Naveen Jainの最新詐欺商法:Intelius
by Michael Arrington on 2008年5月30日

連続起業家Naveen Jainが2002年末、自身の設立した会社であるInfoSpaceをみじめにも去ったとき、多くの人たちはが、金融市場でこの男が信用されることは二度とないだろうと思った(Seattle Times紙のこの3回連載に、InfospaceでのJainの栄枯盛衰とインサイダー取引法違反の内容が詳細に書かれている)。Infospaceは絶頂時には$31B(310億ドル)の企業価値があった。現在の価値はその1%にも満たない。

しかし、人の噂も七十五日ということか。JainはInfoSpaceを離れた後、新会社Inteliusを、ワシントン州Bellevueの元のオフィスの向かいで立ち上げた。これは個人の基本情報を販売する会社で、自らを「情報コマース会社」と称している。急速に成長し、現在400万人以上が同社から製品を購入しているという。売上は2004年の$18.1M(1810万ドル)から2007年には$88.5M(8850万ドル)へと上昇した。2008年3月31日締め最新四半期では、売上$31.8M(3180万ドル)で年間推定額は$130M(1億3000万ドル)近い。同社は利益率も非常に高く、2007年のEBITDA[金利・税金・償却前利益]は$22.5M(2250万ドル)だった。

この売上と利益の伸びであれば、この会社がIPOを目指すのも当然だ。著名な投資銀行であるDeutsche BankとUBSが本件の引受会社となり、去る1月10日にSECへの最初の申請がなされている。5月19日に提出された最新の登録書類がここにある。

Jainの過去を考えると、彼が心を入れ替えて、自身の最新のスタートアップでさぞ高潔でいると思うことだろう。厳しい監視の下で会社が上場するとなればなおさらだ。しかし、現実はそうでもないようだ。

Inteliusは、何百人もの消費者から、詐欺行為の疑いで苦情を受けており、その多くが同社のAdaptive Marketingとの提携と、Privacy Matters Identityと称する同社の「製品」に関するものだ。

ユーザーがInteliusで製品を購入するたびに、「当社の2008年消費者信用アンケートに参加して$10のキャッシュバックとPrivacy Matters Identityをもらおう」と書かれたページが表示される。ユーザーにはこの後アンケート2問とともに、メールアドレスを入力してオレンジ色の大きなボタンをクリックするように言われる。ページの下にある小さなリンクをクリックすればアンケートをスキップできる。

当然、多くの消費者はアンケートに答えて次のページに進む。ほんの数秒のことだ。しかし、ほとんどの人は小さな文字で書かれた但し書きを読まない。そこには$10のキャッシュバックの詳細は書かれていない(じっさい、その話は他のどこにも2度と出てこない)。そのかわりに薄いグレイの小さな文字で書かれているのは、ユーザーがこのアンケートに答えると月額$20の定期購読を申し込んだことになる、ということだ。Inteliusはユーザーの個人情報をクレジットカード番号を含めてAdaptive Marketingに転送する。翌日にはクレジットカードに$20の請求が来る、そしてその後も毎月々々。

これが勧誘画面のイメージだ。クリックして、チェックアウト時に表示されるとおりのサイズで見てみてほしい。

もちろんAdaptive Marketingから何か言ってくることは決してない(自分が何者か怪しまれるようなことをするはずがない)。そのかわりにクレジットカードは請求され続け、この会社はみんながいつまでも気付かないことを願っている。

このアンケートはまさしく文字通り完全に全面的な詐欺である。そして、ユーザーは永久に(または止めようとしない限り)払い続けるので、Inteliusの売上への寄与は時間とともに膨大なものになる。

しかもどうやら、この詐欺行為こそがInteliusの売上の成長を支えているようだ。月額$20の何%がInteliusに入ってくるのかはわからない(SECに提出された契約書では編集して省かれていた)。しかし、同社は2007年Q1に$17.2M(1720万ドル)の売上げがあり、そのうちAdaptive Marketingによるのものはわずか1.5%だった。ところが直近の四半期では売上$31.8M(3180万ドル)のところ、Adaptive Marketingがなんとその38.9%に寄与しているのだ。昨年の売上げ成長は$14.6M(1460万ドル)/Q だった。Adaptive Marketingの詐欺商法がその上昇分のうち$12.4M(1240万ドル)を貢献している。ほぼ全部だ。

言い方を変えれば、Inteliusはこのアンケート詐欺商売以外にはほとんど売上げを伸ばしていないということになる。成長していない会社は上場しないものだ。

私がどうやってここまでの財務情報を見つけ出したかって? すべては、会社と取引銀行と会計士と弁護士とで作った公開登録資料に書かれていることだ。

この面々(Deutsche Bank、UBS、Karr Tuttle Campbell(顧問弁護士)、Fenwick & West(引受会社弁護士)、BDO Seidman(会計士))全員に、この手の事実を探り出すためのデュー・ディリジェンス[買収監査]を行う義務がある。どうやら誰も気付いていなかったようだ。たぶんこれで気付くと思う。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20080529ankur-jain-i-would-like-to-address-my-dads-character/ TechCrunch Japanese アーカイブ » Ankur Jain―「パパは悪い人じゃないと証言したい」

    [...] Naveen Jainの最新詐欺商法:Intelius [...]

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20091004there-is-a-difference-between-evil-and-just-absurdly-profitable/ 悪徳商法と、べらぼうに儲けることは同じではない

    [...] しかし、「悪徳」という言葉は、もっと陰湿な物事のためにとっておこう。例えば、われわれの個人データを売って大もうけしているJigsaw。あるいは、去年われわれが報じた、ユーザーが自動的に無意味なクレジットカード支払い契約をさせられるInteliusの詐欺。 [...]

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20091027intelius-files-to-go-public-again-still-a-huge-toxic-scam/ Inteliusがまたも上場申請。相変わらずの巨大有毒詐欺商法だ

    [...] Inteliusがまた上場しようと企んでいる。昨年われわれは、彼らのビジネスについて報じた。それは、有料人物情報検索サービスに取引後詐欺商法を組み合わせたものだ。人物情報を購入した後、ユーザーは、アンケートに答えて$10のキャッシュバックをもらうよう薦められる。実際には、「YES」をクリックすると、$10の話は二度と語られず、代わりに、ほぼキャンセル不可能な月額$20のクレジットカード課金購読を登録させられる。 [...]