
「大きいパイほど苺はたくさん入る」―米政府機関「Copyright Royalty Board(CRB)」にはそうひとこと言いたい。
楽曲版権使用料のレートを審議するCRBの3人合議が明日(米国時間10/2)、向こう5年間のデジタル楽曲ダウンロード新料金体系を発表する。これは音楽出版社(各楽曲の事実上の版権所有者)の懐に入る版権料で、現在は1曲9セントに定められている。音楽出版社はこれを1曲15セントまで値上げしたい方針。アップルは、そんな新レートが適用されたらiTunes閉鎖やむなしな状況になっちゃうかもよ、とそれとなく脅しをかけている(はいはい、仰る通りで)。
アップルは今もデジタル楽曲ダウンロード市場の約85%をコントロールしているが、この版権使用料はAmazon、Rhapsody、MySpace Musicはじめ他の企業も拠出しなくてはならない。音楽出版社(アーティスト本人が兼業のことも多い)は自分たちの分け前が風化しないよう、ここでなるべく高いレートで鍵をかけてしまいたいのだ。一方、アップルとレコード会社は楽曲当たりの一律固定料金ではなく、収益に応じた歩合にすべきだと主張。アップルは収益の6%、レーベルは8%でどうかと提案している。 iTunesの場合、この歩合は今の1曲99セントの料金から捻出するので楽曲当たりの使用料は(それぞれ6セント、8セントで)減る計算になる。

表面上はアップルとレコード会社が弱い者(アーティスト、ソングライター、その他の音楽出版社)いじめしてるように見えるけど、このケースでは実のところアップルとレコード会社の言い分に理がある。オンライン楽曲は今や、Copyright Royalty Board(CRB)が定める版権使用料に手足がもがれた状態に陥っている(料金はダウンロードだけでなく、インターネットラジオのストリーミングにもかかる)。アップルは販売した1曲当たり70セントをレコード会社に払っている(その中から音楽出版社にも取り分が支払われる)。さらに6セント天引きできるほど大きなマージンは残っていないし、かと言って1曲$1.05にすると、これまた売上げに響くだろう。
それよりは収益分配(レベニューシェア)モデルに切り換える方が経済的にも納得で、デジタル楽曲販売ももっと独立運営の余裕が生まれるし、アーティストも業界と共存共栄できる。大きなパイから8%取る方が、小さなパイから9%取るより旨味は大きいのだ。
Copyright Royalty Board(CRB)は楽曲当たりいくらを音楽出版社の取り分にするか決めるよりも、音楽出版社が受け取る版権料の合計額を最大限確保する方向で努力すべき。収益分配モデルで行くしかないだろう。
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(翻訳:satomi)




