炭鉱のカナリア:NYタイムズのオンライン広告が初めて減る
by Erick Schonfeld on 2008年12月25日

もっと広い範囲のネット広告に押し寄せるトレンドの前触れだろうか。ニューヨークタイムズは今日(米国時間12/24)、11月の広告総収入が3.8%のマイナスになったことを明らかにした。メディア企業全体で見ても広告総収入は21.2%のマイナスだが、そのほとんどは印刷広告である。ニューヨークタイムズは月次ベースで決算報告を開示しているが、ネット広告売上げの減少を報告したのは今回が初めて(11月までの今年の通年ネット広告収入は依然11.6%のプラス)。

NYT傘下のデジタル媒体はNYTimes.com、Boston.com、About.comなどで、11月はユニークビジター4700万人を引き寄せている。全部合わせるとここはウェブで16番目に大きなサイトだ(ソース:comScore)。今年第3四半期にはウェブ最大手各社のオンライン広告もゼロ成長が確認されている。

が、アナリストの大半が今問題にしているのは減速がどれほど規模のものかであって、オンライン広告売上が他の種別の広告のような下降を辿るかどうかではない。BarclaysのアナリストDoug Anmuthはこのほど、2009年ネット広告売上成長率を17%から6%に下方修正した。それでもまだ楽観的に過ぎる嫌いもあるが。

とは言え、もっと数値が揃わないと、これだけの材料で第4四半期や来年の動向を結論付けるのはまだ早い。NYTは広告市場全体の状況を占う指標として完璧ではないし。今回の減少をもたらしたのは、オンラインのクラシファイド広告、特に求人・不動産の三行広告の落ち込みである。 明るい面に目を向けると、同社のニュースサイトのディスプレイ広告はこの11月、むしろ増加が確認されているのだ。従って他のディスプレイ広告の広告主には希望もある。

NYTimes.comのサイト単独でcomScoreが出した11月期統計を見ると、米国内ユニークビジター数は1300万人で横ばい、ページビューは15%下がって1億4700万件とある(以下チャート参照)。多くのメディアサイト同様、NYTも今は、大統領選“後”のうつ状態に悩まされているようだ。

(写真クレジット:matticgn

*炭鉱のカナリア: 探知機がない時代、炭鉱夫はロウソクや小鳥を坑内に持ち込み、火が消えたりカナリアが動かなくなれば有毒ガス充満の前兆と考え退避した(参考)。凶兆。

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(翻訳:satomi)

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20081225pew-survey-confirms-what-we-all-know-net-beats-newspapers-as-a-source-for-news/ Pewの調査が予想を追認。人々のニュースソースは新聞よりもインターネット

    [...] ニューヨークタイムズだけを考えても、合計するとウェブ界で16番目の規模となるサイト群を運営している。ただし、この規模もオンライン広告分野ではうまく機能していない様子ではある。インターネット上のニュース提供者として新聞各社が大きな地位を占めているとしても、ここでは従来のような印刷広告による収入を期待することができない。しかし新聞が読むに値する記事を提供するなら(そしてこれにともなってビジネスモデルの変革を行っていけば)、人々は新聞社からのニュースを期待し続けることになるだろう。ただしそれらニュースは、新聞紙面ではなくブラウザで読まれることになる。 [...]

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20090128the-canary-at-the-new-york-times-grows-louder-as-internet-advertising-keeps-dropping/ ニューヨークタイムズのインターネット広告収入はさらなる減少。炭坑のカナリアは囀りを忘れた

    [...] ニューヨークタイムズ社は昨年11月にインターネット広告収入が初めて減少したことを報じた(3.8%減少した)。TechCrunchではこれを炭坑のカナリアとして記事にした。12月にも事態は悪化。インターネットからの広告収入はさらに12.7%の大幅減少となった(四半期データに加えて月毎の財務データも公開している。但しニューヨークタイムズ社は悪化する財務状況についてネガティブな情報を立て続けに流すことに辟易し、今後は月毎のデータを非公開とすると発表した)。 [...]