慎重ながらも楽観的:CrunchBase Q2レポート、VC投資とベンチャー出口に上昇の兆し
by Erick Schonfeld on 2009年7月23日

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最悪期は過ぎたのだろうか。昨年、ベンチャーキャピタルとスタートアップは、世界規模の不況により大きな打撃を受けた。この10年間のNASDAQメルトダウンやベンチャーキャピタル「核の冬」の記憶によって誰もがうろたえ、ベンチャー資金の凍結や数十万人規摸のテク系労働者レイオフの再現を恐れた。

しかし、どうやら最悪の状態は過き去ったようだ。少なくとも、さまざまな指標が示すところによるとベンチャーや起業活動は安定し、一部では上昇傾向にある。2009年Q2、われわれはCrunchBaseを通じて、新設スタートアップ推定400社、新規ベンチャーキャピタル投資$6.4B(64億ドル)、合併、買収による$15.8B(158億ドル)を追跡した。(レポート全文はこちらから$195でダウンロードできる)。確認した新規レイオフ人数は2万人で、これは2009年Q1の20万人のわずか10%だ。

もちろんこれが台風の目の静寂にすぎず、この先さらに激しい乱流が待っている可能性もある。ベンチャーキャピタルのリターンは依然低迷している。 あまりに多くのベンチャーファームが、あまりに多額の資金を注ぎ込んだ結果、スタートアップのIPO市場は事実上閉ざされたままだ。スタートアップが換金へと向かう道を作るか、ベンチャーキャピタル市場が大幅に規模縮小するか、どちらかが必要だ。

しかしQ2のCrunchBaseデータは、われわれを慎重ながらも楽観的にさせるものだった。

例えば、設立されたスタートアップの数にリバウンドが見られた(これは常に良い兆候だ)。CrunchBaseでこれまで確認できただけでも、2009年Q2に設立された会社が(最後の集計時に)191社あった。自己申告における通常の遅延を考えるとこれは400社に達すると思われる。

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ベンチャー投資も復調してきた。Q1の$5.4B(54億ドル)から、2009年Q2には19%増の$6.4B(64億ドル)へと上昇した。なお、Dow Jones VentureSourceの計算によるとQ2の投資額は$5.3B(53億ドル)であり、Thomson Reutersによるとわずか$3.7B(37億ドル)であった。昨日のMoneyTree Reportによる(それぞれ独自のデータと技法を用いて計算している)。傾向として上向きではあるが、それでもわれわれの2009年Q2のデータは、2008年Q2と比べると24%減である。

今期われわれが追跡した契約は516件で、Q1の560件よりわずかに少ないが、契約当たりの平均金額は増加した。また、初期段階への投資が好まれる傾向もみられ、シリーズA投資に注がれた金額は83%増の$900M(9億ドル)だった。それでもシリーズBの方が大きく、104件、計$1B(10億ドル)だった。取引金額の平均は$12.4M(1240万ドル)、中央値は$5.5M(550万ドル)だ。

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M&Aの動きにも活発さが戻ってきた。CrunchBaseによると、2009年Q2には214件の出口で、計$15.8B(158億ドル)が動いた。M&A全体ではQ1の$10.3B(103億ドル)から50%増だが、それでも1年前の$25.8B(258億ドル)からみると40%減っている。もっとも、この合計金額のおよそ半分は、Oracleが$7.4B(74億ドル)でSun Microsystemsを買収した1件のみによるものだ(期中に発表されたが調印はまだ)。他の大型M&Aには、Glaxo SmithKleinによる$3.8B(38億ドル)のSteifel買収、Intelによる$884M(8億8400万ドル)のWind River買収、OpentTextのVignette、$310M(3億1000万ドル)、IntuitのPayCycle、$175M(1億7500万ドル)などがある。

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全35ページからなる第2四半期レポート(Excelによるインタラクティブ付録29枚とPDFグラフィック33枚を含む)が$195でここからダウンロートできる。今期は元データと表をすべてExcelファイルにして入れてあるので、読者が簡単にグラフを自分のレポートにコピー&ペーストしたり、データを自分流に分析したりできる。サードパーティーによる出版やリンクに使用できるグラフィックスも数多く含まれている。もちろん、CrunchBaseのオープンAPIを通じて、このデータを無料で利用するのも観迎だ。

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(翻訳:Nob Takahashi)

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20091014q3-2009-techcrunch-trends-venture-funding-up-17-5-ma-rebounds-even-more/ 2009年第3四半期、TechCrunchビジネス・トレンド・レポートを発表―ベンチャー資金17.5%アップ、M&Aますます回復中

    [...] 今年第2四半期について、CrunchBaseに報告された今年の資金調達とM&Aのデータを分析した結果、われわれは「テクノロジー業界には明るさが戻ってきた」と慎重ながら楽観的な見方を示した。第2四半期のトレンド自体、第1四半期に比べて決して悪くなかった。ベンチャーキャピタルからの資金供給は20%アップ、M&Aは横ばい(ただしOracleのSun Microsystems買収を除く)だった。 [...]

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20091218top-tech-acquisitions-2009/ 2009年のIT系買収、トップ30(1位はOracleのSun買収)

    [...] われわれはCrunchBaseに多数の買収案件を記録している。2009年当初、買収は完全に停滞していた。しかしアメリカ経済が景気後退からどうにか立ち直るにつれて夏ごろから買収の動きが出始め、第3四半期に入ってさらに加速した。今年もあと2週間あまりを残すのみになったが、それでもまだこれから$500M(5億ドル)でのGoogleのYelp買収など重要な買収が実現するかもしれない。しかしここでとりあえず今年の主要なIT系企業買収のリストを作っておこう。 [...]