金を払っても使いたいサービス多数あり―フリーミアム・モデルをもっと真剣に考えるべきだ
by MG Siegler on 2009年5月26日

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フリーミアム・モデルというのは新しい考えではない。ベンチャー・キャピタリストのFred Wilsonが2006年にすでに提唱していた。フリーミアム〔フリー+プレミアム〕と命名されたのはもう少し後になるが、モデル自体はずっと前から存在している。簡単にいえば、ベーシックなサービスをすべてのユーザーに無料で開放し、別途、高度な機能を有料で提供するというものだ。これは合理的なモデルだ。それに現在ではApp Storeなど各種の購入プラットフォームが普及したおかげで、大小を問わず、スタートアップがこのモデルを採用して料金を徴収するのが以前よりずっと容易になっていると思う。近くローンチ予定のContentureを含めて、フリーミアム・モデルを採用するうえで役に立つサービスが次々に現れている。

フリーミアム・モデルのコンセプトは今日の環境でもWilsonが2006年に書いた記事の冒頭と変わっていない。

基本となるサービスは無料で提供する。広告モデルを採用しても、しなくてもよい。口コミや推薦・検索サービス経由で大量のユーザーを獲得するのに無料サービスはもっとも有効な方法だ。こうして集めたユーザーベースに対して、高度な機能を有料で提供するプレミアム版をスタートさせる。

Wilsonが主張するように、いきなりフリーミアム・モデルでスタートするのではなく、まず、そのサービスに対する熱心なファンを十分な規模で獲得するのが先決だ。その点、Pandoraのフリーミアム化はうまくいくだろうと私は予想している。同じように、もしそう決断するならTwitterの場合もうまくいくに違いない。たとえばJason Calacanisはすでに2007年からプレミアム版に金を払ってもいいと言っている。それ以後、大勢がこのアイディアに賛意を示している。

Twitterは収益化のための努力の一貫として、今年中に有料ツールの提供を始めるだろうと噂されている。ただし、これは企業向けのサービスのようだ。しかし多くの個人ユーザーがこうした有料サービスを望んでいるのは間違いない。というか、私は望んでいる。ひるがえって考えると、Twitter以外にも私が金を払ってもいいと考えるサービスは多い。

pay-it-forward-dvdcoverまず、すでに私が金を払っているサービスを挙げてみよう。

  • Pandora: これは一も二もなく飛びついた。年間たった$36で、広告なしで高音質のストリーミングが利用でき、使いやすいデスクトップアプリがついてくる。私は速攻で契約した。
  • Flickr: これも私のお気に入りだ。年間$24.95で写真のオンライン保管容量が無制限になりる。もう何年も使っているがたいへん満足している。
  • Tweetie: これはちょっとおもしろいサービスで、Twitterクライアントだ。iPhoneアプリとしては有料。ただし、新しいデスクトップ・アプリは広告入りで無料だ。広告が入らないバージョンは$19.95(購入時の一回のみ)。 別のTwitterクライアントTwitterrificも同様のモデルだ。ただしこちらはiPhoneアプリ版にも無料版がある。

次に、私が金を払ってもいいと考えているサービスをいくつか挙げる。

  • Twitter: すでにいくつか有料のTwitterクライアントを購入しているが、Twitterサービス自体についても、もし安定度が高くて、高度な検索やフィルタ機能がついてくるバージョンがあれば、年間$25-$50払ってもいいと考えている。
  • Facebook: シンプルそのもののTwitterとは違って、Facebookは現在でもすでに複雑すぎるくらいだから、新機能はいらない。しかし、もしFacebookが財政難から機能のいくつかを削らなければならない事態に立ち至るようなことでもあれば(万一そんなことになったらFacebookユーザーの混乱は大変なものになるだろうが)、私は機能を維持するために喜んで年間$25-$50払うだろう。
  • FriendFeed: もしiPhoneアプリが提供されるようであれば、Facebookに払うよりは少額、おそらく年額$10から$20ぐらい払ってもよい。
  • Gmail: 実は保管容量を使い果たしかかっているので、近々、有料版を契約しなければならない。10GBで年額$20というのはちょっと高いような気もするが、いずれにしても契約する予定だ。
  • Digg: もしDiggがユーザーの行動についてもっと詳しいデータを公開してくれて、たとえば、有料ユーザーの投票のみを表示するようなオプションを提供してくれるのであれば喜んで有料版を契約する。Diggのコメントの大半はまったくナンセンスなものだ。有料ユーザーのコメントだけをフィルタして表示することができたら、おそらくまともなコメントの率がずっと高くなるだろう。有料ユーザーにトロル〔荒らし〕は少ないはずだ。年額$10-$15というところ。
  • YouTube: Diggと同じ。YouTubeの場合も有料ユーザーのコメントだけ見たい。画質の改善とアップロード可能時間の延長、それに現在のばかでかい三角ボタンを表示した雑なデザインのプレイヤーよりもう少しマシなプレイヤーも提供してもらいたい。特に、長時間のHDビデオを保管できるなら年額$30くらい払ってもよい。
  • Instapaper: 私はウェブで目についたページは全部このサービスを使ってブックマークしている。非常にシンプルな機能で、それが気に入っている点でもあるのだが、検索その他の高度な機能が提供されるのだったら有料版を契約してもよい。たぶん年額$10というところだろう。おもしろいことに、Twitterクライアント同様、このサービスは有料・無料両方のバージョンのiPhoneアプリを提供している。

これ以外にも、私が金を払ってもいいと思っているのに有料版がないサービスはいろいろある。みんなフリーミアム・モデルをもっと真剣に考えるべきだ。

[photo: flickr/striatic]

[抄訳:全文は原文へ]

(翻訳:Namekawa, U)

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20090526contenture-launches-micropayment-based-freemium-models-for-all-if-people-use-it/ Contentureがいよいよ立ち上げ. どんなサイトでも小額支払い方式のフリーミアムを設営できる(ただしユーザは使ってくれるかな?)

    [...] こんなやり方は一種のギャンブルだが、けっこうそそられる。数日前の記事で書いたように、よく使うお気に入りのサイトなら、ぼくは積極的にお金を払う。ただしぼくの場合それらははどれもWebサービスで、必ずしもコンテンツ中心のサイトではない。それに、大型のWebサイトは自前でフリーミアムモデルを動かすだろう…Pandoraがまさにそうしている。Contentureはコンテンツ指向のサイトに向いているが、Web上のコンテンツにお金を払うことに気が進まないユーザが多い。 [...]

  • http://www.kgrand.jp/index.php/2009/05/27/contenture%e3%81%8c%e3%81%84%e3%82%88%e3%81%84%e3%82%88%e7%ab%8b%e3%81%a1%e4%b8%8a%e3%81%92-%e3%81%a9%e3%82%93%e3%81%aa%e3%82%b5%e3%82%a4%e3%83%88%e3%81%a7%e3 Contentureがいよいよ立ち上げ. どんなサイトでも小額支払い方式のフリーミアムを設営できる(ただしユーザは使ってくれるかな?) | KGRAND ONLINE NEWS

    [...] こんなやり方は一種のギャンブルだが、けっこうそそられる。数日前の記事で書いたように、よく使うお気に入りのサイトなら、ぼくは積極的にお金を払う。ただしぼくの場合それらははどれもWebサービスで、必ずしもコンテンツ中心のサイトではない。それに、大型のWebサイトは自前でフリーミアムモデルを動かすだろう…Pandoraがまさにそうしている。Contentureはコンテンツ指向のサイトに向いているが、Web上のコンテンツにお金を払うことに気が進まないユーザが多い。 [...]

  • http://ysonrt.weblogs.jp/blog/2009/06/post-2cf1.html 米国ウェブマーケティングの最新動向や事例を紹介

    フリーミアムモデルの成長セオリー…

    2009年6月11日のワールドビジネスサテライトにて”広がる“ゼロ円”ビジネス”…

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20101010teardown-13-ways-10-million-revenues/ 成功するスタートアップの13のビジネスモデル(第一部:第一回)

    [...] 有料サービス企業は、最低の費用で最多の顧客〜見込み客を集めることが最大の目的である。そして、見込み客には購買客になってもらい、さらには、長期的な有料会員になってもらうよう努める。このタイプのスタートアップの多くが“フリーミアム(freemium)”方式を取る。すなわち、基本的なコンテンツやサービスは無料だが、無料顧客の一部が有料会員になることを期待する。”フリーミアム”は決して、顧客獲得の唯一の手段ではないが、もっとも費用効率の良い方法である場合が多い。とくに、サービスが安価に作られたメディアやサードパーティインフラのプロバイダ(たとえばAmazonのS3)である場合には、新規顧客に対応するための変動費が少額なので、この方法が好まれる。 [...]