データポータビリティー:これぞ新たな塀の中の庭園
by Michael Arrington on 2008年5月16日

FacebookとGoogleの間で起きた今日の取っ組み合いは、ユーザーのプライバシーにはほとんど関係がなくて、すべてはユーザー支配の問題だ。今Google、MySpace、Facebookの間では、ユーザープロフィール即ちユーザーそのものの支配を巡って激しいバトルが繰り広げられている。そして各社の新製品、Data AvailabilityFacebook ConnectFriend Connectの3つは、いずれもこの目標を達成するべく設計されている。

ユーザーを塀に囲まれた庭の中で一日中過ごさせる時代が終ったことを、インターネットの巨人たちは知っている。だから次にやりたいのは、ユーザーに関するデータをできる限り手元に置いて、自分のサイトにいないときでも自社ブランドを使って認証させるようにすることだ。ユーザーの情報の中で最も重要なのが、個人識別情報(だからこそ大物たちはOpenIDを発行する側になろうと躍起になる。OpenIDがあればYahooなどのアカウントで他のサイトにログインすることができる)、友人リスト(価値があることに加えて、ユーザーはネット上で何度もリストを作り直したくない)などの情報だ。

プロフィールを持っている会社(主としてMySpaceとFacebook)はこのことを知っている。そして、ユーザーを喜ばせておくために、そしてあの友人データを他のサイトで全部打ち込まなくてもすむように、データは最低限何かしらポータブルにしておく必要がある。ただしポータブルすぎてもいけない。制御が利かなくなるから。ちょうど良い程度にポータブルなのがいい。各社が自前の製品を発表するのも、David Recordonのような人に、まっとうな批判をされるのもそのためだ。Recordonはこう言っている、これは本当のデータポータビティーではない

Googleは少し違う。この会社は米国でのソーシャルネットワーキングの存在感が薄い。だから、(Facebookのような)プロフィールを持っているサービスと、データを欲しがっているサイトとの間に立とうとしている。同社の製品Friend Connectはまさにそれをやることで、重要なデータ仲介人となっている。この立場は後に広く活用することができる。じっさい、Googleはいろいろな意味で、実際にソーシャルネットワークを持たない最も重要なソーシャルネットワークになるかもしれない。もちろんFacebookはそれを望んでいない。そしてそれが、今日FacebookがGoogleを締め出した本当の理由だ(ただし、両社が明日、何らかの折衷案について話しあうという噂もある)。

だから、今晩Robert Scobleが、Googleは間違っていると書いたとき、私は反対した。私が思うにFacebookは、どうしてもそうせざるを得なくなるまでは、自分のネットワークからユーザーにデータを持ち出させないつもりだろう。出すときもFacebookのやりかたでのみ(Facebook Connect参照)。実をいうとこれはFacebookのデータではない。私のデータなのだ。だから、Googleにこれをどうにかさせる許可を与えたければ、私には間違いなくその権利がある。FacebookはGoogleを締め出した結果、私を締め出したことになる。正直なところ、どうにも腹立たしい。

こう言ってもいい。よくもまあFacebookは、私がこのデータをGoogleにアクセスさせてはいけないなどと〈私に〉言えたものだ

Scobleは この問題の反対側にいて、自分の友人の連絡先情報をFacebookから抜き出してPlaxoにエクスポートしようとしたことがある。あの場合のデータは彼のものではないから、Scobleがデータをポータブルにする権利はない。もう一度言うがこれは〈私の〉データであって、その判断は私にしかできないはずだ。Scobleは、今の立場ではプライバシーの重要性を理解していることを示していると思っているようだが、繰り返しになるが、誰がデータを所有してそれにまつわる判断をするべきか、ということを考えていない。

最終的には、個人情報も友人リストも写真もビデオも 、集中(分散)化した私の構成要素はすべて、私の信頼する(データを守ってくれて、私の意志に反してデータを自分のものにしようとしたりしない、という意味)どこかのサービスプロバイダーに預けておいて、Facebookなどのサイトには、どこからデータを取ってくるかだけを教えればよいようになることを願っている。

今のところそんなサービスをやるところも、やるつもりだと言っているところもない。しかし、誰かがやるだろう。そして、いずれ私のデータを解放する過程で大金も手にするに違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi)

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