Appleが忘れているミュージックストア
by Jason Kincaid on 2009年5月18日 append.gif この記事をBuzzurlにブックマークする

今年1月、AppleがiLifeの最新版を発売した。Macを買うとついてくる評判のいいマルチメディアスイートだ。当時メディアの注目は殆どがiPhotoとiMovieに向けられていた。それぞれ優れた顔認識とビデオのブレ補正という新機能があったからだ。しかし、私が心を奪われたのは、Appleの音楽編集ソフトに組み込まれたバーチャルマーケットプレース、GarageBand Lesson Storeだった。そこでは、曲を書いたアーティスト本人が教える歌のレッスンを受けることができて、スティングやジョン・フォガティーといった著名ミュージシャンも名を連ねていた。レッスン用プラットホームも非常によくできていたので、私はこのLesson StoreがAppleのデジタル音楽に起こす次の革命だと思った。

少々熱中しすぎだろうか。そうかもしれない。しかし、かなりの数のレッスンプログラムやビデオを試してみたところ、GarageBankのレッスンにはかなり可能性があると感じた。1曲$5という値段で、Appleの他の店に比べてほんのわずかな売上しかなかったとしても(多分そうだろう)、レッスンの販売だけからでもかなりの収益が見込める。

おそらくもっと重要なのは、少なくともAppleにとって、しっかりしたレッスン教室が、Macの販売促進のために理想的なマーケティング手段になることだろう。ジョン・メイヤーやエリック・クラプトンがギターを鳴らして30秒間叫び続けるところを想像してほしい。最後に「ぼくみたいに弾いてみたいかい?」と締めくくる。たしかに、いくつもレッスンを受ける人は殆どいないだろうが(そもそも楽器を習うのは楽ではない)、こんなレッスンを〈受けられる〉ということを知るだけでも、パソコンの売上げに貢献するはずだ。



残念なのは、1月のスタート以来AppleがこのLesson Storeに殆どかまっていないことだ。開始当初、「基本レッスン」が18コース(ギターとピアノが9コースずつ)と、ミュージシャンが自分の曲を演奏のしかたを見せる「アーティストレッスン」が10コースあった。始めとしては悪くないコレクションだったが、網羅しているとはとても言えない。それでも可能性は秘めていた。Appleには、メジャーなアーティストを呼ぶだけの影響力があるのだから、頻繁に更新されるものだろうと思っていた。

ところがそうではなかった。1月以来更新はただ1回だけで、なんと新しいアーティス・レッスンが3本増えて、合計13種類になった。音楽の好みの広さというものを考えれば、一人がこのうち4つ以上に興味を持つとは考えられない。何を考えているのだろうか。

アーティストレッスンを増やす以外に、Appleはフリーのアーティストや先生がGarageBankプラットホーム上でレッスンを作るためのツールを公開するべきだ。レッスン売上の一部はApp Storeと同じように、分け前としてAppleが取ることができるし、ユーザーは、今よりずっと広い範囲から教材を選べるようになる。今やウェブには、NowPlayItiVideoSongsといった質の高いビデオレッスンを提供しているミュージックレッスン・ストアがいくつもあるし、アーティスト自身が出演しているるものもあることはよく知っている。しかし、質の高いサイトの数の何倍もの数のスパムサイトがあるので、よい物と悪い物とは一目で見分けるのは簡単ではない。しかも、ミュージシャンの卵たちの多くは、そんなサイトが存在することさら知らない。Appleによる統一された店舗にユーザーによるレビューがあれば、先生も生徒も大喜びだろう。

さあ、Apple。もっと音楽にプレイしてもらわないと。



[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)

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