ヨーロッパ人は2時間のランチを主張する―それではスタートアップはやってられない
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by Michael Arrington on 2008年12月15日 append.gif この記事をBuzzurlにブックマークする

私はこの記事をニュージャージーのニューアーク空港のホテルの部屋で書いている。パリですばらしい1週間を過ごして帰る途中だ。私は1700人の入場者を集めたLe Webカンファレンスに参加してきた。そういうわけで現在の気分は、時差でぼんやりしており、疲れでいささか機嫌が悪い。

この1週間の待遇は悪くなかった。飛行機はビジネスクラスで招待されたし、ホテルはパリでもベストの一つだった。それに2007年のLe Webに招待された後のすべて食事の中でトップに入るディナーを3度も食べた。その中の一つは私の最初のミシュラン3星体験となった5時間14品におよぶGuy Savoyレストランの昨夜のディナーで、私はいまだにすこしくらくらしている。われわれはプジョーで送り迎えされた。ヨーロッパはシリコンバレーよりずっとフォーマルなので、私は毎日スーツを着てカンファレンスに臨んだ。私としはかなり非日常な1週間だった。(ジーンズ姿で格安のJet Blueに乗り、Motel 6に泊まるというのが私の普段の出張だ)。

パリの生活はすばらしい。

カンファレンス自体もすばらしいコンテンツが豊富に揃っていた。会場設営に関してはあちこち報告された問題があった(実は会場では両日ともインターネットがまったくつながらず、おまけにえらく寒かった)。しかしその点を除けば、Le Webは成功だったといえるだろう。

アメリカ人として、私はここ数年ヨーロッパを訪問した中で、いちばん暖かい歓迎を受けた。オバマが大統領に当選したことが当地では大いに歓迎されていた。アメリカは魅力を取り戻していた。

しかし、起業家を集めたイベントであるにもかかわらず、ヨーロッパ人の意識の背景となるペシミズムはあいかわらず猛威を振るっていた演壇に上ったのはほとんどがアメリカ人で、不況のときこそ巨大な可能性が開けるのだということを力説していた―優秀な技術者を安く雇える。スタートアップの数が少なくなればメディアの扱いが大きくなる。マーケット自体はたしかに縮小するかもしれないが、ライバルの数が減少する有利さの方がずっと大きい。スタートアップにとっては今こそチャンスが訪れているのだ、等々。

Le Webの最後のセッションはGillmor Gangのライブだった。ビデオを近くアップする予定だが、とりあえず下のUstreamで見ることができる。最初から14分のあたりでヨーロッパ対シリコンバレーの議論が起きている。

カンファレンスの主催者、Loic Le Meur (フランスの起業家で、彼の最新のスタートアップ、Seesmicを運営するためにシリコンバレーに移住してきた)は、シリコンバレーは夢中で働きすぎだと述べた。ヨーロッパ人は生活の楽しみを求めてランチに2時間はかけるというのだ。

それに対する私の答えは17:40あたりにある。私はこう述べた。「生活の楽しみはけっこうだ。しかしランチに2時間もかけてすばらしいワインを1、2本飲んで、本気の競争を避け、勝ち抜こうという精神に欠けるのが一般的なことが、インターネット関連の有力な公開企業がすべてアメリカに本拠を置いている理由だ。ヨーロッパで誕生したスタートアップが無事に文化と税制のハードルを乗り越えて成功を収めても、すぐにアメリカ企業に呑み込まれてしまうのもそれが理由だ。Skype(eBayが買収)、MySQL(Sunが買収)が最近の例だ」。

会場からは野次られたが、現実は動かしがたい。それに壇上にいたパネリストの全員がアメリカ人ないしアメリカ居住者である事実が、生活と仕事の健康的なバランスをとっていてはスタートアップで成功するのが難しいことを暗示していた。持てる能力を120%発揮することを要求する過酷なものだということに気付かずに起業家という生き方を選択する人間が余りに多い。絶対に成功してみせるという気概がないのなら、5週間も夏のバカンスがもらえる結構な定職を捨てるべきではないのだ。

2時間のランチは楽しい。しかし起業家は投資家と従業員(そして、その家族)に責任がある。何かを犠牲にしなければならない。ヨーロッパでもっとも仕事熱心で、もっとも成功した起業家の多くがシリコンバレーに移住してくるのはそれが理由だろう。こちらに来ればそういう働き者の仲間が大勢見つかる。

このパネルは、ヨーロッパの文化がもっと起業家に理解あるものになるようさらに強く主張すべきだったと思う。厳しい戦いを強いられている当地の起業家に対して、耳に快い話だけしても役には立たない。生活の楽しみというのは、スタートアップを無事に売却して南仏に別荘でも建ててからの話だ。それまでは仕事第一だ。来年のLeWebでは多くのヨーロッパの起業家が登場して、ヨーロッパ文化に打ち勝ってスタートアップを成功させたと世界に告げることができるようになることを期待する。

アップデート:Le Meuは私が以上のような見解を述べたことに腹を立てて、私が来年も招待されるべきだと思うかという読者アンケートをブログで行った。私の回答はここに

[原文へ]

(翻訳:Namekawa, U)

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