シンガポールがアメリカに続いてICO規制に乗り出しか

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米証券取引委員会(SEC)のICO規制に関する発表から1週間も経たないうちに、シンガポール当局も証券として考えられるトークンの規制を始めると発表した。

世界的な金融ハブとして知られているシンガポールは、TenX(調達額:8000万ドル)、Golem(860万ドル)、Qtum(1560万ドル)などの資金調達を経て、ICOのメッカのような存在になった。ICOという、これまでになかった資金調達方法について各国当局の対応に注目が集まる中、シンガポール金融管理局(MAS)は自国通貨の電子化に努めており、仮想通貨業界からはポジティブな声が集まっていた。

中にはシンガポールを「ICOヘイブン」のように考えている人もおり、3月のWiredの記事では、シンガポール当局は「このような電子トークンを証券とは考えていない」とまで書かれていた。

どうやらそれは違ったようで、本日(現地時間7/31)MASは、一部の(どうやら全てではないようだ)ICOを規制する旨の書簡を公開した。

6つのポイント沿ってまとめられた書簡の内容を要約すると、MASは今後シンガポールの証券先物法の対象になりそうな(つまり株式のような証券に近い)トークンの販売を規制していくということだ。さらにMASは、取引所をはじめとするICO後のトークン売買を可能にするサービスも規制対象になると記している。

シンプルな内容のようにも見えるが、何を「証券」とみなすかはMASの判断であり、その条件については現時点では明らかになっていない。

MASは妥当なアドバイスとして、シンガポールが関連したICOを考えている企業・個人は「関連法に照らして第三者機関からの法的なアドバイスを受け、必要に応じてMASとも相談するよう」促している。

ICOを行うシンガポール法人以外にも、シンガポール人やシンガポールに拠点を置く個人・法人からの出資を受けるICOも規制対象になる可能性がある。

だからといって悲観する必要はない。シンガポール当局は同国でICO人気が高まっているのを認め、規制をもってこの新たな資金調達方法に漂う法的な不透明さを払拭しようとしたのだ。今後はどのICOが証券取引として考えられるのか(そもそもそんなものが存在するのかを含め)、そして当局がそれにどう対応するかということに注目が集まる。

業界団体のACCESS(シンガポールの仮想通貨・ブロックチェーン企業から構成されている)は、既にMASの書簡を歓迎している。

「本日MASが公開した書簡の内容を喜ばしく感じています。当局は仮想通貨の多様さと共に、証券先物法の対象にならない通貨の存在も認めているのです。明確化された規制対象や仮想通貨に対するMASの新たな意見について知ることができありがたく思っています」とACCESSの広報担当者は語った。

MASは以前にも、ICOで使われることのあるビットコインやイーサリアムといった仮想通貨に関する勧告を発表したが、資金調達の手段として仮想通貨が利用され始めたことを受けて、今回の書簡を公開するに至った。

「海外の規制当局と同じように、MASも仮想通貨を規制しないというポジションをとっています。しかし最近では、ただの仮想通貨を超えたトークンの使い方が散見します。トークンが発行者の資産や所有物の所有権や担保権を表章するものとして使われている場合がその一例です」と書簡には記してある。

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(翻訳:Atsushi Yukutake