人気の名著Founders At WorkにHotmailのファウンダの事実に反する発言があった
by Jason Kincaid on 2009年2月24日

2007年に、Y Combinatorの協同ファウンダJessica LivingstonFounders at Work: Stories of Startups’ Early Daysという本を書いたが、その中にシリコンバレーのもっとも注目すべき成功者30名あまりのインタビュー記事がある。その中の一人がHotmailのファウンダの一人であるSabeer Bhatiaだ。Bhatiaは彼のWebメールスタートアップのための資金調達の苦労と、その後のMicrosoftによる$400M(4億ドル)という巨額の買収について詳しく語っている。

そのインタビューの中でBhatiaは、初期段階のベンチャーファンドであるDraper Fisher Jurvetson(DFJ)を強く非難している。DFJは、ほかのVCたちをマメに説得して彼の会社に投資しないよう工作したという(結果、Hotmailの創業資金の出資者はDFJだけとなる)。彼はまた、各メッセージの末尾にある、新規ユーザを‘口コミ的’に増やすためのタグラインはDFJのTim DraperではなくHotmailの協同ファウンダJack Smithのアイデアだと言っている。そして今日(米国時間2/23)Livingstonは、自分のブログで、Bhatiaの発言の一部は正しくないと主張している:

Founders at Workの中のインタビュー記事でSabeer Bhatiaが言っていることの一部が正しくないことを示す証拠を昨日入手した。その証拠によれば、(a)メールの末尾にHotmailの広告を入れるのはJack SmithではなくTim Draperのアイデアであり、(b)DFJは投資に関心を持っているVCたちに対してHormailをけなすような発言をしたことはない。

この訂正は、いくつかの理由で注目に値する。Founders At Workは全国的なベストセラーではないが、スタートアップの世界では広く読まれている本だ(Amazonの’High-Tech’部門で現在2位だ)。だからBhatiaの発言がDFJに不利な影響を与えたこともありえる。シリコンバレーは狭くて混み合った世界だから、VCにとって評判はとても重要であり、10年以上も前のことでもうかつな非難はダメージになりえる。のちのHotmailの大成功にTim Draperのアイデアも貢献していたという事実は、投資家の役目は金だけだという神話を駆逐するだろう。当然ながら、良質な投資家は、多くの場合、良質な経営アイデアの提供者でもあるのだ。

Bhatiaの発言が正しくないという証拠を、Livingstonは一般に公開できないようだが、自分のブログにはっきり書いたということはかなりの説得力がある(著者自身による訂正には重みがある)。またBhatia自身も、以前、改版時にはその発言の部分を削除してくれと申し出たようだ(正しくないとは言わなかった)。彼もやはり、ずっと気にしていたのだ。ある掲示板にLivingstonはこう書いている:

Sabeerは出版の前に自分のインタビュー記事を校閲して承認したが、出版後に、改版時にはその部分を削除してくれと求めた。言ってることが真実ではないとは明言せず、ただ、世間の心証を害するからと言った(インタビュー記事からここを削れあそこを削れと言う人は多いが、それは激しい論議を招くのがいやだったり、秘密事項だったりするからで、言ったことがうそだからではない)。でも今回、彼の発言が事実と異なるという証拠を入手したのだから、それは直ちに発表すべきだと思う。

ほかの人たちのインタビュー記事には、私の知るかぎり、事実と異なる発言はない。

BhatiaはHotmailを去ったあとも、 Live Documentsをはじめ、数多くのベンチャー事業を手がけている。LiveDocumentsはオンラインのMicrosoft Officeクローンだが、経営的にはまだ芽が出ていないようだ。

〔同書は2008年秋にPaul Grahamのインタビューを新規に含めてペーパーバック版(初版はハードカバー)が出ている。その中でBhatiaの問題の発言は削除されていないらしい(訳者未確認)。〕

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(翻訳:hiwa)