
先週いろいろなことが分った。われわれが直面している不況はすでに1年前に始っていた。 テクノロジー系企業におけるレイオフにはいよいよドライブがかかってきた。(AT&Tで1万2000人、Adobeで600人、Real Networksで130人)。テクノロジー産業トータルでは、われわれの計算によると少なくとも9万人が職を失った。
Facebookでさえ、従業員に 株式の一部を個人的に売却することを許可するプランの無期限延期を決めたほどだ。Facebookが態度を急変させた理由は、おそらく、昨年のMicrosoftの$150億ドルの超インフレ評価額はおろか、Facebook自身によるそれよりずっと低い$4B(40億ドル)の会社評価額ベースでさえ、Facebook株を購入しようという外部の投資家がいなくなったことによるものだろう。
資金市場は枯渇しつつあり、現在のところ、改善の兆候が出る前にさらに悪化しそうな雲行きだ。スタートアップはすでに固く当て木をしてハッチを閉ざし(当然の措置だ)、嵐が過ぎるまでなんとか生き延びようと努力している。
では、ベンチャーキャピタルはどうなっているのか? ベンチャーキャピタルがレイオフを始めたり倒産したりするのは何時だろうか?
ある意味、それはもうすでに起きている。ベンチャーキャピタルのウェブサイトを見ると、パートナーの数が静かに減少しつつある。一部の新しいベンチャーファンドは資金調達が困難になっているし、既存のファンドでさえ、出資を約束したメンバーから実際に資金を引きだす際に問題が生じている。
ウォールストリートで起きた大惨事の影響が次第にベンチャーキャピタル各社にも及んできている。大学基金、年金ファンド、投資銀行、富裕な個人といったベンチャーキャピタルの有限責任パートナーの常連もキャッシュが回らなくなっている。ハーバード大学の基金はここ4ヶ月だけで$8B(80億ドル)の損失を出した。多くの有限責任パートナーはベンチャーキャピタルからの出資要求に応える力を失っている。(ベンチャーキャピタルがファンドを結成する際には、一度に出資金を集めることはせず、出資の約束だけを取り付けておくのが普通だ。実際に投資が行われる段階でパートナーに出資の要求が行われる)。
債務不履行に陥る不利益を避けるために、有限責任パートナーは自分の投資持ち分を大幅な割引価格で第三者に転売しようとしている。 逆に、ベンチャーキャピタル側も資金調達が困難になることを見越して、投資活動を減速している。
こうした流れは不況の間中続くことになるだろう。起業家はベンチャー投資が回復する時期をじっと待つことなる。
しかし、もしこの不況(あるいは下げ局面)が1、2より長く続くことになったらどうなるだろう? 起業家がベンチャーキャピタルとその有限責任パートナーが投資活動を再開するのを待っていられないと考えたら?
現在スタートアップは驚くほど安く設立することができる。(オープンソース・ソフトウェア、クラウド・コンピューティング、ウェブを通して世界中に散らばったバーチャル開発チームなどのおかげだ)。多くの起業家がベンチャー資金を全く必要とせずに利益を上げることに成功している。最近まで、そういう起業家も、手渡される資金はもちろん喜んで受け取っていた。しかしある種のスタートアップ、特にウェブ・サービスのスタートアップは、今後そういう資金なしでも事業を開始するようになるかもしれない。Y CombinatorのPaul Grahamは次のように論じている。
ベンチャーキャピタリストとスタートアップのファウンダーたちは、以前は固く結ばれていた。2000年頃、その結びつきは実は切断されたのだが、この2つの要素は同じ流れの中にあったために、あたかも依然として結合しているかのように見えていた。しかし実はこの2者は単にくっついて流れていただけなのだ。何か強いショックが加われば、両者はばらばらになる運命だった。現在の経済状況がそのショックになるかもしれない。
…現在の世代のファウンダーたちはベンチャーキャピタルから資金を集めようとしている―特にSequoiaがお気に入りだが、それはGoogleのLarryとSergeyがベンチャーキャピタル、特にSequoiaから資金を集めたからだそれにならおうとしているのだ。もし次のGoogleがベンチャー資金をいっさい使わずに大成功を収めたとしたら、ベンチャーキャピタル業界には深刻な影響が出るだろう。
ベンチャーキャピタルの数が減少すれば、Grahamのいう「両者の結びつきの解消」がより早く起きるかもしれない。
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(翻訳:Namekawa, U)




