Peer39およびそのセマンティック広告技術の分析
by Roi Carthy 2008 年 7 月 1 日 append.gif この記事をBuzzurlにブックマークする

ベンチャーキャピタリストは、セマンティック分野でRound Aも経ていないが5千万ドルの価値があるとする企業に毎週出くわすことになっている。技術がほとんど未成熟であり、製品として利用するにはほど遠いという状況であることを鑑みれば、これは少々馬鹿馬鹿しい話だ。この分野は爆発的な収益をもたらすものであるとも言われる。しかしその収益の実体は、売り込みに成功した際の5千万ドルのことだったりする。

しかしこの大騒動の中、おしとやかでプレスにもあまり登場しないPeer39という企業がある。2006年の創業時から意図的に隠密行動をとってきたこの企業こそ、セマンティック技術の収益化可能性を示す有望株だ。Peer39は、行動ターゲティング広告(これはもちろんコンテクスト広告の次世代版だ)の次に控える進化であるセマンティック広告を用いて、その潜在能力を遺憾なく示している。

Peer39はセマンティック広告ネットワークを利用して、この分野で大きな伸びを示している。今年の終わりには10億インプレッションに達する勢いだ。現在のところはCPM(cost per thousand)ないしCPC(cost per click)で広告主に請求を行うディスプレイ広告のみを扱っている。

TechCrunchとのインタビューでCEOのAmiad Solomonが語ったところによれば、30のトップレベルカテゴリと数千のサブカテゴリにおいて、Peer39はかつてに比べて平均4倍のクリックスルーレートを実現しているとのことだ。技術、自動車、ファイナンス、健康等すべての業界から歓呼の声で迎えられているとのこと。

Peer39の広告ネットワークを支えるのはSemanticMatchと呼ばれる技術だ。この技術で用いるアルゴリズムエンジンは広告側と一般の人が作成したコンテンツ(ブログやフォーラム等)を正確に結びつけることができる。SemanticMatchでは自然言語処理を用いており、意味、トピック、カテゴリ、あるいは感情までを考察対象とするための学習機能も備えている。また、これらの処理がリアルタイムで行われ、また潜在的にプライバシー問題に繋がりかねないクッキーを全く利用していないことも特記しておく。

Peer39の技術は開発に2年半をかけている。元Nielsen OnlineのR&D部門VPを擁するイスラエルの44-strongというR&Dチーム、Technion Institute(イスラエルのMIT)の研究者、およびイスラエル軍の優秀な情報部隊が結束して、文書をアルゴリズムに従ってカテゴライズできる範囲で十分小さく区切るという研究を行った。アルゴリズムでは1)多様な文脈的カテゴリの中に当てはめることのできる一般性を保持し、2)必要に応じて新たなカテゴリを作成する。

キーワードを探し出す文脈解析とは異なり、Peer39のセマンティック分析エンジン(SemanticMatch)では意味および関連カテゴリを把握するためにページ全体を解析対象とする。提供してもらった例を下に引いておく(イタリックは強調のためにこちらで付けた)。

Example 1: “Amazon is a great place to visit.”

Peer39のカテゴリ解析: Travel, Brazil, South America

Example 2: “Amazon is a great site to visit.”

Peer39のカテゴリ解析: Ecommerce, Internet, Business, Finance

カテゴリの精度は7段階まで設定することができる。たとえば

Technology > Consumer Electronics > Digital Camera > Canon > Powershot > SD870 IS > SD870 IS Silver

Auto > Compact > GM > Chevrolet > Chevrolet Cobalt > Chevrolet Cobalt LS Sedan

Peer39は文章に表れた肯定的/否定的の感情をも判断することができる。これによりPeer39は広告出向者に対して、攻撃的コンテンツ、否定的コンテンツ、競合相手への言及などからブランドを保護する機能を提供することができる。たとえばキヤノンが広告を出すのに自社カメラを否定的にレビューしているページに広告を出したいとは思わないはずだ。

実際のビジネスの面で言うと、Peer39はTacodaやQuigoのような引き際を想定している。双方の企業ともに高いROIを提供し、代理店と密接に連携することでかなりの規模の広告ネットワークを構築することに成功した。

Peer39はCanaan Venture Partners、Dawntreader Ventures、およびJP Morganから$11.7M(1170万ドル)を調達した(Peer39は調達前の評価額を公表していない。しかし調達金額を考えると5千万ドル以上の価値があったと考えて問題なさそうだ)。諮問委員会にはApplied Semantics(Googleにより買収され、AdSenseの元となった)の共同創設者であるEytan Elbazおよび前社長のTacoda Daniel Jayeも名を連ねる。またTacodaの資産管理部門SVPだったMatthew GoldesteinがCOOとして参加することになったとのこと。

原文へ

(翻訳:Maeda, H)

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