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平均DAU4万人のおでかけ動画メディア「ルトロン」が15億円調達――体制強化で月間1000本製作へ

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スマートフォン向けの動画広告サービス「VIDEO TAP」や動画メディアの「ルトロン」などを運営するオープンエイトは7月10日、ジャフコグロービス・キャピタル・パートナーズから総額15億円の資金調達を実施したと発表した。

また、同社は2015年10月にTBSなどから8億円を調達している

オープンエイトが手がける事業は2つ。広告事業とメディア事業だ。

女性向けの動画広告サービスの「VIDEO TAP」やネイティブアド・サービスの「NATIVE TAP」などを運営するオープンエイトの広告事業では、@cosmeウーマンエキサイトなどの女性系メディアをネットワーク化。全ユーザーの94%が20〜40代の女性で、月間のべユニークユーザーは1億人以上だ。

VIDEO TAPは2015年4月のリリースだが、オープンエイト代表の高松雄康氏によれば、広告事業はすでに損益分岐を超えており、「投資回収フェーズに入っている」という。

オープンエイトは、この事業を通して改めて動画広告のエンゲージメント率の高さを知る。そこで同社は、コンテンツを自社で作って「ユーザーの心を動かしたい」という想いから、2016年6月におでかけ動画メディアの「ルトロン」をリリースした。

「ルトロン」は各地の観光スポットやレストランなどの魅力を伝える動画メディア。ユーザーは動画というリッチなメディアを通して“やってみたいこと、行ってみたい場所”を発見することができる。ルトロンにはこれまでに3000本以上の動画が掲載され、月に200本以上のコンテンツが自社製作されている。現在、Facebookページの“いいね!”数は73万以上で、デイリーアクティブユーザー数は平均4〜3万人程度だという。

下の動画はルトロンのコンテンツ例だ。

 

「@cosme、食べログ、クックパットなど、有力なWebサービスは目的志向が強いサービスだと思っている。例えば、食べログを開くときは、ユーザーがすでに“ラーメンを食べたい”などの目的を持っているとき。それに対してルトロンは、ユーザーの心を動かしてラーメンを食べたいという気持ちを喚起するメディアだ。そして、僕たちが重視するのはエンゲージメント。再生回数が多くても、ユーザーの心を動かさない動画を作っても意味がない」(高松氏)

オープンエイトは前回8億円を調達しているが、同社はそのうちの約2億円を費やしてコンテンツ製作の体制を整えた。「おでかけ領域で動画メディアをやっている競合はいなかった。ロケ取材をベースにコンテンツを作るのはお金がかかり、体力の少ないスタートアップが手がけるのは難しかったからだ」と高松氏は話す。

自身もスタートアップであるオープンエイトは、できるだけコストをかけずにコンテンツを製作するためにプロセスのシステム化を追求する。コンテンツの種類ごとに内容をフォーマット化したり、撮影に関する細かいマニュアルを用意して、誰が撮影しても同じ画角で撮影できるような体制を整えたりした。

また、合計で16人のルトロン事業メンバーを“企画チーム”と“編集・撮影チーム”に完全に分離。企画チームはそのほとんどの時間をブレストに費やし、一方の編集チームは、福岡から北海道まで全国に散らばる外部カメラマン(約30人)が撮影した動画の編集や撮影に集中できるようにした。

さらなる体制強化で月間1000本製作

オープンエイト代表の高松雄康氏

オープンエイトは今回調達した資金を利用して、ルトロンのコンテンツ製作体制をさらに強化する。編集チームを現在の8人からほぼ倍の14人に増やし、8月から月間1000本のペースでコンテンツを製作するという。また、同社は同じく8月にルトロンのアプリをローンチする予定で、それにあわせてWebプロモーションを開始する。

高松氏によれば、オープンエイトはAI開発にも着手しているという。

「ロケ先のレストランなどが1年後に廃業する確立は大体4〜5%程度。つまり、残りの95%を取材した動画はストックされたデータとして蓄積されていく。ルトロンでタレントを起用しない理由も、肖像権などの関係で過去に取材した動画が使えなくなるのを防ぐためだ。開発中のAIは、そのような過去のコンテンツを再編集してもう一度ユーザーに届ける役割を担う」と高松氏は話す。

例えば、クロワッサンというキーワードをもとに、“クロワッサンが美味しい店TOP3”などのコンテンツを配信したり、アプリリリース後にユーザーデータを集めたあとは、各ユーザーごとに最適な情報を自動で配信したりするなどの機能を展開していく。前者のAIによるコンテンツの再配信は今年秋ごろから、そして、ユーザーデータをもとにしたリコメンド機能は来年春ごろから提供していきたいと高松氏は話す。