LinkedInが自前の広告ネットワークを立ち上げ
by Erick Schonfeld on 2008年9月15日

SNSの多くが広告収入の増加と安定を目指して今でも試行錯誤している中で、その傾向の反対を行こうとしているところが一つある。ビジネスプロフェショナルたちのためのSNSであるLinkedInは、広告の需要が常時大きいので、月曜日に自前の広告ネットワークを立ち上げた。LinkedInは広告ネットワークCollective Media(ハイエンドのメディアサイトをターゲットとする)と提携して、幾つかの指定パートナーサイトをユーザが訪れたときには、それらのサイトが広告掲出に関してユーザをターゲット分け〔後述〕できるようにする。

多くのSNSが、広告を1ドル以上のCPM(広告の到達数1000あたりの料金)で売ることに苦戦している。しかしLinkedInのレート表を見ると、広告料は30ドルCPMからスタートし、最高は76ドル50セントだ。テキスト広告は12ドルから20ドル。広告料は通常、公称レートからの割引が付き物だが、それを考慮に入れてもLinkedInはそのほかのSNSに比べてはるかに高い。それは、LinkedInのオーディエンスが、広告主がターゲットとして望む層に明確に絞られているからだ。

LinkedInの公称登録ユーザ数は2千700万である。comScoreによると、7月には合衆国から520万がこのサイトを訪れた(世界中では870万)。LinkedInによれば、登録ユーザの平均年収は11万ドル、その64%が男性、平均年齢は41歳、49%が意思決定者である(同じくLinkedInによれば、Wall Street Journalの読者は平均年収10万2千ドル、平均年齢48歳、意思決定者はわずかに40%である)。

LinkedInはすでにオーディエンス向けの広告を自分のサイトでも売り込んでいる。広告のターゲットは、業界別、年齢層別、企業サイズ、地域、性別、コネクションの数などで絞り込むことができる。そしてこれからは、このようなターゲット分けを一定のパートナーサイトにも拡張する。そういうパートナーになるためには、広告掲載者は申請してLinkedInの広告ネットワークの一員にならなければならないだろうが、LinkedInはおそらく既存のコンテンツパートナー、たとえばBusinessweekやCNBC、New York Timesなどとまず契約しようとするだろう。

ユーザがLinkedInを訪れると、彼/彼女のブラウザにクッキーが置かれる。このクッキーの存在が、この人はLinkedInのメンバーであるというシルシになり、その人がパートナーサイトを訪れたときにもチェックされる。個人的なID情報が削除されても、メンバーはさまざまにターゲット分けされたグループに入れられている。YahooやGoogleの類似の広告ネットワークの方式と同じく、ターゲット分けされたグループからユーザが自分を外すことも可能なはずだ。

今ますます明らかになりつつあるのは、SNSの競争はオーディエンスの数ではないということだ。むしろ問題は、オーディエンスの質とその把握だ。MySpaceのような上位に位置するSNSは、購買力の高い層にターゲットを絞り込むことによって、広告料金を高くしようとしている。

LinkedInは、自分が広告主にとって価値あるオーディエンスを持っていることを、十分に承知だ。そしてこれからは、そのオーディエンスへのアクセスをよそにも売ろうとしている。LinkedInは自社サイトの広告から収益を上げたほうが有利だが(Collective Mediaと他サイトとの計3者で収益を分けなくてよいから)、しかし単独で最近の10億ドルの企業評価価値を安定維持することは困難と悟っているのだろう(ただし社員が株を売るときはこの半分の評価に基づく)。この新方式により、LinkedInの収益は段階的に増えていくことになる。そして掲載サイトとなるパートナーたちに対しては、LinkedInがおいしい在庫の残りを、彼らに対抗して自分で食べてしまわずに(自サイトの広告にせずに)、むしろ彼らに分かち与えることになる。

これが、すべてのデスティネーションサイト(第一アクセスサイト)の未来の姿だろうか? 広告ネットワークになって、自分たちのオーディエンスを高値であちこちに売ることが?

LinkedIn Demographic Data Jun08
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(翻訳:hiwa)

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20080915mtv-launches-ad-network-just-like-linkedin/ TechCrunch Japanese アーカイブ » MTVも広告ネットワーク設立(LinkedInそっくり!)

    [...] バーティカル(分野)別に設ける個々のネットワークは「Tribe(部族)」という名前。新広告ネットワークでLinkedInがやろうとしていることと、だいぶ似ている。MTV.comも基本的に自社が抱えるオーディエンスへのアクセスを、再販するのである。各Tribeは、ネットワーク傘下のサイトに来るビジターで構成され、他の場所からもターゲットできるというわけだ。この場合だと「MTV Generation Tribe」はおそらく音楽、映画、ビデオゲーム、スポーツ、そしてスニーカーに目がない若者人口で成り立っている。 こうした層は普通はリーチしにくい。同社が抱えるオンラインのサービス利用者はそれぞれ、驚くほど良く似通った者同士が固まっているので、年齢や性別なんかを手がかりにネットワークの広い範囲にまたがるグループの内訳解読に励むよりは効果的にターゲットが絞り込める、とMTV Networksは話している。 [...]

  • http://idea-clip.jp/sbm/story.php?id=625 pligg.com

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