悪いが、いくら感動的路線で書かれても音楽税は支持できない
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by Michael Arrington on 2008年4月14日 append.gif この記事をBuzzurlにブックマークする

Ethan Kaplanは音楽の価値についてたいへんうまく書かれた記事を発表した。彼は録音された音楽を元にしたビジネスモデルがひきつづき解体中であることに鑑み、いかにわれわれが社会として音楽を保護しなければならないかを論じている。

しかし私のこの記事全体に関する感想は、バカも休み休み言え、だ。

Kaplanが中心とする問いは「芸術の価値をどのように評価すべきか? 芸術の価値がアーティストの生活を支えるよう保障するためには何がなされるべきか?」>というものだ。

そこまではいいとしよう。次いで音楽産業の現在の苦境がアーティストの視点から語られる。しかしここからが赤信号だ。 「芸術の創作というミームを広く伝播させるために政府の果たすべき役割は何か? 支援? 教育? 流通?

私はこの記事の残りの部分もできるかぎり虚心坦懐に読もうとした。KaplanがWarner Bros. Recordsのテクノロジー担当副社長であり、しかもWarner Bros. Recordsの親会社(Warner Music)が音楽レーベルが失った売り上げを取り戻すために 「音楽税」という最悪な構想を主張しているにも関わらず、だ。

しかし結局判明したのは、Kaplanが書いているのは2週間ほど前に彼のボスが主張した議論を化粧直しして「子供たちアーティストを救え」というお涙頂戴物語に仕立てようとしたにすぎないことだった。Kaplanは音楽産業から市場競争の要素を取り除こうとする。なぜなら今や市場競争はKaplanが働く会社のために有利に働いていないからだ。

芸術というコンセプトは人類のもっとも根本的なアイデンティティーを構成する要素のひとつ」なのだそうだ。そして「最良の音楽にとって最悪なことはその本質的な価値を評価されないことだ」。つまり、ミュージシャンは全員が巨大な一つのかたまりになって抱き合うべきらしい。いってみれば、革命的な同志的連帯の呼びかけだ―それ以外の世界のすべてを敵にまわしての革命だが。Kaplanはまた米国社会に広まっている恐怖をあおる政策や大衆の無知を取り除かねばならないと論ずる。要するにこれがWarner Bros. Recordsの売り上げ減少の直接の原因だということらしい。いや、Kaplanこれらを「人間としてのアーティストの価値が正当に評価されない」原因としているのだが。

音楽の問題をデジタル化と金銭的ビジネスモデルの問題から考えるのを止めよと彼は主張する。一歩退いて芸術を含んだ社会そのもののあり方を根本的に考えるべき」なのだそうだ。

で、具体的にはどうすればよいのか? 答えはなんと、ミュージシャンへの政府の補助金だ。

ユーロッパでは国にもよるが、多くの国で、アーティストとして身を立てるのは比較的やさしい。政府のさまざまなプログラムで生活を支えている職業的アーティストを何人も知っている。たとえばカナダでは芸術には潤沢な補助金が出ている。こういった地域では創造された芸術よりも芸術を創造する行為により大きな価値が置かれる。こういうことが音楽という芸術形式にも適用されるべきなのだ。私が思うに、われわれは「デジタル化されたアートの価値はいかに評価されるべきか?」あるいはより端的に「音楽の価値をどう評価すべきか?」といった問いに答える前に、われわれの社会が芸術をどのように評価しているのかを見つめなおす必要があるだろう。芸術の体験に対する代償が芸術の創造を保障するために、民主的社会における政府は何をなすべきなのか考えてみるべきだろう。

派手派手しい修辞を剥ぎとってしまえば、Kaplanの議論は、音楽産業の幹部が「無知な」アメリカ社会に対して、楽曲が良かろうと悪かろうと金を出して保護しろと要求しているにすぎない。彼はいかにヨーロッパの有名アーティストが政府の補助で食っているかをしめす。しかもKaplanは彼のボスが音楽税導入を主張してからわずか2週間でこの説を唱えている。

要するに、バカバカしいにもほどがある、ということだ。

[原文へ]

(翻訳:Namekawa, U)

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