プロダクトの背景にあるストーリーを伝え、企業とエンジニアをつなげる「Mewcket」が資金調達

次の記事

クリエイター向け入力デバイス「O2」がMakuakeで販売開始、ペンタブとの組み合わせで作業を効率化

エンジニア向け求人アプリ「Mewcket」を開発中のMewcket(ハチキューから社号を変更)は10月26日、サイバーエージェント・ベンチャーズファンコミュニケーションズ代表取締役の柳澤安慶氏、ラクスルビズリーチの創業メンバーである河合聡一郎氏を引受先とする第三者割当増資を実施したことを発表した。

調達金額は非公開だが、数千万円規模と見られる。

Mewcketは、エンジニア向けの求人情報を閲覧できるスマホアプリだ。ただ、求人情報だけではなく、CEOへのインタビュー記事などのコンテンツも配信しているので、求人メディアと言ったほうが正確なのかもしれない。

先日TechCrunch Japanでも紹介した「GLIT」など、新興の求人アプリは数多く存在する一方、Mewcketの差別化要因でもある一番の特徴は、掲載されている情報がプロダクトを起点にしているという点だ。

Mewcketでは、採用を行っている企業のプロダクトのストーリーやビジョンを記事コンテンツとして提供する。そして、それに共感したユーザーが企業の情報を「ポケット」と呼ばれるお気に入りに登録し、企業側にはポケットしたユーザーのリストが渡されるという仕組みだ(この段階ではユーザーの個人情報は含まれていない)。

企業はリストを通して、ユーザーが事前に入力した転職意向の度合いや所持スキル(たとえばPythonでの開発歴など)を確認することができる。そのなかに自社に適していると判断したユーザーがいれば、Mewcketのチャットシステムを通してダイレクト・リクルーティングをすることができる。

ここがMewcketのマネタイズポイントだ。Mewcketはユーザーへアプリを無料で提供する一方で、この企業からユーザーへのアプローチ1件ごとに課金する。その課金料は掲載企業ごとに決定されるため非公開ということだが、Mewcket代表取締役の小林奨氏によれば、その金額感は「1件につき数万円程度」だという(別途、約20万円の初期費用が発生する)。

そのほか、Mewcketには「コンシェルジュ」と呼ばれるチャットボット機能もついている。僕が取材時にそのチャットボットを確認した限りでは、これは自然言語処理を駆使したハイスペックなチャットボットではなく、ボットからの問いかけに選択式の答えを返すというタイプだった。

たとえば、過去の閲覧履歴などからチャットボットがある企業の求人情報をリコメンドすると、ユーザーはそれを気に入ったかどうか回答する。「気に入らない」と回答すれば、次はボットがなぜ気に入らなかったのかを聞いてくる。もしユーザーが「規模感が合わない」という選択肢を選べば、次回はもう少し規模が大きな(小さな)企業の求人情報がリコメンドされるという具合だ。

テクノロジーで人材エージェントをリプレース

Mewcketは2017年8月にテスト版をリリースし、参加ユーザーの募集を開始。その結果、約100社の企業と1000名のエンジニアが集まった。2017年12月1日(予定)の正式リリースに向け、現在は新規の受付を停止中だ。また、小林氏はそれまでに有料職業紹介事業の許可を取得する予定だとしている。

Mewcketは2016年8月の創業。リクルート住まいカンパニーの事業開発室を経て独立した小林氏が、「エンジニアの転職市場は超売り手市場であり、かつ転職活動のオンライン化率が高い」という点に着目してMewcketを創業した。

「Mewcketが目指すのは、テクノロジーで人材エージェントをリプレースすることだ。エンジニアが自分のスキルを人間のエージェントに伝えたとき、それに適したおすすめ企業として人間の頭に浮かぶのは、せいぜい10社くらいだろう。スキルセットをもとにした企業とユーザーのマッチングは、人間よりも機械の方が得意な分野だと思う。プロダクトを起点にして企業とエンジニアをテクノロジーでつなげる世界を目指していきたい」(小林氏)

Mewcketのチームメンバー。左から2番目が代表取締役の小林奨氏。ここに1名のエンジニアを加えた総勢5名で運営している。