次世代型ウェブメールZenbeに見る「プラットフォームとしてのメール」
by Mark Hendrickson on 2008年5月1日

最近記憶に残ってる中で最も評判になったメール改善機能はブラウザ・ベースではない。XobniXoopitといった既存のメールクライアントに引っ掛けて補助サービスが使える拡張機能だ。

この戦術はビジネス的にも賢い判断だと思う。誰がこの世にYahoo MailやHotmailやGmail使ってる人に向かって、その信用を放り投げて大企業のサービスから海とも山とも知れないスタートアップに乗り換えを説得したがる人がいるだろう。 人気ウェブメールサービスにサードパーティーの技術を統合する方法が無い以上、どうしてもこうしたマイグレーション(移動)が必要になる。

その危険を買って出ようとする会社のひとつが「Zenbe」だ。ここは完璧にスタンドアローンのウェブメール・ソリューションを構築し、メールの可能性を広げようと生まれた。サービスは現在プライベートベータだが、ここでサインアップした読者先着500名様は招待状がもらえる。 そのサービス内容を見ると、沢山の領域で従来にはない進化を遂げており、「プラットフォームとしてのeメール」が実は何を意味するのか、その姿を垣間見させてくれるものになっている。

アプリで最も目に見えて分かる改善は、その美しいUI。Zenbeをクリックして回れば数分で、“禅”の名に恥じないことが実感できるだろう(ZenbeのZenは“禅”)。

しかし、見た目の美しさだけがセールスポイントと思ったら大間違いで、完全に統合化されたカレンダー、タスク一覧、アドレスブックの各機能も常時使えるサイドバーからいつでもアクセスできる。Xoopitライクなタブもあって、メールのファイルはすべてこのタブで閲覧できる。 ファイルは「画像、文書、表計算、音声/動画ファイル、イベント」という種類別に閲覧が可能で、重要度の高いファイルにはメール同様、星印もつけられる。さらに、ファイルの上をホバリングするとプレビューも。また、サイドバーのFacebook専用タブを開けば、友だちの最新アップデートもチェックできる。

が、Zenbeの遠大な構想の本領は、プロジェクトやトピ別にメールが整理できるよう作られた「ZenPages」にある。メッセージをフォルダーにただ振り分けるのではなく(どっちみちZenbeでこれはできず、Gmailのようなタグベースのシステムになっている)、Zenbeではメッセージに行き先を特定するタグをつけて各種ZenPageに割り当てる。例えば”techcrunch50″とタグのついたメッセージは全て、TechCrunch50カンファレンス専用のZenPageにアサインされる、といった具合に。

で、しかるべきページに一度収めてしまうと、あとはこれを使っていろいろ便利なことが出来る。まず、他の人たち(Zenbeユーザーも非ユーザーも)をZenPageに招待し、手持ちの関連メールを全部そこで見てもらうことができるし、来た人が望めば関連メッセージを同じZenPageを使って共有も可能だ。ZenPageを使って共有できるので、互いのメールにいちいちCC.つけなくてもグループでコラボできる。 カレンダーの日程も同じ手法で共有できる。

メール、カレンダーの共有以外にも、グループタスク一覧、アジェンダ、掲示板、関連リンク一覧など幅広いウィジェットがデフォルトで揃っており、好きなものを選んでインストールも可能だ。で、ここから先はちょっと想像力を飛躍させないとついていけない部分だが、Zenbeではサードパーティーのアプリもこうしたページに統合可能にすることも計画しているようなのだ。 ユーザーのメールに直接アクセスできるページに…である。

Zenbeでは既にサードパーティーのインテグレーションの事例を一式見せている。そこにはYouTube、Flickr、Picasa、Google Chat、Google Mapsのウィジェットも出ているが、どれも実際にはメール情報をレバレッジしていない。レバレッジしたらどうなるかというと、例えばTripItをZenPage上に置いて自分のフライト日程のメール全部を自動的に解析(パース)できるような、そんな場面が想像できそうだ。これなら手動でメールを他サービスに転送する手間も一切カットできる、というわけ。

メールに含まれた情報というのは極めて価値が高く、ユーザーに直接関連のある情報なので、他にも考えられそうなメール解析専用アプリは簡単に想像がつくだろう。たぶんプラットフォームが全面公開になったら、これを活用してメールが溢れ返っている問題を解消する人、あるいはメールを核に据えた本物のソーシャルネットワークをついに実現する人も生まれるかもしれない。

Zenbeはユーザー1人につき4GB分のストレージがついてくる。今は広告表示はゼロ。将来も広告表示はZenPageだけにする予定(プロジェクトの種別によってはスポンサー付きテンプレートのZenPageも提供できるのではないかと、その可能性も検討中という)。

[原文へ]

(翻訳:satomi)

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20080527orgoo-launching-soon-500-invites-available-now/ TechCrunch Japanese アーカイブ » Orgooもうじき公開(500名様ご招待)

    [...] 同じスタートアップ主導のウェブメールの新技術としてはZenbeの事例も是非ご参考に。メール自体の周りに広告を出すことに力を入れており、(Orgooとは)気配りがだいぶ異なる。 CrunchBase Information Orgoo Zenbe Information provided by CrunchBase [...]

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20081117zenba-comes-out-of-beta-with-social-communication-platform/ ソーシャル・コミュニケーションのプラットフォーム、Zenbe、べータを終了して本番公開

    [...] メールのソーシャル活用サービス、Zenbeを最初にレビューした際、わわれわれは非常に強い印象を受けたが、このほど無事にベータテストを終了して一般公開される運びとなった。Zenbeを利用すると、ユーザーは既存のメール・アカウント(Gmail、Hotmail、Yahoo、AOL Mailなど)からのメールを全て単一のウェブ上のメールボックスで受信することができる。またSNSの友達情報のフィードに似た形式で、相手やお気に入りの友達などの基準によってメッセージを分類し、ストリーミング表示させることができる。このサービスはやや反応が遅く、マイナーなバグも散見される。しかし独創的な機能に加えて洗練された美しいデザインは、小さな欠点を補って余りある。Zenbeは、美しいインタフェースを別にしても、単なるメールという以上に、新しいソーシャル・コミュニケーション・サービスのプラットフォームを提供するものだ。このアプリはTwitterやFacebookなどと連携し、ユーザーはこういったソーシャルメディアをメール・クライアント内から管理することができる。加えて、ユーザーにはカレンダー、タスクのリスト、高機能なアドレス帳、使いやすい常駐タイプのサイドバーなどの機能が提供される。もうひとつ、通常のメール・サービスに比べて優れている点は、ZenPagesと呼ばれる共同作業機能だ。このページでは、複数のユーザーが(個人的な利用でも、仕事上でも)、特定のテーマに関して、カレンダーの内容、プロジェクトの状況、交わされたメッセージの記録などを共有して作業を進めることができる。Zenbeはニューヨーク市に本拠を置くスタートアップだが、ユーザーのメールに直接アクセスするようなものを含むサードパーティーの連携アプリケーションをさらに募集している。ちなみに、Orgooも以前、似たようなサービスの提供を計画していた。しかしOrgooはどこかへ消えてしまったようだ。Zenbeと似たようなサービスには、JubiiとFuserがある。しかし、ZenbeのようなSNSとの高度な連携は果たしていない。CrunchBase InformationZenbeInformation provided by CrunchBase[原文へ](翻訳:Namekawa, U) ShowListings(“arc3″); ShowListings(“arc2″); AddClipsUrl = ‘http://jp.techcrunch.com/archives/20081117zenba-comes-out-of-beta-with-social-communication-platform/’; AddClipsTitle = ‘ソーシャル・コミュニケーションのプラットフォーム、Zenbe、べータを終了して本番公開’; AddClipsId = ‘2CBE02C952CFE’; AddClipsBcolor=’#78BE44′; AddClipsNcolor=’#D1E9C0′; AddClipsTcolor=’#666666′; AddClipsType=’1′; AddClipsVerticalAlign=’middle’; 前の投稿へ トラックバック [...]