Vectorがマイクロ衛星用ロケットのテストに成功――宇宙スタートアップ、大きく前進

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マイクロ衛星の打ち上げを目指すスタートアップ、Vectorを創立したのはSpaceX、Virgin Galactic、Boeing始めとする宇宙企業の元社員のチームだ。今日(米国時間8/3)、Vectorは衛星打ち上げに利用するロケット、Vector-Rの実物大プロトタイプの打ち上げに成功した。

今回の打ち上げはジョージア州カムデンに所在するVectorの基地で行われた。 このSpaceport Camdenは1960年代にNASAの固体ロケットのテスト施設として開設されたもので、最近Vectorが打ち上げ基地として再開したものだ。

Vectorの目的はSpaceXのような衛星打ち上げを行う企業となることだ。実際、共同ファウンダーのJim Cantrell、John GarveyはSpaceXの共同ファウンダーだ。今日の打ち上げ成功は同社にとって大きな一歩となる。またVectorはマイクロ衛星の商用打ち上げをAstro DigitalCenter for Applied Space Technology、NASAエイムズ研究所から委託される予定で、これらの企業や組織からのテスト用ペイロードも積み込まれた。

現在Vectorでは「開発は順調に進んでおり、来年中に実際の衛星打ち上げ能力を獲得できる」としている。今回の打ち上げ実験の成功が大きいというのは、NASAのマーシャル宇宙飛行センターと共同で開発した3Dインジェクターによって成形されたエンジンが用いられているからだ。このテクノロジーは打ち上げコストを大幅に低下させる効果を期待されている。

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VectorのミッションはCubeSatと呼ばれるマイクロ衛星の低コストでの打ち上げ能力を得ることと同時に、こうしたこうした衛星に必要とされる能力を発揮させるアプリを開発するプラットフォームとなるソフトウェアを開発することだ。Vectorでは自身で衛星をデザイン、開発して打ち上げるのではなく、Vectorが提供するAPIを通じてサードパーティーが衛星をコントロールするアプリを開発できるようにするという。

Vectorではマイクロ衛星の打ち上げコストを最終的に300万ドル程度まで下げようとしている。SpaceXのFalcon 9ロケットによる衛星打ち上げコストの6000万ドルと比較してきわめて安価だ。この低価格によりこれまでとは比較にならないほど広い範囲のユーザーが宇宙にアクセスできるようにしるのが狙いだ。同社は最近SequoiaがリードするシリーズAのラウンドで2100万ドルを調達している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+