“証券3.0”を目指すFinatextが14億円で証券会社を設立——取引の基礎となる機能をAPIで提供

次の記事

Apple、マララ基金と提携して女子教育の機会拡大を支援

株式市場の予測アプリ「あすかぶ!」や金融機関向けの投信データ提供サービスなどを手がけるFinatextは1月23日、新たに設立した子会社スマートプラスを通して証券業に参入すると発表した(スマートプラスの設立は2017年3月で、証券業登録は12月26日に完了)。さらに、Finatextは2017年5月にJAFCOから14億2500万円の資金調達を行っていたこともTechCrunch Japanの取材で明らかとなった。

2013年創業のFinatextはこれまで、株式市場の予想アプリ「あすかぶ!」や仮想通貨を使ったFXの予想アプリ「かるFX」といったコンシューマー向けの投資アプリを手がけてきた。また、2016年4月からはこれと並行して日本アイ・ビー・エムと共同でロボアドバイザーのエンジンを金融機関に提供するビジネスも行っている。

このように、これまでは間接的に証券業に関わってきたFinatextだが、彼らは新子会社のスマートプラスを設立して証券業に直接参入することを決めた。スマートプラスを通して彼らが目指すのは“証券3.0”の実現だ。

Finatextは、伝統的な対面営業の証券業を”証券1.0”、また、その業界がインターネットによって効率性を追求し、手数料の引き下げや商品ラインナップの充実を進めてきたことを”証券2.0”と呼ぶ。そして、投資家が多様な証券サービスの中から自分の趣向に合ったサービスを自由に選べる世界というのが、Finatextが目指す証券3.0だ。

それを実現するために必要となるキーファクターが、「BaaS(Brokerage as a Service)」という考え方。これは、各証券会社がこれまで自社で一式に提供してきた証券インフラ、証券取引の執行機能、フロントエンドサービスをアンバンドル化し、その中の基礎的な部分であるインフラと執行機能をFinatextがAPIとして提供するというもの。執行機能部分はスマートプラスが担当し、証券インフラ部分は同社とパートナーシップを結ぶ大和証券が提供する。

そうすれば、証券会社はユーザーと直に接するフロントエンドサービスに注力することができるようになるとFinatextは主張する。また、証券サービスの開発コストが極小化されることで新規参入者が増え、小規模ニーズにも対応した多様な証券フロントサービスが生まれるようになるという。

Finatextは、片手で迅速に取引が可能なUIや、自然言語解析による情報と銘柄の関連付けなどが特徴の株式取引アプリ「STREAM」を2018年初旬にリリースする予定だ。証券3.0が実現すれば、ユーザーエンドの技術に強みをもった他業種の企業でも、STREAMのようなアプリを開発することで独自の証券サービスを提供できるようになる。それがFinatextが目指す新しい証券業界のカタチだ。