遠隔医療で動画・メッセに厚労省がゴーサイン、医療メッセンジャー「メディライン」が新機能

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HealthTech(医療×テクノロジー)の中でも一際多くの関心を集める遠隔医療。この遠隔医療がいよいよ本格化していきそうだ。

医療用チャットサービス「メディライン」を提供するシェアメディカルは7月19日、同サービスで新たな遠隔医療機能を実装したと明かした。この機能は厚生労働省が7月14日付けで出した通達「情報通信機器を用いた診療について」(医政発0714第4号)に対応したものだ。

この通達は遠隔医療だけでも法に触れないケースを明確化することが目的。テレビ電話やSNSを活用した遠隔医療について触れている点は大変興味深く、遠隔医療を手がける企業には大きな影響を及ぼすはずだ。

遠隔医療については平成9年に厚労省から出された「情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」)について」において、基本的な考え方や医師法との関係から留意すべき事項が示されている。今回の通達は、情報通信機器の開発や普及の状況を踏まえ改めて遠隔医療の取り扱いについて記したものだ。

遠隔医療に取り組むスタートアップや、遠隔医療に関心があるTechCrunchの読者にとって特にインパクトが大きいのは「テレビ電話や、電子メール、ソーシャルネットワーキングサービス等の情報通信機器を組み合わせた遠隔診療についても、直接の対面診療に代替し得る程度の患者の心身の状況に関する有用な情報が得られる場合には、直ちに医師法第20条等に抵触するものではない」と明確化されたことだろう。

シェアメディカルではメディラインに備わっている「動画、音声、静止画の送受信、チャット機能」を組み合わせることで、同通達の遠隔診療要件を満たせると考えているという。またオンライン上でも医師と一対一の関係が築けるように、他の患者とは交流できない「患者さんアカウントモード」を新たに追加したことを明かした。

初回受診のハードルを大きく下げる効果も

遠隔医療が普及していくことで、どのようなインパクトがあるのか。離島やへき地に住んでいて直接通院することが困難な場合はもちろん、初回受診のハードルを下げるという面でも大きな可能性を秘めている。

シェアメディカルによると、たとえば肛門科や泌尿器科、婦人科などの診療科では治療内容が想像できず羞恥心や恐怖心が初診を受ける際の大きな障壁になっているという。「一度医者の話を聞いてみたい」と思っても、これまでは自費診療のカウンセリングでしか認められていないという状況だった。遠隔医療が普及することで、この障壁を取り除くことができるかもしれないということだ。

もちろん直接医者と会って話したいという患者もいるだろうし、基本的には対面受診を進めるのが最優先になるというが、1つの選択肢として遠隔から気軽に相談できる場が設けられることは大きなメリットだと言えるだろう。

またメディラインでは今後9月を目処に患者さんモードにカード決済機能や後払い機能を追加し、遠隔診療から気軽な有料医療相談などサロンのような使い方も可能にしていく予定だという。合わせて来年2018年の診療報酬の改定を前に、診療報酬以外の収益手段を提供し医院経営の多角化を提案していくことにもチャレンジしていく。