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2008年5月7日

Rearden Commerce CEO「中毒にするのが第1任務」~大型調達に続きJPMorgan Chaseと大型契約も

Erick Schonfeld

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Patrick Gradyが人生の8年をかけて作り上げた究極のパーソナルWebアシスタント。その存在を知る人は少なかった。が、今や氏の会社「Rearden Commerce」はエンタープライズ分野のスタートアップの間では大型勢力として静々とその姿を現しつつある。

前回お伝えした$100M(1億ドル)の資金調達ラウンド完了についても氏の口から確認が取れた。投資に加わったのはアメリカン・エキスプレス、JPMorgan Chase、Oak Investment Partners、Foundation Capitalの各社だ。アメリカン・エキスプレス(以下“AmEx”)は前ラウンドにも出資しており、Reardenの唯一最大の顧客として企業旅行ビジネスで法人顧客1300社を対象にReardenのオール・イン・ワンのWeb旅行予約サービスを再販している。

全部合わせると、Reardenは現在1700社を超える企業にサービスを提供している。AmExと提携が成立した2年前までの92社から大幅に増えている。薬品大手GlaxoSmithKline単独でも社員約6万人がReardenのお世話になっており、こうした法人顧客の社員約100万人がReardenを使って航空券・レンタカー・ホテル・夕食・野球観戦・劇場・カンファレンスコールの予約、果ては陸路輸送の手配まで行っている(昨年の紹介エントリもご参考に)。

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分かる数字に置き換えると、これはSalesforce.comを利用する社員数とほぼ同数である。100万人のうち約15%は月1度は利用するアクティブ利用者だ。Rearden経由で消費される出張関連サービスの経費はこの調子で行くと今年$1B(10億ドル)に届く勢いで、去年の10倍の取引き増となる。

航空券・ホテルのような旅行決済手数料は低マージンの商品だが、Reardenは旅行以外の出費から6~25%の手数料を得ている。外食、イベントチケット、カンファレンス、車サービス、空港駐車場、会議、出荷など(移動・宿泊以外の)エキストラなサービスがそれで、Reardenを使うことで節約幅も大きくなるので、その分マージンも高いというわけだ。他にも同社にはサードパーティーのアプリや広告などの収益源もある(以下参照)。

Reardenは社員316人で、年内には400人に届く見込み。社員はほとんどがエンジニアだ。サービスを売り込んでくれる営業スタッフはAmExに何百人といるし、AmExは間もなく英国内カスタマーにもサービスを拡大する予定という。これまでのところGradyは大手法人顧客から契約を取って事業を構築してきた。が、今やカスタマー市場にも第1歩を踏み出す準備が整っている。

この局面で鍵を握るのがChaseである。Chaseは同社の投資主となるだけではなく、Rearden第2の大手顧客として契約も結んだ。ReardenのパーソナルWebコンセルジュ・サービスを銀行カードのオーナー9000万人に提供する手筈になっている。Chaseバンクに銀行口座を持っている人なら法人・個人問わず誰でも本サービスが利用可能に。Grady自身はゆくゆくは全ての顧客にサービスをオープンにしたいと考えているが、AmExとChaseなら最低あと1年は独占権を与え保留にするだけの価値がある。

手配手数料に加え、氏はアプリ開発者がReardenの全法人顧客へのアクセスを確保するため支払うサブスクリプション利用料からも25~50%徴収している。さらに地元のレストランその他の事業主からリアルタイムの特価という形式でターゲットをかなり絞った広告が展開できるチャンスもあるのではないかと見ており、それについてはこう説明している。:

ニューヨークに行くとします。Rearden Commerceのパーソナル・アシスタントはこの私について何を知ってるんでしょう? シリコンバレーの会社のCEOであること。ダウンタウンに泊まること。日中はミッドタウンにいること。さらにはこちらの好物が寿司だということまで知ってるんです。

Reardenでは旅行代理店の各種サービスをすべて1つのブラウザ・インターフェイスで統合化する難行をこなした(Updated: 難しい部分は技術だけではない。技術はAPIとWebサービスの手に負えない混乱をスッキリ統合するだけでいいので、難しいのはむしろ世界中の13万5000社もの事業主と商業的にサービス一本化できるレベルの合意を結ぶところだ)。

さらに同社のシステムでは個人の好み、勤務先の出張ルール・制限、値段交渉後のレートを掛け合わせて実際に何が利用できるのかカスタマイズした見方を提示してくれる。いわばKayak(旅行メタサーチエンジン)、TripIt(旅行手配)、StubHub(チケット売買市場)、Zagats(グルメ)、OpenTable(食事予約)、WebEx(ウェブ会議)が全部ひとつになったようなものだ(Updated: ただし、サイト10ヶ所を回ってビジネス会議の航空券・レストランを探し予約するのではなく、Reardenでは全サービスのマッシュアップを提供している)。

以下のスライド2枚はGradyがプレゼンで使ったものだが、これを見るとReardenが実現を目指すものの全体像が俯瞰できると思う。

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Reardenはエンタープライズ分野の会社かもしれないが、そのソフトは既にコンシューマー向けのルック&フィールも備えている。最近ますます両者の違いは消えてきているが、Gradyはこう語る。:

これが中毒になるものでなかったら…つまり、みなさんがお使いになってiPhoneやBlackberryのようなものでないと判断されたなら、その時点でうちの負けなんです。ユーザーのみなさんがKayakやStubHubよりいいと思わないなら、これも単なる生産性ツールに過ぎない。中毒にすること-これが第1の任務ですね。

2001年の“核の冬”の不況を生き抜いたGrady。ここまで来るのは長い道のりだった。当時、投資主のJafcoは、Gradyに内緒で会社を売ろうとした。そのためGradyはクラムダウン・ラウンドの調達と社員45人の解雇を余儀なくされ、こうしてやっとJafcoを見下し会社の実権を保持した。

同社はこれまでに計$200M(2億ドル)を調達済みだが、氏はテーブルに積み上がった金には10セント玉ひとつ手をつけていない、と言う。 筋金入りだ。

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[原文へ]

(翻訳:satomi)

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