VRビジネスを展開するハコスコが自由視点VRコンテンツ配信へ、資金も調達し事業を拡大

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ハコスコ代表取締役の藤井直敬氏(左)、COOで共同創業者の太田良恵子氏(右)

1000円ほどの段ボール製筐体で手軽にVRを体験できるデバイスを皮切りに、VR関連ビジネスを展開するハコスコ。同社は8月10日、モバイル端末での⾃由視点VR技術を活⽤したVRコンテンツ(⾃由視点VRコンテンツ)再⽣機能を発表。⾃由視点VRコンテンツ配信事業を開始するとした。

自由視点動画というと、つい先週KDDIが自由視点映像技術を活用したシステム「4D REPLAY」を提供する韓国発・米国拠点の4D REPLAYに出資しているが、今回用いる自由視点技術は、KDDI総合研究所で開発されたもの。これをもとにハコスコが独自の再生エンジンを開発。自社で提供する360度映像再⽣アプリ「ハコスコアプリ」に組み込んだ。⾃由視点VRコンテンツのアプリ内配信事業は9月初旬に開始する予定で、これが世界初の取り組みになるという(処理負荷の問題から、モバイルでの再生は難しかったからだ)。なお、ハコスコはKDDIのベンチャー投資ファンド「KDDI Open Innovation Fund」から出資を受けている。

第1弾のコンテンツとして、⼥性アイドルグループ「マジカル・パンチライン」の⾃由視点VR動画の配信が決定している。またハコスコは今後、KDDIと協⼒し、アーティストやスポーツ観戦といった⾃由視点VRコンテンツの制作・配信事業を進めていくという。

段ボール筐体の販売から、360度動画の制作、配信事業へ

ここで最近のハコスコの状況をまとめておきたい。冒頭で伝えたように、ハコスコはもともと段ボール製の安価な筐体とスマートフォン、360°映像再⽣アプリのハコスコアプリを組み合わせて、手軽にVRコンテンツを体験できるというのがウリで、ビジネスとしては筐体販売と企業向けの筐体プリンティングなどを展開していた。だが設立から3年が経過した今、同社は「ゴーグル」「映像制作」「映像配信」の3つの領域でビジネスを展開している。

筐体のラインアップ

ゴーグルについては、自社での段ボール製筐体の販売や筐体のプリントビジネスを展開。企業のキャンペーンなどで合計120件の採用事例が(TechCrunchもオリジナルハコスコを制作したことがある)あり、そのほとんどは問い合わせベースでの案件になっているという。段ボール製に加えて、直近には耐久性の高いプラスチック製の筐体もリリースした。

Insta360 Pro

また映像制作では、全天球パノラマ式カメラ「Insta360」の代理店として、コンシューマー向けの「Insta360 nano」やプロ向けの全天球8Kカメラ「Insta360 Pro」を販売。映像制作者向けのプロダクトを拡充させている。1台45万円のプロ向けカメラも、すでに100台以上の販売実績があるという。

そして映像配信について。まず7月にハコスコアプリをアップデート。課金機能を追加したほか、管理曲利用の包括的許諾と代理許諾に対応した音楽VR動画配信サービス「ハコスコミュージック」も立ち上げた。さらにVRライブ配信プラットフォームの「ハコスコLIVE」も準備中だ。配信についてはフリーミアムモデルで、個人からプロユースまでを幅広くターゲットにビジネスを展開するとしている。

事業の拡充に合わせて資金調達も実施した。7月には、グローバル・ブレインを引受先とした9900万円の第三者割当増資を実施。経営メンバーや営業、開発などの人材を強化している。ハコスコでは、同ラウンドで継続して資金調達を進めているという。

「今期(2016年度)の売り上げは2億3千万円で前年比3倍のペース。これであれば、IPOを目指していけるのではないか。今後はモノ(筐体)だけではなく、配信事業も拡大していき、利益を確保していきたい」

「デジタルコンテンツはかたちがないので、まだまだ売りにくかったり、配りにくいところがある。だが例えばDVDに(360度動画のPINコードを)バンドルすれば、通常より1500円高く販売する、といったこともできる。長く続くモデルだとは思わないが、デジタルコンテンツの新しい配り方を提案している」(ハコスコ代表取締役の藤井直敬氏)

3つの領域で事業を展開する