
PayPalが、Adaptive Paymentsという柔軟性を高めた支払いAPIを出してくるらしい。われわれが入手した機密文書を下に貼ってあるが、新システムの詳細はそこに記されている。このAPIは、デベロッパーにPayPalの全機能を公開するべく作られており、支払いの受領や分配などアプリケーション構築の自由度をさらに高めるものだ。
Adaptive Payments APIは、AmazonのFlexible Payments Service (FPS)に非常によく似ていて、支払人と複数の受取人との間の支払いに対応している。Adaptive Paymentsには、FPSと同じ機能がほぼすべて揃っている。新APIを使えば、デベロッパーが支払い集約をすることも可能になるが、これは現行のPayPalサービス利用規約では禁止されているものだという。AmazonのFPSでもデベロッパーによる支払いの集約が可能だ。またPayPalのAdaptive Paymentsでは、少額支払いもサポートしているが、これもFPSの機能の一つだ。
Adaptive Paymentsの提供する機能の中には、デベロッパーが間違いなく喜ぶものがいくつかある。PayPalが「Chained Payments」と呼んでいるしくみを使うと、デベロッパーは送り手が一件の支払いを主たる受け手に支払うと、その受け手が金額の一部を受け取った後、残りが他の受け手たちに支払われる、というアプリケーションを作ることができる。例えば、航空券とホテル、レンタカーの予約を扱うオンライン旅行業者のアプリケーションがあったとする。送り手には主たる受け手である旅行サイトしか見えていない。しかし、旅行業者サイトでは、その支払い金額を自社の手数料と、他業者が提供するサービスの実費とに分割することができる。PayPalは送り手のアカウントから金銭を差し引き、主アカウントである旅行サイトと、副アカウントである他の受け手にそれぞれ入金する。
Adaptive Paymentsでは「Parallel Payments」という、一回の支払いを複数の受け手に送金できるサービスも提供する。このタイプのアプリケーションとして考えられるのが、複数の店舗で購入した商品を一件にまとめて支払うことのできるショッピングカートだ。そのショッピングカートが、商品を実際に販売した店舗に支払いを割り振る。するとPayPalが送り手のアカウントから金額を差し引き、それぞれの受け手のアカウントに入金する。

PayPalがAdaptive Paymentsの料金プランをどうするつもりなのか、AmazonのFPSの料金設定と比べてどうなのかは不明だ。Amazonはここ数年、Amazon PaymentsやFPSベータ版を公開するなど、ゆっくりながらもPayPalの競合サービスを繰り出してきている。AmazonがPayPalに取って替ることは容易ではないが、ウェブにおける推奨支払い機構となるべく、デベロッパーに働きかけているところだ。恐らくPayPalは、自社のDirect Payments APIよりも柔軟に使えるFPSのプレッシャーを感じ始めたのだろう。Adaptive Payments APIが進行中ということで、PayPalの逆襲も間近だ。
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(翻訳:Nob Takahashi)




