Le Web conferenceとその主催者であるLoic Le Meurと私の意見の相違についてはさておき、このイベントで起きた別の問題について書こうと思う。インターネット接続が完全に途絶えたこと。両日とも。
優れたカンファレンスでは、インターネット接続を少なくとも3本用意する。一つが来場者用で、wifiと物理的に可能な限りのイーサーネットケーブルを揃える。ステージ用には別のイーサーネット接続を確保してデモがスムーズにできるようにする。そして、ブロガーや記者たちが、仮に聴衆用の接続が切れたときでもレポートを送れるよう、プレスルーム用にも1本確保しておく(それとは別に、プレスルームではステージの実況中継をするべきで、そうすれば記者がそこからリアルタイムでイベントをレポートできる)。イベントのライブストリーミング中継用には、第4の接続を専用に用意すべきだ(Le WebではUstreamが行っていた)。
Le WebはSwisscomに、超高速インターネットを確保するために10万ユーロを支払ったが、インターネットは繋がらなかった。聴衆にも、ステージにも、プレスルームにも。Ustreamの接続は50%で重要な記録の一部が失われた。
1日目は全滅で、私は日半ばにしてホテルに戻って仕事をした。2日目には、ある程度繋がったという話を何人かから聞いたが、私はイベントが終るまでネットに繋ぐことはできなかった。
Le Meurは来場者に謝罪した。しかし実際彼にできることは何ひとつなかった。Swisscomにインターネットアクセスの面倒をみるよう委託し、Swisscomがそのサービスを提供できなかったのだ。イベントが始まった後、Le Meurにできることは、Swisscomに事態を正すよう頼むことだけだった。Swisscomは正さなかった。
われわれもTechCrunch50で同じ問題があった(1日目にインターネットが全滅した、ただしステージのネットは繋がっていた)。インターネットプロバイダーとは示談の末、公の場で非難しないことに同意したのでサービス名は書かない。しかし、ここには二度と仕事は頼まない。
今回の件もこのまま忘れて書くつもりはなかった。しかし、Swisscomは今日、素直に謝罪するどころか、この問題を否定した(英訳版はこちら)。
Swisscomの広報担当Sepp Huberは、ユーザーおよび主催者による高い要求を満たすことができなかったと語った。現在Swisscomが原因を分析している。ただしHuberは、接続状況について報じられていることとは異なり、2日間のイベント全体の80%は接続が確保され、第2日には、ほぼ完全に動いていたことを強調した。
これは、素直に言って嘘である。全くの完全なでっち上げだ。そして、イベントに参加してそれを証明できる人たちが1700人いる(例えばここにも)。イベント期間中の接続は無く、私はカンファレンス会場からもプレスルームからも、一言もブログに書き込みができなかった。80%のカバー率ではなかった。「ほぼ完全に動いた」ことなど一切なかった。何ひとつまともに動かなかった。
あからさまな作り話でメディア側を操作する一方で、SwisscomはLe Webと金額交渉に入ることになる。費用の一部は前払いだったに違いない。Le Webの残る支払いについては値引き交渉されるだろう。
しかし問題は10万ユーロだけではない。Swisscomのとった行動は、Le Webに大きな損害を与えた。スポンサーや発表者たちも、ステージでコンテンツを見せることができずに損害を被り、プレス関係者は記事を送ることができなかった。スポンサー料を払わないところがでてきても不思議ではない。
理想的には、SwisscomはLe Webに対して、請求していた額の10倍を払ってすべてを丸く収めるべきだ。しかし、SwisscomはLe Webとの契約書の中に標準的な免責条項を入れていただろうと思う。が、それも万全ではない。著しく怠慢な行為があれば、そして今回まさにそれが起きたのだが、免責条項は無効になる。ただし、そのためには弁護士を雇い、法廷に出なければならず、そんな悪夢を起こしそうにない。
これは、われわれがTechCrunchについても深く考えなくてはならないことだ。カンファレンスのネット接続が悪いことがあまりにも多く、来年のTechCrunch50では完壁を期す必要がある。大企業がこれをキチンとやり、カンファレンスの主催者に対して保証を行うつもりがあれば、一大ビジネスになる。参加者にまともなインターネットを提供するために20万ユーロが必要なのであれば、Loicは払っていたに違いない。信頼性が高いという評判を取り、料金の5倍なりの賠償条項を付けて評判を高めるつもりがあれば、あらゆるカンファレンスがその会社に依頼するのではないだろうか。
[原文へ]
(翻訳:Nob Takahashi)




