次世代Yahoo―バイラル、フレンドリー、中毒性のサイトを目指す
by Michael Arrington on 2008年4月25日

今日(米国時間4/24)、YahooのCTO、Ari Baloghとチーフ・アーキテクト(プラットフォーム担当)、Neal Sampleが新しくアナウンスされたYahoo Open Strategy(社内ではYOSと呼ばれている)についてさらに詳しい内容を説明した。

背景

Yahooは全サービスを統合して巨大なSNS志向のサイトを構築しようとしている。同時に、多くの中核的サービスをオープン化して、ユーザーとデベロッパーにYahooをインターネットのハブとして利用してもらおうとしている。この点については昨年の11月からそういう話が出始めていた。まず最初にウェブメールをSNSのハブとする計画が明らかにされた。続いて1月には関連した細かい話題がさらにいくつか出た。この3月にはYahooはGoogleが主導するOpen Socialイニシアチブに参加した。続いてサードパーティーのデベロッパーがYahoo検索をベースにしてカスタマイズできる「Search Monkey」についていろいろ発表があった

Yahoo Open Strategy(YOS)

Yahooはソーシャルなもろもろとオープン化関連のもろもろをマッシュアップして「 Yahoo Open Stratedy (YOS)」と呼んでいる。ここには今日発表された追加情報によると、ここには3つの大きな要素がある。プラットフォーム化、サービスのオープン化、そしてポータビリティーだ。注意しておかなければならないのは、こういった話はまだ何一つ具体的な製品としてローンチはされていないことだ。しかもYOSのどの部分をいつまでに仕上げるといったロードマップも一切公表されていない。Sampleは「こういった各要素はここ数ヶ月のうちに順次リリースされる予定」と述べるにとどまった。

下にBaloghの「Web 2.0 Expo」におけるプレゼンのビデオをエンベッドした。

プラットフォーム化(Platformization): ユーザーがいちばん顕著に実感するのはこの部分になるはず。つまり、Yahooサービスの利用体験が全体としてソーシャル化する。これはまず (1)従来の多数のプロフィール(各サービスごとに存在)を廃止して、単一の「Yahooユーザー・プロフィール」に統合する。 (2)Yahooメールの受信ボックスをYahooソーシャル・サービスのハブとして位置づける。ユーザー・プロフィールの一元化が実現すれば、Yahooはサービスのソーシャル化を順次進める。友達リスト、活動状況のニュース・ストリームなどが考えられる。

Yahooは既存のサービスに加えて新たなSNSを一から作ることは考えていないようだ。もちろん彼らもそう明言している。しかし、この一連の動きを社内的に「プラットフォーム化」と呼んでいることでも、その考え方がうかがえる。つまりYahooは巨大な新しいSNSのプラットフォームを作り上げようとしており、そのために従来のサービスのコア部分を大幅に書き直そうとしているのだ。

オープンYahoo: この部分にはいくつか異なった要素が含まれる。第一の要素はOpenSocialだ。現在YahooはOpenSocialに深くコミットしており、デベロッパーにOpenSociaの共通APIを通じたアクセスを提供しようとしている。しかしYahooはそれに止まらず、さまざまな既存の(あるいは計画中の)APIをOpenSocial標準の上に多層化して実装し、個別Yahooサービスとより緊密な連携を可能にしようとしている。ユーザーはサードパーティーがOpensSocialとYahoo APIを利用して開発したアプリケーションをYahooサービスに自由に組み込めるようになる。

オープン化にあたって、パズルのもう一つの要素は「Yahooアプリケーション・プラットフォーム(YAP)」だ。これは「Google App Engine」の直接のライバルとなる。ユーザーはさまざまな独立のアプリケーションをストレージ、データベース、CPU資源、その他さまざまなYahooのネットワーク・リソースを利用してホスティングすることができる。手始めにYahooはSecurePHPアプリケーションのみをサポートする予定だが、次第にサポート言語を増やしていく計画だ。全体のコンセプトはやはりGoogleのApp Engineにきわめて近い。ベーシックな利用は無料で、あるレベル以上になると課金が始まる。またさまざまな開発ツールが提供されることになろう。

ポータビリティー: Yahooは自身の存在をウェブ全体、サードパーティーのアプリケーションやサービスにまで広げようとしている。これは単にエンベッド可能はウィジェットを量産するというようなことに止まらず、多様なユーザーデータをYahooの外部へ持ち出すことを認める戦略が考えられている。たとえば、Sampleの語った例で言えば、Yahooのアドレス帳をPlaxoと同期させるなどだ。(ちなみににFacebookはユーザーデータの外部持ち出してという考えを嫌っている)。

Yahoo:バイラル、フレンドリーで中毒的

Yahooは引き続き検索広告の分野でも競争を続けていく。これはなんといっても収入の大きな柱だから当然だ。しかし同時にYahooはこの分野では永遠にGoogleの2番手に甘んじなければならないことを自覚している。そこでYahooの取りうる戦略は自らをできるかぎりバイラル、フレンドリーかつ中毒的(sticky=粘着する)とすることになる。なんといってもYahooには世界で月間5億のユーザーがいる。全インターネット・ユーザーの60%近くが毎月一度はYahoo傘下のサイトを訪問している。(Google72%)(いずれもComscore)。この膨大なユーザーベースはなんといっても大きな武器であり、検索広告の分野とは異なり、Yahooは勝ち目のある競争ができると考えている。

しかし、上述の全ては、もちろん、まだなにひとつローンチされてはいない。アイディアとベーパーウェアの膨大な集積にすぎない。 さらにMicrosoftがこの戦略をどう考えるか、仮に買収が実現した際にYOSをどのように扱うか、まだ誰も確かなことはいえない状況だ。

[原文へ]

(翻訳:Namekawa, U)

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