気を付けろGoogle、オバマの反トラスト局長が見せしめにしようとしているぞ
by Erick Schonfeld on 2009年5月12日

オバマ政権のChristine Varney新司法省反トラスト局長が、米国大企業に対してこれまで以上に積極的に反トラスト法を適用する意向であることを明らかにした。ブッシュ政権は反トラスト法に無干渉の方針をとってきたが、これが変わることになる。Varneyが名を成すためには注目を集める事例が必要なので、狙っているのがGoogleであることは衆目の一致するところだ。要するに彼女に必要なのは、強大な「捕食者」企業の事例を作ることで、この不況のさなかそんな強大企業の選択肢は多くない。

反トラスト問題におけるGoogleは、文字通り「新マイクロソフト」だ(もっともマイクロソフト自身も未だに監視下にあり、少なくともヨーロッパではインテルも同様だ)。ブッシュの司法省管理下時代でさえ、Googleは昨年、反トラスト問題のためにYahooとの広告提携契約を断念せざるを得なかった。現在Googleは、書籍デジタル化の和解の件で反トラスト監査を受けており、新聞雑誌業界は騒ぎたて、インターネットにかき回されている業界という業界が、徒党を組んでGoogleを目の敵にしている。Varneyは、このアンチGoogle運動がまちがいなく大きく育つように、反トラスト法の標的になりうるあらゆる企業の競合会社に対して、もっと不満を提出するよう促すつもりだ。

Googleはすばらしくおいしい標的であるとともに、莫大な罰金を払える現金が手元にある数少ない企業だ。Googleは相当慎重に行動する必要がある。現在同社は、有償検索広告での圧倒的支配によって他の市場にも破壊的価格モデル(=無料)をひっさげて自由に参入できることから、事実上独占企業として扱われている。Googleに対して反トラスト法で立権する方法はいくつもある(これが一例)。監視を強めることは、特に検索と検索広告で自然独占状態を築きつつある分野では、それでGoogleを公正でいさせることができるなら悪いことではないが、反トラスト裁判でGoogleを縛ることは益よりも害が多くなりかねない。

反トラストの摘発は、消費者の不利益や略奪的価格設定が明らかな場合に限るべきであり、Googleがライバルを打ち負かしているというだけの理由でするべきではない。反トラスト裁判の問題は、特にテクノロジーのように動きの早い分野では、法廷で時間がかかりすぎた結果、裁定が下された時には市場が変わってしまっていることだ(マイクロソフトを見よ)。独占企業を弱体化させることにかけて、市場はいつでも司法省よりいい仕事をする。Varneyは、農業や医療、エネルギーなどもっと硬直化して刷新の必要な業界に目を向けた方が国のためになるだろう。テクノロジー業界では、現状を打破することだけが生き残る術だ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)

  • http://makoto.is.ideaful.net/reading-books/the-google-story.html My Life is Ideaful! – Above all, try everything. » Blog Archive » 『Google誕生 ガレージで生まれたサーチ・モンスター』

    [...] Google。もはやインフラ化してしまった感のある検索エンジン。 「この情報を知りたい」という我々の欲望をいとも簡単に提供してくれるGoogleのスタートアップから株式公開までの歴史に焦点を絞って、本書を読みました。 『世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする』という設立当初からの使命を愚直なまでに追求し、自分たちが正しいと信じる道を貫くことの厳しさ・楽しさ・尊さ全てがこの本の中に詰まっていました。 このGoogleの成功は、「他を寄せ付けない圧倒的な技術優位性」「ビジネスモデル」「シリコンバレーの開放的かつ柔軟な協力文化」、そして「運」だと自分なりに分析しています。 Sergey BrinとLarry Pageの2人がStanfordのキャンパスで出会う奇跡から始まり、「検索」という行為が事業として成立可能だと気付かずイマイチの検索エンジンを提供していた競合他社の存在、その比較対象としてのGoogleの登場、ITバブルが弾け切った後の加速的普及、Danny Sullivanとの継続的な関係、Eric Schmidtとの邂逅、例を挙げればキリがありませんが、Googleは神に祝福されているとしか思えないのは俺だけではないでしょう。Googleの性能が良かったから我々の生活にWeb Searchが組み込まれたのか、潜在的に「検索」という行為を求めていた所にGoogleがタイミングよく現れたのか、どちらのシナリオが正しいのかは分かりませんが、『Googleが10兆円の時価総額を叩き出している』という現状から目を背けると、あっと言う間にGoogleの本質が見えなくなってしまうことでしょう。その技術やビジネスモデルといった物質的な優位性だけでなく、高いブランド価値で人の心も掌握し、神に愛されるかの如く”時間”を制したGoogle。巨大化し過ぎてMicrosoftの二の舞として反トラスト法担当局に目を付けられたり、地元シリコンバレーの技術者からやっかみを受け出したりしていますが、確固たる使命の飽くなき追求のためにこれからも突っ走っていってほしいですね。 [...]

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20090603once-again-the-justice-department-is-confused-tech-companies-steal-employees-from-each-other-every-day/ 司法省、またもご乱心。テク企業は毎日が引き抜き合戦

    [...] またやってくれた。米国司法省反トラスト局長のChristine Varneyは、テク系企業が悪行を犯していると確信し、厳しく追及するよう部下たちを駆り立てている。彼女は既にGoogleに対しては、自分が目をつけていることを宣告している。しかし司法省はこのたび、Apple、Yahoo、Googleらの巨大テク企業が共謀して「お互いに積極的な従業員引き抜きを行わない」ことに同意しているらしい、という噂を調査しようとしている。NYTが伝えた。 [...]

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20090603once-again-the-justice-department-is-confused-tech-companies-steal-employees-from-each-other-every-day/ 司法省、またもご乱心。テク企業は毎日が引き抜き合戦

    [...] またやってくれた。米国司法省反トラスト局長のChristine Varneyは、テク系企業が悪行を犯していると確信し、厳しく追及するよう部下たちを駆り立てている。彼女は既にGoogleに対しては、自分が目をつけていることを宣告している。しかし司法省はこのたび、Apple、Yahoo、Googleらの巨大テク企業が共謀して「お互いに積極的な従業員引き抜きを行わない」ことに同意しているらしい、という噂を調査しようとしている。NYTが伝えた。 [...]

  • http://life.is.ideaful.net/reading-books/the-real-story-of-google.html 言わばご機嫌なスタンフォード留学準備日誌 » Blog Archive » 【書評】『Google誕生 ガレージで生まれたサーチ・モンスター』

    [...] Google。もはやインフラ化してしまった感のある検索エンジン。 「この情報を知りたい」という我々の欲望をいとも簡単に提供してくれるGoogleのスタートアップから株式公開までの歴史に焦点を絞って、本書を読みました。 『世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする』という設立当初からの使命を愚直なまでに追求し、自分たちが正しいと信じる道を貫くことの厳しさ・楽しさ・尊さ全てがこの本の中に詰まっていました。 このGoogleの成功は、「他を寄せ付けない圧倒的な技術優位性」「ビジネスモデル」「シリコンバレーの開放的かつ柔軟な協力文化」、そして「運」だと自分なりに分析しています。 Sergey BrinとLarry Pageの2人がStanfordのキャンパスで出会う奇跡から始まり、「検索」という行為が事業として成立可能だと気付かずイマイチの検索エンジンを提供していた競合他社の存在、その比較対象としてのGoogleの登場、ITバブルが弾け切った後の加速的普及、Danny Sullivanとの継続的な関係、Eric Schmidtとの邂逅、例を挙げればキリがありませんが、Googleは神に祝福されているとしか思えないのは自分だけではないでしょう。 また、BrinとPageがとことんGoogleの性能向上に専念できたのは、このビジネスに失敗してもStanfordに戻って研究すればいいやといった精神的余裕があったからこそだと思います。『高いレベルのセーフティネット』を持っていたからこそ、安心して自分の信じた道を追求できたというのは間違いではないはずです。 とにかく、Googleの性能が良かったから我々の生活にWeb Searchが組み込まれたのか、潜在的に「検索」という行為を求めていた所にGoogleがタイミングよく現れたのか、どちらのシナリオが正しいのかは分かりませんが、『Googleが10兆円の時価総額を叩き出している』という現状から目を背けると、あっと言う間にGoogleの本質が見えなくなってしまうことでしょう。その技術やビジネスモデルといった物質的な優位性だけでなく、高いブランド価値で人の心も掌握し、神に愛されるかの如く”時間”を制したGoogle。巨大化し過ぎてMicrosoftの二の舞として反トラスト法担当局に目を付けられたり、地元シリコンバレーのインサイダーたちからやっかみを受け出したりしていますが、市場経済の競争原理の中で正のスパイラルを生み出しつつ、確固たる使命の飽くなき追求のためにこれからも突っ走っていってほしいですね。 [...]

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20100429google-admob-apple-antitrust/ FTCはGoogleのAdMob買収を阻止する前にAppleのiPhoneライセンス規約を読むべきだ–独占ってどっちのこと?

    [...] Federal Trade Commission(連邦取引委員会, FTC)は、GoogleがAdMobを$750M(7億5000万ドル)で買うという申請を、どうやら本当に却下するらしい。この買収が独禁法違反にあたるという裁定は、出るとしたら数週間後に出ると思われるが、しかしFTCは、その前に、AppleのiPhoneデベロッパに対する新たなライセンス条項を調べたほうがいいだろう。私がGoogleの弁護士なら、それを、AdMobとGoogleがことモバイル広告に関してはほとんど市場支配力を持たないことの、最強の証拠として提出するだろう。 [...]

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20101120apple-antitrust/ Appleのクローズド戦略が反トラスト法問題に陥る理由

    [...] 反トラスト問題の注目は長い間Googleに向けられてきたが、本来その動向を注視すべき会社はAppleだ。1980年代初めにAppleのSteve Jobsは、Apple当初のオープンデザインを捨て、「クローズド」― あるいは同社が好む「統合的」― 手法によるコンピューターやエンターテイメントの提供を推進し始めた。この事実はどのAppleユーザーにとっても馴じみがある。Apple製品のデザインで最重視されるのは、人間、他のApple製品、そしてずっと離れた3番目が他社である。Appleシステムは「外部アタッチメント」を受け入れることもあるが、決して歓迎されたことがない。 [...]