RealityVは元々軍用に開発された画期的な仮想現実技術による教育訓練システム
by Jason Kincaid on 2008年10月15日 append.gif この記事をBuzzurlにブックマークする

コンピュータゲームというと、World of Warcraftとか、Call of Dutyとか、Super Marioなど、現実世界から抜け出して空想の世界に連れてってくれるようなタイトルを思い浮かべる人が多いだろう。シミュレーションを名乗っているゲーム、たとえば未だに人気衰えないフットボールゲームMaddenなどでも、本物のスポーツの練習というより遊びが目的だ。

ところがIntelligence Gamingという開発スタジオは、“シリアス(な)ゲーム(serious gaming)”という珍しいタイプのゲームを作っている。それは、ユーザを楽しませるのではなく教育が目的のゲームだ。この会社は以前、合衆国海軍のためにゲームを作っていたが、今は陸軍と契約して仮想現実とムービーを組み合わせたような今までなかった種類のゲームを開発している。同社は、EffectiveUIという開発/設計会社と組んで、Adobeからもうすぐ出るFlash 10を使ったRealityVと呼ばれるテクノロジを作っている。それは一体何かというと、軍隊や保健医療の分野、小売業などいろんな分野と業界で教育訓練に革命をもたらす3Dの対話的シミュレーションだ。

RealityVとはまず、全周(360度)仮想スクリーンに映写されるムービーだ。仮想というのは、実際にユーザが見るのは昔の“仮想現実ゴーグル”のようなヘッドセットに映し出される映像だから。ユーザが体をぐるっと回すと、画面もそれに合わせて回る(ただし現状の技術で可能なのは回転の中心が一点のみ、ユーザがあっちこっち移動してはいけない)。ビデオの途中で、いろいろと素早い判断と対応が必要な難題が持ち上がる。それはまるで、話の今後の展開をユーザが選べるアドベンチャーゲームみたいだが、ただしお話の中にいるのはユーザ本人であり、ゲームに登場するキャラクタたちではない。RealityVはブラウザから使うこともできるが、その場合はこのような映像効果はない。

このテクノロジの最初のアプリケーションは”Immersive Cultural Simulation Product”(没入型文化シミュレーション製品)といって、イラクにおける文化の違いに兵士がどう対応すべきかを教育訓練する陸軍のためのゲームだ。兵士は、たくさんのイラク人に囲まれている。そしていろんなことが起きるたびにその場で即座に意思決定と行動をしなければならない。人びとの動作や表情に注意を払い、今誰に注目すべきか、次の瞬間に何か脅威が生じるとしたらそれは何か、などを判断しなければならない。最初のシーンでは、数人の兵士たちが小さな村の村長にチェックポイントを設営させてくれと頼む。このほか陸軍は、今イラクで実際に起きている3つの問題のゲーム化を発注している。



Intelligent Gamingの社長Steve WeylとEffectiveUIの社長Anthony Francoによれば、最初はふつうの3Dモデルを使ってシーンを構成することを考えたが、しかしそれでは人間の表情など細かい部分やその動きを捕捉できないことが分かった。そこで、その道のプロたちが作るビデオムービーに目をつけた。そのやり方のほうが、技術をサードパーティーにライセンスするときにやりやすいだろうという。

両社はRealityVの軍用以外の将来の開発について多くを語らない。しかしいろんな分野で役に立つことは分かっている。RealityVのヘッドセットを付けた医学部の学生は“外科手術大成功”というビデオに生出演するだろう。本物の手術なら彼は邪魔者だが、RealityVなら現実に起きることを仮想的に体験しつつ、誰の邪魔にもならない。小売りチェーンならこのシステムを使って、怒り狂ったお客さんへの対応の仕方を店員やパートの人に教えるだろう。同社は制作のテクノロジだけをあちこちにライセンスして、ゲームの実際の制作は各分野で自由にやってもらうという方式を予定している(従来の3Dゲームのモデルを使ったら、そういう基本技術と実装の“切り離し”は不可能)。

ここまで読んで、文章じゃちっとも分かんないと思った人は、記事の途中にあるビデオを見るか、あるいはここをクリックしてもっと長いのを見てください。

[原文へ]
(翻訳:hiwa)

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