2006年の後半、ユーザーがオンライン通販サイトで購入した品物をクーリエ便を使って4時間以内に配達するLickety Shipがローンチしたとき、私はKozmoと同様の運命をたどるのではないかと危惧した。Kozmoというのは似たような配達サービスで、$280(2億8千万ドル)の資金を調達したあげく、2001年に記憶に残る派手な倒産劇を演じた。
Kozmoは配達料金を取らなかったので、皆んな面白がってM&Mチョコレート1箱とか、そういった安い品物を買っては家に配達させたものだ。$150(1億5千万ドル)を投じたStarbucksを通じてKozmoを宣伝するというキャンペーンも無駄遣いに拍車をかけた。.
Robert Pazornikが創立したLicketyShipのアプローチはこれとは違っていた。配達には暇なクーリエ便を安く利用し、特急サービスにはユーザーからきわめて高額の料金を取る。利益が上がるのは特急サービスだけだが、そういうサービスを利用する客が十分存在するだろう読みだった。
その読みはまずまず当ったのだが、残念ながら現実の運営には大きな問題があった。まずクーリエが小売業者のところに行って荷物をピックアップし、買い手に配達することができなくてはいけない。するとLicketyShipが提携できるのは、買い手に物理的に近い場所に店を構えている小売り業者だけだ。またLicketyShipは自分のサイトを通じてこの通販を行うのだから、LicketyShipのシステムは実際に品物を持っている小売り業者の販売システムと緊密に統合されていなければならない。そういう関係がいったn成立すれば競争上の大きな優位となる理屈だったが、実際にはほとんど不可能な話だった。
2007年の7月、LicketyShipは小売業者と提携して自サイトで直接通販を行うモデルを放棄した。その代わりに、地元のクーリエ便の業者との提携に力を入れ始めた。(サービスがカバーしている地域では)ユーザーは地元の小売り店に注文した商品をLicketyShipを利用して店に取りに行かせ、配達してもらうことができるようになった。
LicketyShipにとって良いニュースは、Kozmoとは違い、転換前の最初のビジネスモデルに大金を無駄遣いしていなかったことだ。実際、エンジェル投資家から、$1.5(150万ドル)を調達しただけだった。
しかし悪いニュースは、投資家がいつまでも黒字化を達成できないPazornikに業を煮やしてまったことだ。そういう訳で、約1月前、投資家は経営者のクビをすげ替えることにした。Pazornikは自ら創立した会社を追われ、John McGroryは新たなCEOに就任した。
現在LicketyShipはリニューアルして再オープンを待っている。新しいサービスはクーリエ便事業に特化したものになる。それも単にクーリエ便でユーザーの買物の手伝いをするだけではなく、全体としてのパイは大きいが中小零細業者が多くてまとまりのないクーリエ便事業の総合的なポータルとなるウェブサービスの構築を目指している。
アメリカ国内だけで毎月2500万のパッケージがクーリエ便を利用して配達されている。 新CEOのMcGroryによると、クーリエ便1件あたりの料金は平均$100だという。(だとすると、計算上、年間$30B〔300億ドル〕となる)。ところがクーリエ便のユーザーは料金に無頓着な傾向がある。クーリエ便のユーザーが重視するのは何よりも信頼性だ。その結果、いったん信頼できるとなると特定のクーリエ・サービスを長い間使う傾向がみられる。(典型的なクーリエ便の大口ユーザーは法律事務所だ。彼らは〔どんなに料金が高くても〕クライアントにツケを回すことができる)。McGroryによると、このマーケットに新規参入するにあたって必須なことは、ウェブ・サービスまたは電話で手配できることと、配達が間違いなく実行される保証があることだという。つまり、(アメリカ全国どこへでも電話1本で花を届けられる)「1-800-Flowers」のクーリエ版だ。
またLicketyShipは誰でもクーリエ便を自分のサイトに組み込めるようAPIも公開した。通販サイトや小売店はクーリエ・サービスによる即時配達というオプションを自サイトに簡単に組み込める。利用の要件は、ユーザーの販売する品物を実際に保管している倉庫が買い手の居住地域から一定の距離以内にあることだけだ。BestBuyとかBarnes & Nobleなどはユーザーとして理想的だ。消費者の近くにリアル店舗を構える小売業者がLecketyShipのクーリエ・サービスを組み込めば即時配達が可能になり、オンライン通販の同業者との競争を有利に進めることができる
LicketyShipはこの夏新たなベンチャー資金の調達を計画しており、この新しい戦略を投資家に説きまわっている。
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(翻訳:Namekawa, U)




