今日(米国時間8/16)、膨大なユーザーを抱えるインターネット音楽サービスの大手、Pandoraは大胆な政治的発言をした。Pandoraは「このまま法外な著作権料を支払っていくのでは近いうちにサービスを閉鎖するほかない」と述べた。
ラジオ放送は種類によって楽曲に支払う料率が異なる。地上波(通常のFM/AM局)は親会社の無限に資金のある強力なロビー活動のおかげで、1セントも払っていない。衛星局は聴取者1人、1時間あたりおよそ1.6セントを支払っている。これに対してロビー活動の資金がないPandoraその他のインターネット・ラジオ局は、2010年以降2.91セントを支払わなければならない。
Pandoraによると、現在すでに年間収入$25M(2500万ドル)の70%を著作権料として支払っており、このままでは経営が成り立たなくなるという。他のインターネット・ラジオの状況はさらに悪い。
これに対して音楽産業側は、インターネットラジオ局の経営が苦しいのは自業自得で、それならさらに収入を増やすよう努力すべきだと主張している。
地上波、衛星、インターネットの間に見られるこれほど明白な差別が存在するのはもちろん馬鹿げている。しかし事態が改善される見込みはほとんどない。著作権使用料の増額に対する大規模な抗議運動が昨年行われたが、無視されただけだった。
Pandora―犠牲の子羊
Pandoraは私がTechCrunchを始めて最初に記事を書いた会社の一つだが、アーティストやレーベルがいかに不合理な立場をとっているかを自覚する前に犠牲になってしまいそうな形勢だ。もし完全に自由な市場であれば、レーベルは放送局に楽曲をかけてもらうために金を払うことは実証ずみだ。この「ペイヨーラ」行為は今の放送業界でも形を変えて続いていることは間違いないと思う。
Pandoraやインターネットラジオ局はレーベルやアーティストにとって貴重なマーケティング活動として役立っているというのが事実だ。今年の3月にAOLがBeboの買収に$850M(8億5千万ドル)支払ったことについて、Billy Braggが「その一部をミュージシャンに還元すべきだ」と主張したとき、私はBeboのような存在は多くの人に音楽を聴いてもらいたい無名のアーティストにとって重要だとして、次のように反論した。
録音された音楽は、アーチストの認知を高めるためのマーケティング素材でしかない。音楽をリスナーに届けるウェブサイトはアーチストの利益に貢献している。実際、それはアーチストが現在(将来)報酬を得ることができるように手助けをしている。若いアーチストやソングライターはとくにこうしたサービスの受益者である。つい2、3年前までは、レーベルがプロモーションしてくれなければメインストリームに登場する手段は皆無に近かった。ところがこの壁がSNSによって崩されたことについてBraggは厚かましくも不平を言っている。
現在レコード・レーベルはPandoraその他から絞れるだけ絞り取ろうとしてしている。しかしこういったネットラジオが破綻し始めれば、その金は取らぬ狸の皮となって消えてしまう。連中は強引すぎる交渉を悔やむことになるだろう。しかし、本来レコード・レーベルこそ消えて無くなるべき存在だ。それならレコード・レーベルに入る金が絶たれるというのはなんであれ部分的にはよいことだとも考えられる。レコード音楽の必然的な無料化への行進に貢献するのであれば、私は気は進まないながら、Pandoraが犠牲になるのもやむをえないと諦めよう。もちろんそんなことにならずにすめばそれにこしたことはない。
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(翻訳:Namekawa, U)
