Sonic Lighter―こんなバカバカしいiPhoneアプリがブームになってる理由は?
by Michael Arrington on 2008年9月26日

Smuleから出たSonic Lighter (iTunesリンク)というバーチャル・ライターのiPhoneアプリがえらく評判になっている。

それ自身はたいしたことないアプリだ。iTunesにバーチャル・ライターは10種類以上出ている。こんなマーケットは飽和している、と言いたいところだ。しかもSonic Lighterは有料で、99セントもする。Zippoの公認バーチャル・ライターは無料だ。しかもこうしたアプリの機能は基本的にみな同じだ。タバコに火を付けるあのライターのバーチャル版で、iPhoneの向きをいろいろ変えるにつれて炎がもあちこち揺らめく。

Zippo版のダウンロード数は発表されていない。しかしSonic Lighterではすでに7万のダウンロードを記録したといっている。とにかく、Zippoのアプリは9月18にローンチされたのに現在までに27のレビューしか書かれていない。ところが、Sonic Lighterは今週水曜日にローンチされたばかりだというのにすでに44のレビューが書かれている。

私が思うに、皆がSonic Lighterに夢中になり、99セントを払う気になる理由はこうだと思う―Smuleはこのアプリにソーシャルな要素をビルトインすることによって、猛烈ないきおいでクチコミを広げることに成功した。このソーシャルな要素が、Sonic Lighterを使う上でバカバカしいが効果的なインセンティブとなったのだ。

ユーザーは自分の場所を他のユーザーに公開するよう設定できる。ユーザーがライターに火をつけると、世界地図の上にそれが示される。右のスクリーンショットでもわかるように、フランスと日本でこのアプリが猛烈な人気を博しているのがバーチャル地球上にはっきりと映し出されている。ユーザーがライターを燃やしつづける(この記事を書きながら私もSonic Lighterを燃やしているところだ)と、その時間がキロジュール単位で表示される。そこで各地のユーザーが「世界でいちばん明るい都市」になろうとして競いあっている。おっと、それからマイクに向かって息を吹きかけると火を消すことができる。

冗談を言ってるのではない。どういうことになってるのか、たとえばここで「世界でいちばん明るい都市」のリストを見ることができる。私はサンフランシスコとサンノゼの順位を上げようと努力中だ。(本当はこの2都市はひとまとめの地域にしてくれないと不公平だと思う)。

Sonic Lighterは他のiPhone上のSonic Lighterを点火することもできる。パーティーでみんなが酔っぱらい始めた後、大いに座を盛り上げる芸になることうけあいだ。いったんこうして大騒ぎになればパーティーの参加者は全員がギークとしての仲間意識を維持するためだけにでも99セント払う羽目になる。このビデオにこれが実際どう機能するかが映っている。

このアプリはなぜ成功したのか? 熱心な読者なら私が8月にその点を指摘したのを覚えているだろう。Sonic Lighterは、ライバルと違って、単なるライター機能ではなく、人間がチームを作りたがる社会的群居本能と位置情報を巧みに結びつけて、ちょっとしたブームを巻き起こすことに成功した。典型的なクチコミの勝利だ。

アプリがローンチしてから数日間にこういうことが起きていた。

  • 9月15日(月)、太平洋時間午後5時ごろ、ミュアウッズ国立公園のどこかで最初のiPhone同士による遠隔点火が行われる
  • 以降、火は6大陸、80カ国、3204カ所に飛ぶ
  • 現在までに3977カ所で6万8514回の点火が行われる
  • SmuleではSonic Ligterからリアルタイムで収集したデータを元に、キロジュール単位で、総点火時間の長さの順に、都市のランキングの表示を始める

Smuleを運営しているのは頭のいい連中だ。資金はBessemer Venture Partnersから調達している。CEOのJeff Smithは以前、メールのセキュリティーソフト企業のTumbleweedのファウンダーでCEOだった。Nasdaqに株式を公開し、年商$50M(5千万ドル)を達成してからCEOを辞めている。Jeffに加えて SmuleにはGe Wang博士初め、スタンフォードとプリンストン大学で音楽の博士号をとった人間が加わっている。Wang博士はスタンフォードのCenter for Computer Research in Music and Acoustics (CCRMA、音楽と音響のためのコンピュータ研究センター)の教授であり、Stanford Laptop Orchestraの指揮者でもある。ちなみに、Sonic LighterはSmuleの最終成果物ではないということだ。このアプリはWang博士らが開発したChucKと呼ばれる新しいオーディオ・プログラミング言語のデモ・プロジェクトなのだという。

[原文へ]

(翻訳:Namekawa, U)

  • http://chie.ebb.jp/ubung/techcrunch-japanese-%e3%82%a2%e3%83%bc%e3%82%ab%e3%82%a4%e3%83%96-%ef%bf%bd-sonic-lighter%e2%80%95%e3%81%93%e3%82%93%e3%81%aa%e3%83%90%e3%82%ab%e3%83%90%e3%82%ab%e3%81%97%e3%8 次なるもの » Blog Archive » TechCrunch Japanese アーカイブ � Sonic Lighter―こんなバカバカしいiPhoneアプリがブームになってる理由は?

    [...] それ自身はたいしたことないアプリだ。iTunesにバーチャル・ライターは10種類 以上出ている。こんなマーケットは飽和している、と言いたいところだ。しかも Sonic Lighterは有料で、99セントもする。Zippoの公認バーチャル・ライターは 無料だ。しかもこうしたアプリの機能は基本的にみな同じだ。タバコに火を付け るあのライターのバーチャル版で、iPhoneの向きをいろいろ変えるにつ…… original article [...]

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20081107smules-ocarina-a-textbook-example-of-how-to-build-a-great-iphone-app/ Smuleのバーチャル楽器、OcarinaはiPhoneアプリのお手本

    [...] Smuleがまたやってくれた。この会社は数ヶ月前、あの天才的なバーチャル・ライターのアプリでiPhoneユーザーの間にブームを巻き起こした。そのSmuleが今度はOcarinaというSNSの要素を加味したバーチャルのオカリナをローンチした。ユーザーは自分で演奏するだけでなく、世界中の他のユーザーの演奏をリアルタイムで聞くことができる。アプリの料金は99セント。ダウンロードはここから。楽器としてのできは完璧だ。App Storeに掃いてすてるほど登場したバーチャル鍵盤やギターよりもiPhoneのスクリーン・サイズに合っていると思う。演奏するには、iPhoneの録音用マイクにそっと息を吹きかけながら、スクリーンに表示される4つの指穴を押さえればよい。Smuleによると、マイクが空気の流れの微妙な変化を感知する。他のiPhoneのオーディオ系アプリとは異なり、事前にサンプリングされた音を再生するわけではなく、この空気の流れと指穴を押さえる動きからリアルタイムで演奏者のニュアンスに忠実な音をその場で生成するのだという。さらに、ほとんどのiPhoneユーザーはオカリナの演奏の仕方をしらないので、このアプリにはもう一つすばらしい特長がある。ユーザーは世界中の他のユーザーの演奏をリアルタイムで聞くことができる。世界地図を表示させると、3Dの世界の上に、現在作動中のOcarinaのイチが小さな点が点灯する。アプリはその一つをランダムに選んで自動的に演奏の中継を始める。すると演奏地点の地上から一音ごとに小さな光の固まりが立ち上ってくる。演奏が気に入らなければ、ユーザーはnextボタンを押して次のユーザーの演奏に切り替えることができる。(たいていのユーザーの演奏はひどいものだろうから、このボタンはしょっちゅう押されることになるだろう)。 これこそiPhoneの正しい開発戦略というものだ。われわれが9月に指摘したとおり、「ネットワーク効果」を利用することによって、差別化を図ろうとするデベロッパーが少なすぎる。たいていは単にスタンドアローンのアプリを開発するだけにとどまっている。これでは仮に評判が良ければ良いで、すぐにクローンされてしまう。Smuleは最初にこの分野に参入したことによって、クローンに対して差別化ができる。仮にネットワーク機能を付加したオカリナのクローン・アプリがいくつも登場したとしても、Smuleが依然として最大のシェアを確保できるだろうし、他のアプリが追いつくのは困難だろう。Smuleにとって得策なのは、こういったバーチャル楽器のシリーズを次々に制作し、Ocarinaと同じユーザーネットワークを利用して全世界を結ぶ巨大なバーチャルを造り上げるだことだろう。そうなれば他のサービスやアプリがOcarinaに追いつくことはほとんど不可能になる。(それにどうやらSmuleはそういった方向を検討しているようだ。SmuleはChucKというオーディオ用プラットフォームを開発したが、これを他のバーチャル楽器にも利用するつもりらしい)。ネットワーク効果の利用を試みるiPhoneアプリとしては、他にわれわれが昨日報じたChess With Friendsがある。CrunchBase InformationSmuleInformation provided by CrunchBase[原文へ](翻訳:Namekawa, U) ShowListings(“arc3″); ShowListings(“arc2″); AddClipsUrl = ‘http://jp.techcrunch.com/archives/20081107smules-ocarina-a-textbook-example-of-how-to-build-a-great-iphone-app/’; AddClipsTitle = ‘Smuleのバーチャル楽器、OcarinaはiPhoneアプリのお手本’; AddClipsId = ‘2CBE02C952CFE’; AddClipsBcolor=’#78BE44′; AddClipsNcolor=’#D1E9C0′; AddClipsTcolor=’#666666′; AddClipsType=’1′; AddClipsVerticalAlign=’middle’; 前の投稿へ トラックバック [...]

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20081118ocarina-surges-to-top-paid-iphone-app-position/ OcarinaがiPhoneアプリのトップに急成長

    [...] なぜだろう? Smuleの最初のアプリケーションであるソーシャルな仮想ライター(そう、ぼくも知ってる)と同じく、なにしろほかの人と対話することは楽しいんだよ。ライターでは、いちばん明るいところにいる人が勝った。Ocarinaでは、ほかの人の音楽を聞くのだ。 [...]

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20081219smule-shares-its-awesome-audio-technology-to-bring-cigarettes-to-your-iphone/ Smule、革新的なオーディオ技術でiPhone用にバーチャル煙草アプリをローンチ

    [...] Sonic LighterやOcarinaといった革新的なiPhoneアプリを発表してきたSmuleはまちがいなく私のお気に入りのApp Storeデベロッパーの一つだ。Smuleは一連の高度なオーディオ処理技術の開発に成功しており、音楽を世界的ななスケールで共有可能にしている。今日(米国時間12/19)発表されたアプリの場合、音声によって隣接する2台の携帯電話の間で情報がやりとりされる。今日、Face Melterのようなヒット・アプリを開発してきたデベロッパー、Nico Bechererが、Smuleのオーディオ技術を利用した最初のサードパーティーのアプリをローンチした。これはElectric Smokeと名付けられたバーチャル煙草アプリだ。それだけ聞くとあまりおもしろいアプリには思えないが、 使われているテクノロジーには感心させられる。友達がSonic LighterをインストールしたiPhoneを持っていたら、そのiPhoneで自分のバーチャル煙草に火を点けてもらうことができる。SmuleのSonic Modem技術を利用すると、2台のiPhoneが音声を利用して情報をやりとりすることができる。(実際にビーと音を出して通信する)。つまりこのアプリを使うと、インターネット接続が利用できない状況でも情報交換が可能になる。Smuleではこの音声IPネットワーク技術を利用したElectric SmokeアプリをSmule Sonic Lighterのプロモーション用に無料で公開した。たしかにこの技術は面白いが、アプリ自体はそれほどでもない。Electric Smokeを起動すると、たいへん美しい画像で煙草が1本現れる。煙草に火を点けた後、煙がスクリーンに充満するので、ユーザーはiPhoneのマイクを使って煙草を吸い込むことができる。(タバコの煙を指で動かすこともできる)。このゲームはユーザーが煙草を1本吸うのにかかった時間を記録するので、息が切れるがそこそこ面白いゲームになってはいる。Electric Smokeは(半分以上冗談だろうが)ホンモノの煙草の代用だとしており、どのくらい金が節約になったか、どのくらい寿命が延びたか、など各種のトリビア情報を表示する。(オゾン層の保護にどれだけ貢献したかなんていう眉唾な情報も出てくる)。アプリを起動するたびに煙草の害を示すいろいろな統計が示されるのは、このアプリが喫煙を勧めていると誤解されるのを防ぐためだ。このアプリは喫煙の害に注意を促し、禁煙を助けるのが目的だ。CrunchBase InformationSmuleInformation provided by CrunchBase[原文へ](翻訳:Namekawa, U) ShowListings(“arc3″); ShowListings(“arc2″); AddClipsUrl = ‘http://jp.techcrunch.com/archives/20081219smule-shares-its-awesome-audio-technology-to-bring-cigarettes-to-your-iphone/’; AddClipsTitle = ‘Smule、革新的なオーディオ技術でiPhone用にバーチャル煙草アプリをローンチ’; AddClipsId = ‘2CBE02C952CFE’; AddClipsBcolor=’#78BE44′; AddClipsNcolor=’#D1E9C0′; AddClipsTcolor=’#666666′; AddClipsType=’1′; AddClipsVerticalAlign=’middle’; 前の投稿へ トラックバック [...]

  • http://innovation-seeds.com/?p=188 Techcrunch | イノベーションの種

    [...] 革新的なiPhoneデベロッパーのSmule、$3.9Mを調達 Smuleはわれわれのお気に入りのiPhoneデベロッパーだ。このチームは、Ocarina (iTunesリンク)のように、ばからしいほどシンプルなのに中毒性の高いアプリケーションを開発する能力が高いだけでなく、バーチャル・ライターの例でもわかるとおり 、iPhoneのネットワーク効果を最大限に利用するのにも長けている。今日(米国時間2/12)、SmuleはGranite Venturesがリードし、Bessemer VenturePartners、Maples Investments Jeffrey C. Smith(Smuleの共同ファウンダーでCEO)が参加したラウンドで$3.9M(390万ドル)を調達したことを発表した。 [...]