弁護士というものは、何かを禁止しようと試みた瞬間にそれがよりいっそう注目を集めるようになるという事実がどうしても理解できないらしい。ロンドンに本拠を置くBarclays銀行に関する今回の件はまさにその典型だ。この1週間、同銀行は総額$16B(160億ドル)にも上る巧妙な租税回避システムについて詳しく説明しているとされる内部文書の公開を差し止めようとして、同じく英国の新聞、Guardianを相手取って、法廷闘争を繰り広げてきた。
先週の水曜、英国の裁判所は午前2時に緊急開廷して、同文書の公開を一時差し止めることを認め、Guardianに問題の文書をウェブサイトから削除する命じた。Guardianは昨日(米国時間3/20)、命令に従って文書を削除した。また昨日、この命令に対する異議は却下された。
しかし、もちろん、文書はインターネット中に出回っている。だからすでに秘密でも何でもない。しかし、それを読むなと命じられている以上、その内容に大いに興味が湧く。
削除命令が出された時点では、文書への訪問者はわずか127人だった。しかし命令が出て2日後、この文書の掲載を続けたサイト、Wikileaksはトラフィックが殺到してパンクしてしまった。そこでわれわれもこの文書を公開することにする。
7通の文書は、主として英国から企業利益を税率の低い国へ秘かに移転しようとしてBarclays銀行が複雑な金融ネットワークを利用して作り上げた巧妙な仕組みが詳細に説明されている。文書の一部は英国の税務当局に対して開示されている。しかし、このシステムの合法性に疑いが生じた場合についての法律的助言は、開示の前に削除されている。2007年に策定されたProjectKnightと呼ばれるシステムは、アメリカに加えてケイマン諸島やルクセンブルグなどのオフショア金融機関を通じて$16B(160億ドル)もの借款を偽装することで課税を回避しようとしたものだ。
TechCrunchがなぜこの文書を公開するのかといえば、私はGuardianのAlan Rusbridger編集長の意見に同意するからだ。 Rusbridgerは、英国の裁判所が作った今回のような前例は公衆の言論の自由に対して萎縮効果をもたらすと主張している〔下記英文〕。法廷は、報道機関の役割は、まさにこのような文書を発見し、暴露することにあることを理解すべきだ。一方、報道機関に猿ぐつわを噛ませようと試みるのは、その情報を世界に広めるためにもっとも効果的な方法である。何事にせよ、本気で支持するのではあれば、その相手と肩を並べて直接協力して戦うべきだと私は信じている。傍観していて、同じ災いが自分の上に降りかかってきてから文句を言っても遅いのだ。
The Guardian’s editor, Alan Rusbridger, told the court in a witness statement: “I considered these documents to be of the highest significance in the debate about tax avoidance. They revealed at first hand the processes involved in structuring extremely complex and artificial tax avoidance vehicles; how lawyers and accountants worked together to exploit loopholes in government legislation; and the degree to which they are sanctioned at the highest levels within Barclays.
“My decision was taken on the day the chancellor, Alastair Darling, intervened in the debate on this issue, telling parliament: ‘I have asked HM Revenue & Customs to publish shortly a draft code of practice on taxation for the banking sector – so that banks will comply not just with the letter but the spirit of the law.’ ”
The Rusbridger statement quoted one reader’s online posting yesterday, which said: “I was lucky enough to read through the first of the Barclays documents at 1:30am last night. I will say it was absolutely breathtaking, extraordinary. The depth of deceit, connivance and deliberate, artificial avoidance stunned me.”
Rusbridger said: “This incipient debate has been choked off – doubtless intentionally – by the injunction from Barclays, thus chilling free expression on a matter of public importance.”
問題の7通の文書は下記のとおり。
BarclaysLux
BarclaysKnight
BarclaysValiha
BarclaysBrazil
BarclaysBerry
BarclaysFaber
BarclaysBrontos
[原文へ]
(翻訳:Namekawa, U)
