Facebookに「ガラスの顎」みたいな弱点あり
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by TechCrunch 日本語版編集部 on 2008年5月19日 append.gif この記事をBuzzurlにブックマークする

〔この記事はゲストのSteve Gillmorによる投稿です。〕

Facebookがついに、このままほうっておけない重大な難問に直面した。Googleの、見事なまでに合理的でよく練られた戦略にはまったこのSNS巨人は、いずれユーザたちの大きな怒りの津波に襲われることになる。Facebookの唯一の救いは、ユーザたちの怒りがまだ表面化していないことだ。

GoogleのFriend Connectに対して行った「サービス拒否攻撃」〔FacebookがFriend Connectからの接続を拒否したこと〕は、つまりFacebookは、自分たちは脅威を感じていると声明しているのと同じだ。でもそれは、どんな脅威だ? 一部のユーザが自分たちのFriendのデータを利用してFacebook城のお掘りの外に勝手にコミュニティを作ることか? FacebookのFriendデータは、元々われわれユーザのものだ。ジェスチャの所有権や著作権も当然ユーザにあるはずだ。それをしばらく忘れるとしても、Facebookが利用継続の条件としてデータの凍結を主張するなら、それはユーザたちに「どこかよそへ行け」と言ってるのと同じだ。

頭の良いGoogleは、Facebookを負かすには自分たちが勝つ必要はないと知っている。Friend Connectは、Googleのいろんなサービスを売ることよりもOpenIdの利用促進に熱心だ。OpenIdが普及すると、複数のサイトの連携利用が簡単にできるようになる。とくに、Adsenseで収益化を狙っているサイトには特に魅力的だ。Facebookは、遅かれ早かれ対応しなければならあない。Facebookは、自分のネットワーク資産を有効利用できるようなタイミングで参加するのか、それとも、最後はお手上げになり、顧客に自分たちの無能ぶりを見せつけることになるのか。

Facebookは、APIの利用目的を限定することによってユーザのプライバシーを保護している、と主張する。それは、「ユーザが自分の意思で自分の情報を任意のWebサイトに渡したり、ユーザ自身が選んだアプリケーションで利用することができる」というものだ。ところが、Facebookの社員Charlie Cheeverは、これはまるでギャンブルだ、という映画「カサブランカ」ふうの発言の中で、こう言っている「Friend ConnectはFacebookのユーザ情報をユーザに無断でほかのデベロッパに公開している。これはユーザが当然求めるプライバシー保護基準に違反しており、ユーザの信頼を裏切っているから、ユーザに対する契約違反だ」。

この発言には、おもしろい箇所が多い。いちばん傑作なのは、Facebookのプライバシー保護基準と、それに対するユーザの当然の期待、という部分だ。FacebookのAPIでは、ユーザが自分で選んだサイトやアプリケーションに対してなら情報を公開できる。しかしCheeverはFriend Connectは、ユーザに無断で、きたないことをやっている、と主張する。しかしFacebookが言うとおり、Facebook APIがユーザがデータを管理できるAPIなら、では、なぜどうやって、無断の利用ができてしまったのか?。このAPIは、知らない間にアルツハイマー病になったのか?

もちろん、われわれはGoogleの技術がFacebookのビジネスモデルに傷を負わせたことに気づいている。ユーザがデータを自分の意思で管理できるのはあくまでもFacebook Connectを通してのみであり、GoogleやMicrosoft、それにあのTwitter Connectでさえもそれは不可能、とFacebookは無知なユーザに説明する。Twitter FollowのネットワークとTrackのフィルタ機能から、XMPP(IMプロトコル)を使ってリアルタイムで接続情報がつつぬけ、だったら一体どうする? いや、それは、やろうと思えば今でもできるんだ。

Facebookの苦し紛れの言い訳は、「大統領はオバマ候補を懐柔しようとしていない」と言い訳する、あのアホ大統領の広報官のあたふたぶりとよく似ている。しかもあのアホ発言は、ジョン・マケインが民主党候補の向こうを張って、昼食にホットドッグを食いながらStraight Talk Express〔「直言特急」=マケインの選挙キャンペーンのキャッチフレーズ〕で頑張っているときに出てきたのだ。Facebookにも、マケインに負けない率直な発言を期待したい。でも今のFacebookは、どういうわけか、同社に対するまじめな好意すら無視しつつある。

ひょっとしたらこれはFacebookの戦略ではなくて、Facebookには戦略がないことを意味しているのでは?。Googleは、SNSは持っていなくても、貴重なデータを山のように持っているから、ユーザから得られる信用こそが、大量のデータの利用が許されるための最大の鍵であることを知っている。つまり、ユーザの許可が必要だ。Friend Connectは、許可をユーザに要請するのではなく、その都度求める。ある意味でこのやり方は、Beaconなんかよりもさらに、ユーザが期待するプライバシー保護に大きく違反している。Charlie Cheeverは発言の中で、Beaconには少なくとも、当時のユーザたちの期待に即したプライバシー保護基準があった、と言っている。しかしBeaconのころのユーザの期待というなら、その頃は誰もWebサイトにプライバシー保護基準や保護対策があるなんて全然思っていなかったのだが。

今回Facebookは、FacebookがWebにもたらしているネットワーキング効果を、FacebookのAPIとユーザの意向を踏み台にして横取りしているサービスを攻撃している。そういうサービスの方向性とユーザの意向は同じだ。つまり、Facebookネットワークのパワーをそのほかの好きなサイトやアプリケーションにも広げて、それらを自分の支配下に置きたい、と考えるユーザたちをFacebookは脅威と見なしているのだ。しかしユーザのそういう行為を認めるなら、それはFacebookのデータとFacebookが支えているコミュニティの横取りを認めることにはなるが、それによってFacebookのパワーは薄められるどころか持続的に維持される。

ところがFacebookは、FriendはGmailやGchatのContact機能を使った、実態のよく分からない対話活動がベースになっているという、Google Readerの未確認仮説の側に着くことによってGoogleを善玉に仕立てる結果になっている。Googleが、Friend Connectで展開しているオープンな規格をそのまま使って、Friendのそういう「友だちを見つる」’機能を改良したと発表しても、別に驚くことはない。同じく当然のようにGoogleは、公開しているデータとデータ公開の主体に関する声明を、やがて発表するだろう。それはたぶん、こんな声明だ「われわれがほかのサイトのパスワードを取り扱うことは決してありません。われわれが、ほかのサイトのコミュニティ情報をシステムに保存することは決してありません。またわれわれが、ユーザのSNSのIDをFriend Connectのサイトやアプリケーションに渡すことは決してありません」。こんな説明を私は以前聞いたことがあるが、それはすなおに信用したくなるシンプルな説明だ。つまり、データの取り扱いに関する権利はユーザにある、Googleにはない、と言っている。

率直に言って、私が気にしているはFacebookではなくTwitterだ。私のインターネット生活では、FacebookよりTwitterを頻繁に利用するし、その役割も重要だ。だから、Live Meshが使えるようになるまでは、TwitterのネットワークにFriend ConnectやFacebookからアクセスできる機能はありがたい。Live Meshが使えるようになれば、Facebookのいろんな機能をその上で一から新しく作ることができる。Facebookが今現在吐き散らしている、音痴が歌うナンセンス・ソングを聞かなくてすむようになる。そしてFacebookは、元々自分たちが発明したゲームから閉め出されることを防ぐために、現在の路線を改めてユーザの正当な要求に応える大改造を強いられるだろう。

[原文へ]

(翻訳: Namekawa, U)

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