスポーツの試合やスポーツ関連の番組、ニュースコンサートをはじめとするイベントなどのライブ配信を行い、NFLやMLBNBANHL(ホッケー)、NLL(ラクロス)、大学スポーツeスポーツなど多彩なコンテンツが扱われるようになった。

同社が今回ウィンブルドンに関するパートナーシップを結んだのは、ESPNではなくAll England Clubで、大会開催中には「Wimbledon Channel」がTwitter上でライブ配信される。具体的な内容としては、その日のまとめやニュース、インタビュー、舞台裏の様子、”好プレー集”が含まれる予定だ(つまり、試合の様子が丸々配信されるわけではない)。

ウィンブルドン以外にも、Twitterは過去2、3週間で新たな契約をいくつか結んでいる。その中でもエンターテイメント系メディアのIGNとは、サンディエゴで行われるコミコン2017(comiccon.twitter.com)の様子を中継することになった。IGNは7月19〜22日に行われる同イベントの様子を最長13時間ライブ配信する予定だとTwitterは語った。

内容としては、ABC、AMC、DC、Lionsgate、Marvel、Netflix、Startz、TBZといった制作・配給会社とのインタビューのほか、IGNのホストやスペシャルゲストによるイベント前後の解説がメインになる。そのほかにも、予告編や舞台裏の様子、俳優やプロデューサーとのインタビュー、コスプレイヤーの映像などが含まれる予定だ。

TwitterとIGNの新しいパートナーシップは、これまでの両社の協力関係を発展させたもので、最近ではロサンゼルスで行われたeスポーツイベント、2017 Electronic Entertainment Expo(E3)の中継でも彼らはコラボしていた。

また、最近はカナディアン・フットボール・リーグ(CFL)、UAFAクラブカップ、女子プロアイスホッケーリーグ(NWHL)などニッチなプログラムにも手を伸ばしており、Twitterのスポーツコンテンツは今後さらに増えていくだろう。

今年の春以降は、スポーツ以外にも元FBI長官ジェームズ・コミーの議会証言(協力:Bloomberg)や、アリアナ・グランデの慈善コンサート『One Love Manchester』など注目が集まっていたイベントの中継を行った。

ライブ配信に注力することで、「今何が起きているかがわかるプラットフォーム」というTwitterの目指す姿に近づくことはできるかもしれないが、消費者が見たいと思うようなコンテンツ(残念ながらカナディアン・フットボール・リーグはここには含まれない)の獲得に関しては、ストリーミング企業や大手テック企業の壁が立ちはだかっている。

例えば、Twitterは今年に入ってからNFLとの契約をAmazonに奪われてしまった。AmazonとNFLの契約料は5000万ドルにのぼると言われており、これは去年Twitterが支払った金額の5倍だ。これを受けて、Twitterのライブ配信事業は批判を浴びることになり、専門家の中には主要なプレイヤーについていくだけの資金力がTwitterにはない(つまり、同社は放映権の獲得競争に敗れる可能性が高く、人気があまりないコンテンツしか扱えない)と言う人もいる。

しかし、TwitterはAmazonへの対抗策としてNFLと新たな契約を結び、ニュースやハイライトといった試合以外のコンテンツをライブ配信することになった。コンテンツの魅力という点では実際の試合の放映権を獲得したAmazonに劣るものの、ニュース性が評価されているTwitterと新しいコンテンツの相性は良さそうだ。結局のところ、Twitterはニュースが集まるプラットフォームであり、多くのジャーナリストが情報収集する場なのだ。

とはいっても、Twitterの最近の動きを見る限り、彼らはファンの数が限られているロングテールスポーツや規模の小さなイベントを重点的に攻めているように見える。さらに同社は5月の時点で200件のパートナーシップを結んでいると発表しており、Twitterが質より量を優先しているのではないかという憶測が強まる。

ただ、個々のパートナーシップを取るに足らないものだと無視することもできる一方で、小さな努力が積み重なれば、人々は何か面白いライブ動画が配信されていないかとTwitterをチェックするようになるかもしれない(少なくともTwitterはそう願っている)。そして、例えNFLの試合のような話題性の高いコンテンツを扱えなくとも、Twitterのライブ配信の認知度が高まれば、長期的には他の指標(登録ユーザー数、広告収益など)に良い影響を及ぼす可能性がある。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter