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Microsoft大変身の勝利と悲劇、Nadellaの思い切った大鉈の経過を検証

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IPOの「秘密申請」手続きを大企業も利用可能に

長年MicrosoftのCOOだったKevin Turnerが去ったことは、Satya Nadellaがトップになってからの同社の、重要な転機になった。TurnerがいなくなってからはNadellaが全権を握り、最近のレイオフや新しい戦略、人事などはすべてそのことを反映している。それらは同社が、Windows/Office一点集中型の企業から、AzureとOffice 365という新しい二本の脚(あし)で立つ企業に移行したことを、表している。

しかもそれは、意外ではない。Nadellaは最初からクラウド指向の姿勢を鮮明にしていたし、そのことはCEO就任からわずか52日後の記者発表“モバイルファースト/クラウドファースト”にも表れていた。Microsoftの変身は今も続いているが、すでにBallmer色は過去のものとなり、Nadellaによる同社の技術と企業文化の大改革が試みられている。

NadellaはCEO就任以降、技術や経済の大きな変化の中で、Microsoftという船の舵取りに追われていた。今年の5月に行われたデベロッパーカンファレンスBuildでは、2014年のモバイルファースト/クラウドファーストに加えて人工知能と機械学習に焦点を当て、同社を確実に未来へ向かう道程へ乗せようとした。

またNadellaは、2014年の就任以降40社あまりを買収し、新たな技術の取得にも努めてきた。ちなみに、買収企業はクラウド関連が多い。これまでで最大の買収は260億ドルを投じたLinkedInだ。いちばん最近の買収は先月末のCloudynで、Azureなどのクラウドプラットホームのユーザーの、クラウドの利用状況を分析教示する企業だ。

果敢な新役員人事

Turnerの退任後Nadellaはまず最初に、クラウド中心で行くという彼のビジョンを共有する二人の人物を、全世界の営業を統轄する部署に置いた。Judson Althoffが全世界の商用ビジネスの長となり、Jean Phillipe Courtoisがグローバルな営業を率いることになった。

先週明らかになったように、Microsoftは近く数千人をレイオフするが、その多くは営業の余剰人員だ。このレイオフは、AlthoffとCourtoisが早くも導入した新たな戦略の結果かと思われる。先週のThe Wall Street Journalの記事によると、同社は単純にWindows中心の世界に別れを告げるだけでなく、業種業界企業別に縦割りだった営業の組織形態を廃止し、大企業と中小企業をもっと幅広い視野で捉える組織に変えていくのだ。レイオフは、その変革がもたらした結果の一部だ。

またこれらのレイオフを背景として、Microsoftは、1993年以来同社に在籍し、2013年からはCIOを務めた古顔の役員Jim Duboisの退社を発表した。彼がCIOに任命されたのは、NadellaがCEOになるよりも前だ。いわば、同社の古い時代の顔である。

そしてそれを機に役職名がCIO(Chief Information Officer)から、より現代的なCDO(Chief Digital Officer)に変わり、その初代にKurt DelBeneが昇格して、Duboisの仕事の多くを引き継いだ。

これらの異動はすべて、最近のMicrosoftの変化の一側面だ。変化により、前の時代を支えた役員たちは去らねばならない。そして思考の波動がNadellaと合う人びとが、それらの役に就く。

レイオフと並行しての動きとは

今日(米国時間7/10)Microsoftは、新しいプロダクトを二つ発表したが、その今日は、WSJが先週報じた、大企業と中小企業を共に対象とする営業のグローバルな大変革が着手される日だ。プロダクトのひとつ、Azure Stackは、クラウド技術としてAzureを利用するプライベートクラウドプラットホームだ。パブリッククラウドに向かないと企業が判断した業務を、これにより自社のデータセンターにインストールしたAzureコンポーネントで動かすことができる。

もうひとつは、中小企業を対象とするOffice 365関連プロダクトだ。それには、メールマーケティング、リスティング、請求書発行、などのサービスが含まれる。

ご覧のように二つのプロダクトは、大企業と中小企業を共に視野に収めている。レイオフなんて、要するにダウンサイジングじゃないか、という声もあろうかと思われるが、でもそれを、このようにほかの動きと並置してみると、これらが単なる偶然の時期的一致とは思えなくなるのだ。むしろ、ひとつの重要な戦略変換の、さまざまな側面と見えてくる。

CEO就任から3年あまりになるNadellaのMicrosoftにおける影は、薄いどころか近年ますます濃い。先週の突風のような急激な変化が、まだまだ今後もある、と考えるべきだろう。巨大企業がその全域にわたって変身を成し遂げようとすると、あちこちで変化の嵐が吹き荒れるのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))