薬剤のリリースをコントロールして治癒を早めるスマート包帯をMITなどが共同開発

次の記事

ヨーロッパの子どもたちのためのプログラミング教育振興事業EU Code WeekにAppleとGoogleも協賛

切り傷や擦り傷の治療は通常、包帯や救急絆などを何度か取り替えながら、その都度軟膏などを塗って行う。でも、傷薬(きずぐすり)の要らない包帯があったら、どうだろう?今、ネブラスカ大学リンカーン校とハーバード大学とMITが共同開発しているスマート包帯が、まさにそれなのだ。

従来からよく使われる、消毒綿などの繊維と違って、この傷口保護材は“感熱性のドラッグキャリアを含んだヒドロゲルで電熱ヒーターを包んだ複合繊維”で作られている(右図)。実は、これですべてを言い表しているのだ。

傷口を保護するなどの包帯としての機能は同じだが、そこに切手大のマイクロコントローラーが付いている。アプリやタイマーや織り込まれたセンサーなどによってそのマイクロコントローラーが起動すると、繊維に電気を送って温め、ヒドロゲルの中で寝ていた薬剤を活性化する。

その薬剤は、麻酔剤や抗生剤、あるいは治療を加速する成長ホルモンなど、何でもよい。電圧が高いとより多くの薬剤が活性化し、また、それぞれ薬剤の異なる複数の複合繊維を、ひとつのスマート包帯に使ってもよい。

“これは薬剤の投与量に依存しない治療が可能な初めての傷口保護材である”、とUN-LのAli Tamayolがニューズリリースで言っている。“リリースプロファイルの異なる複数の薬をリリースできる。これはほかのシステムに比べて大きな利点だ”。

チームはジャーナルAdvanced Functional Materialsに発表したペーパーで、動物に適用したときの良好な治癒効果を述べている(人間でのテストはまだこれから)。また、熱が薬剤の効果を妨げないことも、確認している。

ふつうの擦り傷なら普通の包帯や救急絆などの傷口保護材(bandage, 池の向こう岸のお友だち(イギリス人)ならplaster)で十分だが、人が頻繁に世話できない負傷者とか、包帯の頻繁な交換が難しい患部を持つ人には、このシステムが最適だろう。

さらにテストを重ねてFDAの認可が得られたら、今度は繊維とセンサーの統合という課題がある。血糖値やpHなど、治癒過程が分かる測度が包帯から得られれば、それを包帯の上のディスプレイに、プログレスバーで表示できるようになるかもしれない。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))