私が実際に会って話を聞いたかぎりでは、Y Combinatorから創業時〜孵化期の資金を出してもらった起業家たちの圧倒的多くが、その出資を得たことに満足している。また、出資を断られた人たちも、とくにY社を悪く言うことはない。
だから、Y Combinatorが起業家たちに提示する条件がどうもアンフェアだとほのめかすジャーナリストたちの記事を見て意外に思うことが、最近も含めて今までに何度もある。相当数の起業家たちがそういった記事を支持しないかぎり、控えめに言ってもそこには何かの思惑があるのではと思わざるをえない。
Y Combinatorは企業が大きく成長するために必要な資金を提供する投資会社ではない。むしろ同社は、まだアイデア段階、あるいはプロトタイプ段階のような、企業の卵たちに、せいぜい2万ドル未満を出すというタイプの投資家だ。見返りに同社は、その卵企業の株の約6%を取得する。同社のこの投資方式は、今や至る所で真似されている。
同社のお世話になるスタートアップたちは、ほとんど、アイデアだけを抱えた社員2~3人の企業だ、という点を忘れてはいけない。コードをまだ1行も書いてない、最初の製品すら世に出てない、という卵たちにお金を出してくれるVCやインキュベータは、一般的にたいへん少ない。Y Combinatorは、いわゆるエンジェル投資家たちすら尻込みするような案件を、ひとつのニッチ投資市場として取り上げる。同社が代価として求めるものは、少量の普通株だけだ。エンジェルやVCの多くは、投資に対して優先株を要求する。そのほうが企業をコントロールできるし、売却やIPOに際して資金回収や収益獲得の保証を得やすい。Y Combinatorの場合は、創業者が持っているのと同じ株を取得するだけだ。
今日までY Combinatorは102社のスタートアップ企業に投資した(いちばん最近(今夏)の投資経緯はここ)。これらのうち、死んだのは18社だ。ごく少数が買収され、残りはまだまだ自らの運命へ向かう旅の途上だ。
Y Combinatorに、非難されるいわれは何もない。同社は、やる気のある起業家たちに、単なるリーズナブルの線を超えた良い条件で投資をしている一私企業である。同社は企業の額(ひたい)に大きな承認の印を押し、飛び出すための踏み台を与える。相手が、まだ中身の見えない卵たちであることを考えれば、同社の打率はなかなかのものである。
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(翻訳:hiwa)
