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エネチェンジがケンブリッジ発の電力ベンチャーと経営統合、電力ビッグデータ解析事業に本格参入

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電力価格の比較サービスを提供するエネチェンジは、6月30日付で英国のスマートメーターデータ解析ベンチャーSMAP ENERGYとの経営統合に合意したことを明らかにした。経営統合に伴い、SMAP ENERGY共同創業者・CEOで、エネチェンジ創業メンバーの1人でもある城口洋平氏が新たにエネチェンジの代表取締役会長に就任し、現・代表取締役社長の有田一平氏との共同代表制へと移行する。

写真(左)代表取締役社長 有田一平氏 (右)代表取締役会長 城口洋平氏

エネチェンジでは個人向けの電力・ガス価格比較サイト「エネチェンジ」や、法人向けの電力切り替えサービス「エネチェンジBiz」などを提供。2016年2月からはSMAP ENERGYと業務提携して、同社が提供するスマートメーターの電力データ解析サービス「SMAP(Smart-Meter Analytics Platform)」の日本での独占販売権を取得し、電力データの見える化支援サービスなどを提供してきた。

2015年創業のエネチェンジも、ルーツはSMAP ENERGYと同じ英国発のスタートアップだ。サービス開始を紹介する記事でも説明されているとおり、エプコ代表取締役 グループCEOの岩崎辰之氏や、英・ケンブリッジ大学の卒業生らが2013年に英国で設立した、電力関連の技術を研究する「Cambridge Energy Data Lab(ケンブリッジエナジーデータラボ)」が母体となっている。そこから価格比較サービスを切り出す形で、同ラボの創業メンバーである有田氏が日本で設立したのがエネチェンジだ。

一方のSMAP ENERGYは、城口氏のケンブリッジ大学工学部博士課程のスマートメーターデータ解析に関する研究成果をもとに、ケンブリッジ大学とケンブリッジエナジーデータラボが共同で2016年に設立した産学連携ベンチャー。電力データ解析サービスSMAPを電力会社向けに展開し、日本のほか欧州・中東の電力会社への導入実績があるという。

今回の経営統合では、同じ母体からスピンアウトした、いわば兄弟にあたるスタートアップ同士が、再び一つに寄り添う形となる。エネチェンジは経営統合について「日本でのスマートメーターの導入率が2016年12月時点で30%に達し、2023年には沖縄を除く全世帯への設置完了が予定されている状況を受け、電力ビッグデータ事業への本格参入を決定した」としている。SMAP ENERGYの持つ電力ビッグデータ解析の技術や知見を統合することで、電力比較サイトへの活用に加え、電力会社への電力データ解析サービスも充実させたい考えだ。また、共同代表取締役制により、城口氏がこれらデータ解析事業のほか、海外事業も管掌していくという。

城口氏はリリースで「日本の電力市場は、自由化された18兆円市場として世界最大の規模を誇る魅力的な市場。加えて、スマートメーターの普及やデータ活用は、イギリスをはじめとする欧州諸国よりも進んでいる先進的な市場環境がある。エネチェンジが有する消費者や電力会社との強い関係性との相乗効果が高いと判断し、今回の経営統合に合意した。この統合を活用し、世界の電力会社と取り組みを行っているSMAPならではのデータ解析力と世界レベルでのノウハウで、スマートメーターデータの世界NO.1プラットフォームに挑戦していきたい」とコメントしている。

また、有田氏は「これまで電力比較サービスを主軸として事業を展開してきたが、エネチェンジは電力自由化、ガス自由化に続く第三の矢としてスマートメーター設置を捉えており、比較サービスの精緻化、マーケティング、料金プラン開発等へ応用していくことにより日本の電力市場の発展に繋げることができれば幸いだ」とリリースで述べている。

エネチェンジは2015年の設立以来、2016年2月に約4億円を調達2017年1月に5億円を調達2017年3月に5000万円を追加調達しており、これまでに総額約9.5億円の資金調達を行っている。