食べチョク
ビビッドガーデン

オーガニック農家と消費者をつなぐ「食べチョク」が4000万円を調達、好みの野菜が届く新サービスも

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(写真上段左から)CAMPFIRE代表取締役の家入一真氏、アドイノベーション代表取締役の石森博光氏、エウレカ創業者の赤坂優氏(写真下段左から)ビビッドガーデンCOOの大河原桂一氏、ビビッドガーデン代表取締役CEOの秋元里奈氏

オーガニック農作物のC2Cマーケットプレイス「食べチョク」を提供するビビッドガーデン。同社は2月8日、エウレカ創業者の赤坂優氏、CAMPFIRE代表取締役の家入一真氏、アドイノベーション代表取締役の石森博光氏、アカツキ代表取締役の塩田元規氏ほか1名の個人投資家を引受先とした第三者割当増資により、総額4000万円を調達したことを明らかにした。

ビビッドガーデンは2016年11月の設立で、外部からの資金調達は今回が初めて。調達した資金を基に人材採用やサービスの改善、拡張を進めていく方針。その一環として、本日よりユーザーの好みに合ったオーガニック野菜を定期的に届ける「食べチョクコンシェルジュ」の提供も始めている。

正式リリースから2ヶ月で登録農家が100件に

食べチョクについては2017年8月の正式リリース時にも紹介したが、同社の基準をクリアしたオーガニック農家のみが掲載されたマーケットプレイス。ユーザーと農家を直接つなぐC2Cのモデルだ。

農薬や肥料を使っていない生産物が、鮮度の高い状態で自宅に届く(最短で24時間以内)ことが特徴。時にはスーパーではあまり手に入らないような、珍しい野菜を購入できるという利点もある。

8月時点で60件ほどだった登録農家数は、メディア掲載や農家間の口コミの効果もあり2ヶ月で約100件まで増加した。

ビビッドガーデン代表取締役社長の秋元里奈氏によると、農家にとって食べチョクは「自分たちのこだわりをしっかりと理解してもらった上で販売できる、専用のホームページ」のような位置づけだという。新しい販路になりえるだけでなく、顧客と直接コミュニケーションをとれることをメリットに感じる農家が多いそうだ。

また中には野菜作りは得意でも、商品設計やマーケティングが苦手な人もいる。そこは食べチョクが商品の文言や紹介の仕方を細かくサポート。「風邪予防」などサイト全体で特集パッケージを組み、該当する農家を複数紹介することもやっているという。

秋元氏の実家は以前から農業を営んでいたものの、市場出荷のみで経営を維持することが難しくなり、遊休農地に。小規模農家の販路拡大という課題解決に向けてスタートしたのが食べチョクだ。ただ秋元氏自身がDeNAを経て企業していることをはじめ、チームや今回の投資家陣はIT業界のメンバーが中心。サービス設計や細かい施策などにはそのカラーも反映されている。

ユーザーの好みに合わせて最適な野菜が届く新サービス

一方ユーザー側についても、首都圏エリアで小さな子どもを持つ30代の主婦を中心に利用者が増加。特にリピート率が50%と予想より高い数字になっているという(新たにリリースする定期購入サービスなどを通して、この数値はさらに改善できる余地があるそう)。

「(小さい子は)食べ物の影響が出やすいため、食材に気を使う親御さんが多い。オーガニックということに加え、生産者の顔が見え直接やりとりできる点も安心につながる。他と比べて必ずしも安いわけではなくても、作り手から直接買いたいというニーズがあることがわかった」(秋元氏)

たとえば毎週土日に青山で開催されるファーマーズマーケットには約1万人が集まり、農家を含む生産者と消費者が直接やりとりしながら盛り上がるという。秋元氏いわく、食べチョクは「青山ファーマーズマーケットのオンライン版」のイメージに近いそうだ。

ただ農家や品数が増えるにしたがって、ユーザーからは「何を選んだらいいのかわからない」という声も届くようになった。そんな悩みを解決するためにリリースしたのが、食べチョクコンシェルジュだ。

同サービスでは最初にユーザーが食材の好き嫌いや、オーガニック志向性などを登録して注文する。するとその情報に合わせて最適な農家を運営側で選定し、農作物が届く。届いた作物の感想を送ることで、次回以降さらに好みにあったものが配送されるという「定期購入型」のオーダーメイドサービスだ。

プランはSプラン(税込、送料込みで月額2980円)、Mプラン(同3980円)、Lプラン(同4980円)の3つを用意。今回のサービスでは毎回農家を固定しない形をとるが、今後はAmazonの定期便のように、特定の農家から定期購入できる仕組みも検討するという。

農家にファンがつく“コミュニティ”目指す

秋元氏によると現在の食べチョクは「いろいろなテストを繰り返し、ノウハウを貯めている」フェーズ。そこで培ったナレッジを農家に提供したり、サービスの改善に活かしたりすることで、このプラットフォームを広げていく方針だ。

「将来的に目指しているのは、ECサイトではなくて農家と消費者がつながるコミュニティ。生産者に直接ファンがつくような場所を目指したい」(秋元氏)

たとえば今後は食材だけでなく、食べ方の提案を一緒にすることなども考えているという。現在でも中には自作のレシピを同封している農家もあり、ユーザーからの評判もいいそう。野菜の味を活かした食べ方を伝えることは、双方にとって大きなメリットがある。

ちょうど1月にクックパッドが運営するアクセラレータープログラムに採択されたこともあり、新たな取り組みを検討しているという。

「とはいえ(コミュニティの実現に向けては)超えなければいけない障壁もまだ多い。ITに慣れている農家ばかりではないので、まずはどんな人でも気軽にWebで発信できるような仕組みを整えていく必要がある。生産者と消費者の距離感が近づくような方向で、サービスを大きくしていきたい」(秋元氏)