ここ数年、バックアップにかかる手間暇を削減するためのソリューションが多く登場してきた。AppleのTime Machineなどのローカルバックアップは外付けディスクにバックアップを行う方式で、素早く、かつ簡単にバックアップを行うことができる。但し盗難や自然災害の危険は残る。MozyやCarbonite等、クラウド方式のストレージサービスを使った場合は、バックアップメディアに関する物理的な障害を心配する必要はなくなる。但しこの場合は障害発生からデータをリカバリするまでに数日ないし数週間を要することもある。
先週登場したCuckuは、ローカルバックアップとリモートバックアップの良いとこ取りをしようとするソリューションだ。SkypeのP2Pネットワークを使って知人のコンピュータ上にファイルを自動的に保存するもので、Cuckuは「ソーシャルバックアップ」と呼んでいる。現在のところWindows版のみが提供されておりMac版は対応予定。
動作の仕組みは次の通り。すなわち各利用者は知人とペアを組んで「相棒」となる。ローカルディスク上に変更を加えると、相手のドライブ上に割り当てられたバックアップ用スペースに自動的に書き込まれる。逆に「相棒」側のファイルに変更があれば、それはこちらのドライブに保存されることになる。データはすべて暗号化されていて、のぞき見を心配する必要はない。

CEOのJohn Snedigarによると、Cuckuはファイルを特定の相手方に保存することで、MozyやCarboniteなどのクラウド方式のバックアップ手法を改善するとしている。ファイルデータがDVDで送られてくるのを数日待つ必要はなく、相棒に連絡を取り直ちに自分のデータにアクセスできるようになる。
確かにCuckuにはある種の利便性がある。しかし超えなければならない大きなハードルもある。たとえば、相手のデータを保存するために各自のPC内に相当なディスクスペースを確保しておく必要がある。空き容量が不足してくれば、相手方のディスクで真っ先に削除されるのは大事なバックアップデータかもしれない。あるいは「相棒」が数週間の休暇に出かけてしまい、コンピュータの電源がオフのままになってしまうかもしれない。さらにクラウド方式の各種サービスでも問題になる転送速度についても考慮する必要がある。膨大な量のデータをバックアップするような場合、数週間ないし数ヶ月かかってしまう可能性もある。
Cuckuの基本サービスが流行ることはないように思える。但しプロパッケージ版にはチャンスもある。通常のサービスでは「相棒」との間で1対1でバックアップを行う。つまり相互にファイルを交換してバックアップを取りあうイメージだ。プロ版では1つのドライブに複数のコンピュータをバックアップすることができる。利用者はバックアップ用の専用サーバを構築することができ、これで物理的にもアクセスできる状態ながらクラウド形式でバックアップを行うことにもなる。
他にもP2Pでバックアップを行うサービスは数多く存在する。WualaやAllMyDataなどがそうで、たいていはより一般的なクラウド形式を採用している。
[原文へ]
(翻訳:Maeda, H)





