Web上のニュース警察になろうとするA.P.とその背後の問題点
by Erick Schonfeld on 2009年4月7日

インターネット上の多様なニュースソースに押されて、負けそうになっている通信社というビジネス(ニュースを配信するビジネス)を抱えるAssociated Pressが今日(米国時間4/6)、Webの監視を開始し、”オンラインで配布されているコンテンツを調べてその合法性をチェックするシステムを開発する”と発表した。A.P.通信はどうやら、今や落ち目の新聞業界のRIAA〔日本ならJASRAC〕になって、情報の海賊行為を捜し出し、Google金(古いメディアがGoogle–など–から常習的にせしめる著作権料)を出さなければ訴えるぞと脅すのだ。

A.P.のコンテンツの定義は広い。スパムブログによる記事のまるまるコピーだけでなく、見出しの無断使用も含まれる(リンクがあってもだめ)。同社の方針は公正使用という考え方をほとんど無視している。著作権侵害を正当に訴えられるような場合でも、古くさいねじ曲がった法理論を駆使してやっとそれを立証、ということもある。A.P.の考え方はあまりにも遅れているので、TechCrunchでは同社の記事へのリンクをすべて禁じている。

そして今度は同社は、Web全体をチェックして同社の記事の無断使用を見つけるというのだ。同社の無断使用の概念は法廷では通用しないが、その点はしばらく忘れよう。A.P.は、権利侵害者かもしれないリソースをたまたま指している検索エンジンやニュース集約サイト(news aggregator)まで追い回すと言うのだ。

では一体、A.P.はどうやってインターネットを監視しようというのか? いくつかの事実と情報から、だいたいの見当はつく。A.P.はすでに、Attributorとの提携により、Web上における同社の記事や写真の全利用や部分利用を監視している。Attributorというスタートアップは、Webをインデクシングして、デジタル指紋のあるコンテンツならなんでも見つけるサービスを提供している。Attributorが悪者たちを見つけたら、A.P.はそのリストを悪者サイトへのリンクのあるGoogleなどのサイトに渡して、しかるべき対処を求める。対処とは、リンクをA.P.が認可しているサイトにリダイレクトする、悪者サイトのAdSenseなどの広告収入の一部を請求するなど、いろいろだ。

Googleはこんな要求を飲むだろうか? それでA.P.とRupert Murdochの気が済むなら、そして著作権侵害が実際にあったらしいと思えるなら、飲むかもしれない。しかし本当の問題は、この決定が法廷ではなく、GoogleとA.P.の二者間で決められることだ。一方のA.P.は、すでに自ら証明しているように、自分のためなら公正利用と権利侵害を区別しない、まともではない企業だ。そしてGoogleは、著作権侵害の主張があるとさっさとそのコンテンツを取り下げて、そのあとでいろいろ質問をする。〔どっちの態度も法的にはまともではない。〕

[原文へ]

(翻訳:hiwa)

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20090407that-whining-sound-you-hear-is-the-death-wheeze-of-newspapers/ 聞こえてくるあの泣き言は、新聞の死のあえぎ

    [...] 最近新聞業界から、ウェブがコンテンツを「盗んで」オレたちのビジネスをぶち壊している、という雑音が聞こえてくる。新聞記者たちは相も変わらず、インクに汚れた指でブログをさしては、「寄生虫」以外の何者でもないと言ってみたり、Googleに対しては、貴重な新聞記事の大型窃盗団を手伝い手引きしていると指摘する。ウォールストリート・ジャーナルをはじめとする一流(およびそうでもない)出版物のオーナーであるRupert Murdochが最近、業界はこれ以上Googleに「著作権の侵害」をさせてはならない、と警告した。そして昨日(米国時間4/6)、AP通信社はインターネットに対して全面戦争を宣告した。 [...]

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20090408ap-exec-doesnt-know-it-has-a-youtube-channel-threatens-affiliate-for-embedding-videos/ A.P.にはYouTubeのチャネルがあるのに役員は知らないl: ビデオを埋め込んだアフィリエイトを脅迫

    [...] またA.P.の名が歴史に刻まれる。新聞業界のRIAAになりたい同社の役員と弁護士たちは、今の音楽業界にも負けないおばかさんぶりを発揮し始めた。テネシー州のカントリーミュージックのインターネットラジオサイトWTNQ-FMが、A.P.のアフィリエイト担当副社長から、A.P.の公式のYoutubeチャネルからのビデオの掲載に対して停止命令を食らった。 [...]

  • http://blog.livedoor.jp/akaikeita/archives/805303.html 鶏口となるも牛後となるなかれ

    Google CEO、「新聞社は読者をあまり怒らせない方がいい」と忠告…

     スラッシュドット・ジャパンによるとGoogle CEOのEric Schmidt氏は『サーチエンジンや情報集積サイトがニュースサイトの情報を「不当に使用している」という主張に対し』だいぶ不快感を…

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20100111google-news-pulls-ap/ Fox流交渉術:Google News、契約更改を前にAPのコンテンツを掲載停止

    [...] Press(AP)は、昨年の大部分を通じてGoogleに対して公開の場で批判し、脅しをかける一方で、Google [...]