Google – Yahooの広告契約を懸念する理由
by Michael Arrington on 2008年9月22日 append.gif この記事をBuzzurlにブックマークする

New York TimesのRandall StrossがGoogle/Yahoo検索マーケティングの契約に関して、両社の検索サービスが連携することに「何の懸念もない」と言って後押ししている。わたしは、彼の分析のほとんどが誤っていると確信しているし、彼はマーケットでのサイト運用者側を完全に無視している。すなわち、考え方も結論も間違っていると思う。

彼はこう切り出す、「GOOGLEは検索広告市場の約70%を支配している。これは価格を自由に設定できる独占者の力をGoogleに与えるものではないだろうか

いや、それは違う。独占とは取引の供給側のみを支配するものであって、なんでも好きにしていいわけではない。価格が上がりすぎれば、ユーザーは買うのをやめる(これを需要の弾力性と呼ぶ)。独占状態にあるというのは、ほかに利益を減らして安値をつける競合がいないために、本来以上の高値を付けることが出来るというだけだ。

しかし、Strossはその部分を無視して議論のポイントへと急ぐ。広告料金はGoogleではなく入札によって決められるので、この広告のプライシングに関してGoogleは制御していない、と彼は言う。広告料金があがるとすれば、それは市場がそうしただけだと。

これが彼の記事の焦点だ。広告料金は上がらないないかもしれないと言い(これ自体ばかげている)、また、もし上がるならばそれは堅牢な広告入札に市場が答えただけのことだとも言う。

最終的に広告主は必要な広告のために払いたい額しか払わない。ほとんどの広告主は投資の見返りの実績をつぶさに監視している。入札額が上がれば、一歩引き下がる。

ネットワークにとって長期的に見た真の勝利は、広告主との直接のビジネス関係を構築することだ。Googleは誰よりもはるかに多くそれを実現している。広告主はGoogleが提供する膨大な検索ページビューを追いかけているのだから。入札する広告主が増えれば、価格は上がる。

Yahooの検索クエリが加われば、広告枠がさらに増え、広告主がGoogleのプラットホームに飛びつく動機がさらに強くなる。

つまり、中央集権化した市場によってGoogleが最高値の経済的地代を得、それを第三者に分割することが出来る。

そしてそれが、Strossが無視しているパズルの大きなピースだ。5月に私は、検索マーケティングのプロバイダーが一社になった場合に、インターネットエコシステム全体に与えるきわめて現実的な影響について書いた。各ネットワークの収益に関わることだ

サイト運営者の側から見ると、状況はさらに悪い。Googleは広告料金のうちから掲載者に対してはしみったれた割合しか分配しようとしない。 Googleをまずまず正直にさせるのはYahooとMicrosoftが時折サイト運営者のところに来て競争をしかけるときだけだ。もしそれさえなくなってしまえば、Googleはサイトから上がる広告収入のほとんどを独り占めしてしまうだろう。(Googleの競争相手はそうなると検索以外の〔バナーなどの〕広告となるが、これははるかに低い収入しかもたらさない)。こういったことはすべて、インターネットの健全性という見地からした場合、最悪である。

オンライン広告市場はあまりに巨大で重要なのでMicrosoftはとうてい無視することができない。われわれインターネット・ユーザーはMicrosoftとYahooの努力を応援しなければならない。もし彼らが興味を失ってしまえばインターネットは重大な悪影響を被るからだ。競争こそがイノベーションを生む。競争こそが価格の引き下げを生む。競争を放棄せよと説くのは無責任以外のなにものでもない。

そうしたサードパーティー企業(MySpace、Facebook、Digg、Ask、AOLそして今Yahooも)は、当初の契約を再交渉する際には今後ずっとGoogleのいいなりになることになる。今日Googleは、YahooにGoogle広告による収入の大部分を渡しているかもしれないが、10年後に、Googleが唯一のプレーヤーになったときには、もっと普通の独占的モデルによる条件になるかもしれない。現在のGoogleは、MicrosoftやYahooが損をしてでもGoogleからパートナーを奪い、検索クエリの制御を得ようとする競争によって、抑制されている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)

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