Facebookプラットフォーム―この1年間と展望
by Jason Kincaid on 2008年5月25日

今日(米国時間5/24)、Facebook Platformが誕生して丸1年になる。ちょうどよい機会なので、このプラットフォームが約束したものが現在までどれだけ実現されたのかを振り返り、今後はどうなっていくのか占ってみたい。要約: Facebookプラットフォームは自らの成功の犠牲者になっている。つまり何万もの正当なデベロッパーにとって魅力があるプラットフォームを提供しているのはもちろんだが、手っ取り早く一儲けをたくらむ怪しげな連中も引き寄せてしまっている。Facebookも当然ながらいくつかのミスを犯しているが、、たとえどれほどプラットフォームとして優れていようと、結局その価値を決めるのはアプリケーションの品質だ。(そして現在のところ、正直言ってあまりよろしくない)。

Facebookプラットフォームは2007年5月24日のローンチと同時に絶賛された。これにはMySpaceが閉鎖性で悪名たかく、アプリケーションのデベロッパーに何の助けも与えてこなかったことへの反発があった。前例をみないようなレベルでSNSの核心的データにアクセスできるAPIが公開され、今や突然サードパーティーのデベロッパーにも、Facebook自身が作ってきたような高度なアプリケーションに張り合えるようなアプリを開発できるプラットフォームが提供されることとなった。

プラットフォームの公開後、わずか4日でiLike(当時トップのサードパーティーのデベロッパーだったが)を40万―Facebookの全ユーザーのほとんど5%がインストールした。当初の反応は大いに期待のもてるもので、多くのベンチャー・キャピタルがFacebookアプリケーションの開発だけを対象にした専用ファンドを結成したほどだった。

しかし数ヶ月すると物珍しさは失せ始めた。当初期待されていたような画期的なアプリの登場は数も少なく間遠な一方、実際に提供されているアプリのほとんどは話にならないほど粗悪だった。それにFacebookのユーザーは移り気なので有名で、インストールしたアプリもすぐに忘れてほったらかしになってしまう例が多かった。これに対抗するために一部のデベロッパーはほとんどが役に立たない(しかしクチコミに乗りやすい)アプリを無数に作り続けた。これにはユーザーもすぐにうんざりし始めた。つまりどういうことになったのかというと、大量のスパムの奔流が発生したのだ。

Facebookプラットフォームは次第にFacebookとデベロッパーのモグラ叩きの場所に堕していった。デベロッパーは自分の作ったアプリケーションをできるだけたくさんのユーザーの前に露出しようと試みる。人気アプリのデベロッパーの多くは、RockYouやSlideを含めて、ブラックな戦術を採用した。つまりあらゆる抜け穴を使ってユーザーにアプリを宣伝しようとした。多くのユーザーは毎日アプリケーションをインストールするよう勧める多数のスパム的なメッセージに悩まされるようになった。その中にはユーザーの友人からのメッセージに偽装されたものさえ見られた。

プラットフォームのローンチから3ヶ月たち、8月になると、Facebookはこの状況に対応して、スパム対策のためルールを変え始めた。「もっとも人気のあるアプリケーション」のリストは単なるインストール数(多くの人気アプリはインストールされただけで忘れられている)ではなく、実際に利用しているユーザーの数をべースにするようになった。アプリケーションが一度に発行できる招待の数にもより厳しい制限が課せられた。しかしFacebookは不当な手段でユーザーを獲得したアプリに対して何ら制裁を加えることをしなかったから、これは事実上、デベロッパーに対して「どんなずるい手段でも思いついて実行すればやり得だ」と勧めているようなものだった。

逆にデベロッパーにとってもFacebookプラットフォームには様々な問題があった。Facebookのクチコミにうまく乗れたアプリは、今度はごく短時間のうちに指数関数的なトラフィックの急増に見舞われるため往々にして処理速度が低下したりクラッシュしたりした。デベロッパーはまた一方でFacebookそのものからの脅威に常にさらされた。いつなんどきFacebook自身が競合アプリを発表して、既存のアプリはDeadpoolに掃き捨てられてしまわないものでもなかった。

9月にTechCrunch40カンファレンスで、CEOのMark ZuckerbergはfbFundの創立を発表した。 これはAccel、 Founders FundとFacebookの共同によるベンチャ-・ファンドで、Facebookアプリを開発するスタートアップのために総額$10M(1千万ドル)が用意された。 このプロジェクトはスタートでつまづいた。Facebookは申し込み方法を発表した後で変更し、その結果当初の申し込みはすべて却下された。(当初は単にメールを送るだけで申し込めることになっていた)。

Facebookプラットフォームの問題の一つは、プラットフォーム自体の問題というより、バカなユーザーが多すぎることに起因している。どういう考えなのか分からないが、プロフィール・ページにくだらない、いらいらさせられるようなアプリケーションをたくさん散らかしてFacebookのすっきりしたユーザー・インタフェースを台無しにするユーザーが多い。こういうユーザーが友達にいると悩ませられるわけだが、2008年の1月になってFacebookはやっとユーザーに友達のインストールしているアプリケーションを非表示にする機能を提供するようになった。これは多くのユーザーからさんざん要望されていた機能で、そもそもプラットフォームのローンチの時点で実装されていてしかるべきだったろう。

Facebookはその後もアプリケーションの制限をいじり続けた。2月には「ブロック」機能が追加された。これによって特定のアプリケーションについて、誰からであろうとインストールの勧めをすべてブロックできるようになった。またインストールを勧めるメッセージが大量に貯まった通知ボックスを即座に空にできる「クリア」機能も提供された。

アプリケーションに関するFacebookの動きでもっとも議論を呼んだのは、 CBS Sportslineが全米大学バスケットボール選手権、「March Madness」をカバーする公式アプリケーションをローンチしたときだった。このアプリはFacebook上で前例がないほど宣伝され、招待状の発送数に関する制限も一般のアプリに比べて際だってゆるやかだった。他のデベロッパーはFacebookの「弱いものにはきつい制限を課すが、力があって金を払うプレイヤーはやりたい放題させる」という方針に当然ながら大いに腹を立てた。Facebookは、プラットフォーム担当上級マネージャーが「こういうことが今後もないとは言えない」と述べるなど、このスキャンダルに少しも反省の色を見せなかった。

展望: 誰にもはっきりしたことは言えまい。Facebookは近い将来「マイクロ・ペイメント(少額支払)」機能をシステムに導入することを計画中だといわれる。これが導入されれば、スパムによる招待に頼らない、役に立つ収益性の高いアプリケーションが主流になるかもしれない。しかしすでに評判は大きく傷ついてしまった。スパムのせいでもう将来もFacebookアプリにはうんざりだと考えるユーザーも多い。いっそう悪いことに、そのスパムをまき散らすジャンク・アプリが急になくなりそうにない。多くのベンチャーキャピタルがこういうジャンクの製造会社に何百万ドルという資金をつぎ込んでいる。当然、彼らは結果を必要としている。

しかし忘れてはならない重要なポイントはこうだ―結局のところFacebookプラットフォームはFacebookのすべてなのだ。現在のプラットフォームはプライバシー保護の建前に隠れて、データを固く独占して外に出そうとしない。 ユーザーが本当に望んでいる(あるいは望むべきである)ことは、Facebookではなくユーザーが自分のデータをコントロールすることだ。ユーザーはこれをFacebookに強く主張すべきだ。Facebookは最近データの外部への持ち出しを一部認める措置を取った。おそらくユーザーがはっきりと要求を続けていけばこのトレンドも拡大するだろう。

(写真のクレジット: Dave Morin

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(翻訳:Namekawa, U)

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  • http://jp.techcrunch.com/archives/20080527facebook-confirms-plans-to-open-source-its-platform/ TechCrunch Japanese アーカイブ » fbOpenイニシャティブ:Facebookがプラットホームのオープンソース化計画を確認

    [...] Michael Arlingtonが以前にこう報じている。 Facebookは公開から1年を迎えたFacebookプラットフォームをオープンソース・プロジェクトにすると発表する予定だ。これは複数の消息筋からの情報だ。即時の影響としては、いかなるソーシャルネットワークでもFacebookプラットフォームとの互換性を持つことが出来る-これはつまり、アプリケーション開発者達は彼等のFacebookアプリケーションを、そういった(Facebookプラットフォームと互換性のある)ソーシャルネットワークにも導入が可能になるということだ。 [...]

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    [...] 今日(米国時間12/12)、AppleはApp Storeに新ジャンルのアプリの掲載を許可した。Pull My Fingerは名前のとおりの単純なジョーク・アプリで画面に表示された指を引っ張ると予想どおりおならの音がする。Appleは当初このアプリの掲載を拒否したため、審査基準が恣意的ではないかという議論が起きていた。今日のAppleの方針変更でPull My Fingerのクローンがどっと登場する舞台が用意されたことになる。実際、すでに放屁アプリ市場に2番目の参入者が現れている。これはiFartといって、Pull My Fingerの機能強化版だが、くだらないトレンドを作ってもらいたくないものだ。まずそのアプリ自体だが、Pull My Fingerは、もともと下品なジョークだという点を別にすると、ユーザーが操作するとそれらしい音を立てる、とういだけの機能しかない。iFartはこれにタイマー機能を付け加えている。ユーザーはあらかじめ一定の時間をセットしておいて音を鳴らすことができる。もうひとつは「セキュリティー」機能で、iPhoneが動かされるたびに音が鳴るようにセットできる。誤解しないで欲しいが、どちらのアプリもユーモラスで、私自身休日に友達をからかうのに1、2度使ってみたくなるかもしれない。しかし、てっとり早くダウンロード数を稼ごうとして、こういった子供っぽいアプリがApp Store中に氾濫することになるのは困る。おならアプリのたぐいばかりがリストのトップを占領してShazamのような本当に有用なアプリが埋もれてしまう。放っておいても、数週間もすればマーケットはこういったバカバカしいアプリを忘れてしまうかもしれない。(いっとき大流行した「ライター」アプリだが、現在ではTopAppsのリストには1つも登場していない。少なくとも15種類が掲載されているのだが)。しかし、一方ではiBeerは5ヶ月前から依然として 5位を占め続けている。一般ユーザーの間ではバカアプリに対する根強い需要があるようだ。(Facebook Platformがローンチしたときにもそういう傾向があったことを覚えているだろうか?) App Storeのトップリストの一角が永遠にバカアプリで占められるということになってはまずいだろう。Appleがこのアプリの掲載を許可したのはよい―検閲というのは危険をはらんだ手段だし、ジョーク・アプリやアダルト・アプリにもそれなりの場所が与えられてよい。しかし最近登場した、NC-17(17歳以下不可)のタグと同様、Appleは‘Silly Apps’というタグも検討すべきだ。そしてそういうアプリ専用の場所をあてがうようにすべきだ。(そういったジャンルであってもトップ5はフロント・ページに掲載してやってもいいかもしれない)。App Storeのレイアウトも引き続き改良の余地がある。しかし、いずれにせよ、AppleはiPhoneを本当に役立つものにしている優秀なアプリが埋もれることのないよう、何らかの手を打つべきだろう。[原文へ](翻訳:Namekawa, U) ShowListings(“arc3″); ShowListings(“arc2″); AddClipsUrl = ‘http://jp.techcrunch.com/archives/20081212ifart-and-pull-my-finger-battle-to-stink-up-the-app-store-please-let-it-stop-here/’; AddClipsTitle = ‘iPhone App Storeでおなら戦争勃発―Appleはバカなアプリをどうにかしてくれ’; AddClipsId = ‘2CBE02C952CFE’; AddClipsBcolor=’#78BE44′; AddClipsNcolor=’#D1E9C0′; AddClipsTcolor=’#666666′; AddClipsType=’1′; AddClipsVerticalAlign=’middle’; 前の投稿へ トラックバック [...]