ヤフーは有り金残らず賭けた―いよいよどちらかが下りるときだ
by Michael Arrington on 2008年4月18日

Wall Street Journalによると ―ちなみにWSJはこの数ヶ月、ヤフーがリークする情報の非公式窓口と化しているが―「事情に詳しい筋(=ヤフー)」は先週発表された「ヤフーの検索連動広告をGoogleに委託注するための試験的な試み予備テストを完了した」と語ったという。この「試験的な試みの試験的な試み」からは「肯定的な結果」が得られたそうだ。(しかしヤフー は基本的に、こうした結果を好きに解釈できるらしいという興味深い理論 もある)。

さてこの回りくどい話を翻訳するとどうなるのか? ヤフーがマイクロソフトによる買収に代わるものとして、Googleに検索ページの広告を完全に外注することで売り上げを増加させ、株主価値を押し上げるという最後の(かろうじて)現実性のある選択肢を株主に売り込んでいるのだ。

Citigroupのアナリスト、Mark Mahaneyは以前「Yahoo-Googleの検索ページについての提携はキャッシュフローを25%押し上げる可能性がある」と予想していた。われわれが話を聞いた専門家によると、そうした提携によって、Yahooの株式時価総額を70億ドルほど押し上げる可能性があるという。しかし、これだとMicrosoftが2月1日に提示した割り増し価格の半分弱にしかならない

今やMahaneyはYahoo-Google提携によって増えるキャッシュフローの額を「年に10億ドル以上」とアップさせている。これは2007年のキャッシュフローの50%増だ。こうなると両案は数十億ドルの差はあれ、ほぼ並ぶ。そこで、YahooはGoogleとの提携をMicrosoftによる買収に代る現実的な選択肢として提示できる。

と、考えているのだろうが、そうは問屋が下ろさない。YahooとGoogleとの検索連動広告での提携は、独禁当局の承認が得られる見込みはまずないが、仮に得られたとしても、Yahooにとっては緩慢だが確実な自殺である。提携によるキャッシュフローの増加は、現在のトラフィックを基準にしているが、Yahooが広告をGoogoleに外注すれば、このトラフィック量は次第に減少するだろう。(2002年にAOLが検索をGoogle検索に外注した後に起きた現象を見るとよい。検索トラフィックは30%減、マーケットシェアは5%未満に下がった)。このことはYahoo自身でさえ分かっているはずだ。長期的にはYahooにも同様の運命が待っている。

しかし、Yahooは今日まで自殺的な戦術を完璧に演じてきた―Googleの手にかかって緩慢な自殺を遂げるのさえMicrosoftの買収よりましだ、といわんばかりの態度である。一方で、Microsoftは長期的な生存戦略のためには、Yahooを獲得することがぜひとも必要だ。また、MicrosoftはYahoo買収に失敗してもまだ耐えられるが、YahooをGoogleに乗っ取られることだけは決して許すわけにいかない。(Mahaneyは、YahooのGoogleへの検索広告全面委託はMicrosoftにとって、最悪のシナリオだと語っている)。

両社とも、取引をまとめる必要がある。Yahooは「やれるものなら、やってみろ!」と叫んでいるし、Microsoftはこれまでのところ、「やってやるとも!」と言い続けている。しかし、Yahooはほんとうに頭がおかしいわけではないはずだし、Microsoftは見せかけているよりもはるかに強くこの買収をまとめることを望んでいる。失敗すれば、両社ともありとあらゆるものを失いかねない。どちらかが折れなくてはならない。Yahooは、4月22日に第1四半期の収支を発表する。今のところ私は「近く交渉によって取引が成立する」という自分の予測を固持したい

その一方で、この出来事全体の勝者がGoogleであるのは明白だ。Googleは、大勝利(Yahooの検索広告)を得るか、それにわずかに劣る勝利(最大のライバルが買収され、合併の余波で1年くらいは泥沼にはまる)を得るか、どちらかなのだ。

[原文へ]

(翻訳:Namekawa, U)

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20080422yahoo-q1-earnings-released-blows-through-expectations/ TechCrunch Japanese アーカイブ » Yahoo、Q1収支報告。収益・利益ともに予想を上回る

    [...] これらの情報はYahooにとって何を意味するのだろうか? おそらく起こりつつあるその他の状況にはそれほど関係がないのだろう。しかし良いニュースであるのは間違いない。Yahoo株は高い割合で裁定取引人たちの手にゆだねられている。彼らはMicrosoftによる買収があるのかないのかにのみ着目しており、会社の基本的な経営状態には興味を持っていない。彼らは太平洋標準時刻で午前2時から行われる収支報告におけるGoogleとの検索連動についての報告には興味を持っているだろう。Googleにクエリーをアウトソースすることで、Yahooはほぼ100%の増収に繋がるという見方が広がっている。 [...]

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    [...] この試験運用はMSがヤフーに行った敵対的買収提案を受けたもの。グーグルとの取引きでYahooの利益が刺激できれば当然株主もマイクロソフトに売却する以外に、別のディール(たぶんAOLとの合併)と何らかのかたちで折衷したプランを現実味のある方策として受け入れるものと考えられる。依然としてグーグルが各サーチ広告から回収する額とヤフーが手にできる額との間には60~70%の開きがあるため、検索広告をグーグルに譲渡するだけでヤフーの財務には短期で大きなプラスがもたらされるのだ。 [...]

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20080428will-the-microsoft-hammer-fall-this-week/ TechCrunch Japanese アーカイブ » 今週マイクロソフトは鉄槌を下すだろうか

    [...] 驚きなのは、グーグルというオルタナティブ(代案)の話が落ち着いてきたことだ。ヤフーはこの試練の間ずっと焦土作戦も辞さない意地を見せた。グーグルと行った広告試運転は成果も上々だった。われわれの情報ソースの話では、ヤフーは自社広告を流すより85%~100%収入が増えたという。 [...]

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20080428interview-with-citi-analyst-mark-mahaney-on-yahoomicrosoftgoogle/ TechCrunch Japanese アーカイブ » CitiのアナリストMark MahaneyにYahoo/Microsoft/Google問題を聞く

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