TwitterがGoogleにデータを渡すのは自殺行為だ
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by ゲスト ライター on 2009年8月25日 append.gif この記事をBuzzurlにブックマークする

ゲストライターのEdo Segal@edosegal)は、これまでにいくつもの会社を起こしては売却してきた。2000年には、eNowというリアルタイムインターネット用検索エンジンを、RSSがメディアとして普及する前の時代に設立している。まるで10年先を予測していたかのようだ。結局この会社(Relegenceと改名)は2006年にAOLに売却し、現在はインキュベーター/投資団体のFuturity Venturesを運営している。また、最近彼は、英知のための新しい検索エンジンも公開した。

ある意味でわれわれは皆、Twitterのバーチャル株主のようなものだ。誰もがその成功に賭けている。まもなくFacebookが、ソーシャルストリームを独占する。ちょうどGoogleが検索でやったように。これは誰にとっても良い話ではない ― Facebookにとっても。この数週間私は、TwitterとFacebookの対決や、TwitterがGoogleと取引きする可能性が高いらしいという話題について、多くの人たちと議論を重ねてきた。Real Tiime Stream Crunchupビデオ)ではErick Schonfeldから、TwitterがGoogleに「Firehoseフィード」(リアルタイム性の高いフィード)を提供する件に関して意見を求められたので、将来Twitterが身売りするつもりがないのなら、やってもいいのではないかと答えた。何を言いたいかといえば、私の愚見ではTwitterがもし上場会社なら、そんな契約が発表された瞬間に、株価が正当な理由で75%は下がるだろうということだ。

Twitterは重要な会社である。これまで消費者の行動を本当に変えたことのある会社がどれほどあっただろうか。あるいは、新しいメディア消費や繋がりの方法を作り出したところが。TechCrunchで取り上げた何千というスタートアップの中で、インターネットの歴史に名を残すほど深い影響を与えたものはごくわずかだ。Twitterは、そんな殿堂に居場所を確保し、残るはそのストリームを収益化するという大仕事をこなして、本物のビジネスにできるかどうかだけだ。

たった今、この新しい形のリアルタイム消費に関してTwitterが持っているものは、このカテゴリーを席巻できるほどに大きい。しかし、チャンスの入口は、Facebookなどがその報償を求めてやってくれば、たちまち狭まってしまう。リアルタイムのコミュニケーションと検索という体験、デジタルの川を流れる関心事や疑問に関わる情報のストリームが次々とやってくると感じさせるその体験は、Twitterが最初に作り出したものだ。しかし、こうして新しいメディアにたどり着いた今、次に来るのは何だろうか。Twitterは、金儲けの仕組みを既に持つ誰かに真似をされ、ウィキペディアでは、Netscapeのように尊敬される地位に祭り上げらるような公共事業の一例となってしまうのか。それとも、限界への挑戦を続け、存続し成長する事業となって荒波を乗り越えていくのか。

もしTwitterが、自らをコミュニケーションメディアや、ましてやニュース配信エンジンであることに縛るようなことがあれば、間違いなく滅びるだろう。たとえて言えば、Googleのビジネスは検索ではなく、かつてない速さでお札を刷る広告業である。Googleはデジタル時代の配信手段を手にすることによって、これを実現した。これはデジタル時代の「配信」という言葉の意味が移り変わってきたにすぎない。あの膨大なユーザーの入口点であるGoogleは、インターネットにおける配信手段を、ヒジネスリーダーとしてブランドとして、実質的に所有している。そのリードは、ユーザーの増加とともに広がり続ける。

Googleの経済学は、意志の経済である。Google検索を使う際のユーザーが商品やサービスを買おうとする意志こそが、お札を刷る原動力だ。ユーザーの行動と関心の組み合わせが、広告主が金を払いたがる「意志」に適合する。広告と関連性の高いコンテンツを隣に並べ、ユーザーの検索ワードを有益な広告と結び付けることのできる能力ことが、Google成功の原動力である。

これがコミュニケーションプラットホームに欠けている物の一つであることは、周知の事実だ。AIMがその一例だ。一時はどこででも見られた一大勢力であったサービスが、インターネットの歴史の脚注への道を歩んでいる。その膨大なユーザーを収益化するのに苦悩していたサービスだ。HotmailやGmailのようなコミュニケーションサービスにも同じことが言える。どちらも、もっと強力な収益化エンジンを持つ会社の戦略的トラフィック発生装置と化している。もっと革新的なアグリゲーションプラットホームであるDiggやGoogle News、Techmemeなどを見れば、ニュースで大規模な収益を上げるのは非常に困難であることがわかる。もちろんGoogle規模の収益ではない。New York Timesのように業界の重鎮たる企業でさえ、多額のオンライン収益を上げることは難しい。つまり、Twitterのために持続可能な数十憶ドル規模の事業を立ち上げることは、コミュニケーションプラットホームであれ、ニュース発見エンジンであれ、多くのチャンスは望めないのである。

Twitterを持続可能な事業にする方法は、「意志の経済」を活用することだ。Twitterにそんな潜在能力があるのかどうかは神のみぞ知るだが、それを実現できるわずかなチャンスはある。ビジネスとして有望なのは、新しい形の発見という状況下で消費される、新しいタイプの〈役立つ〉広告を作り出すことだ。これは現時点ではTwitterにしかできないことだが、それも長くは続かない。今Twitterがタイミングよくペースを上げ、ビジネスに繋がる道をつけられなければ、自らの価値を破壊することになる。Twitterのリアルタイム検索結果を、Googleが自由に検索で使えるようにすることは、Twitterが戦うことをやめて敗北宣言するのに等しい。今Twitterでしかできない体験を、Googleでもできるようになったら、誰がTwitterに検索に行くのか。Twitter検索に力を入れないのであれば、Twitterは「意志の経済」に参加していないことになり、その価値は高々数100万ドル程度に下がってしまうだろう。

わかりきったことかもしれないが、私の構想をいくつか提案させてほしい。Twitterがどうやって儲けるかについては、様々な憶測が飛んだ。Twitterの世界は、#pastry(ペストリー)から#diabetes(糖尿病)まで、活気があり有用できわめて効果の高いフォークソノミー(タグによる分類法)によって自己組織化されている。現在Twitterユーザーが、ストリームの中からそんな宝石を見つけるためには、自分の道具に頼るしかない。今後Twitterが、独自の「発見(分類)検索エンジン」の開発を進めていけば、価値あるコンテンツストリームを堀り出せるようになる。検索ボックスでの、#タグのオートコンプリートが及ぼす効果を考えてみてほしい。小さな変化ではあるが、絞り込んだ情報ストリームにトラフィックを呼び込み、それがGoogleと同じように役立つ広告と結び付くきっかけになるかもしれない。まず、#タグを中心とした広告主のためのマーケットプレイスを作り、次に検索ワードも活用すれば、Twitterの作り出す体験にどれほどの価値があるかがわかる。最近のジオタグの進歩と組み合わせれば、さらに新しいレベルの有用性が生まれる。Soho地区で“amazing restaurant”とタイプすれば、近隣に関するおすすめの店や注意事項かならるフレッシュなストリームが得られる。Twitterがこういう改訂をすれば、ユーザーはこれまで以上に「発見」することに集中するようになり、自己達成的予言者となる。検索クエリーを見つけるために自分の行動を変えるのだ。最新流行の発見や、ユーザーの再循環といった概念によっても機会は増える。Twitterの観衆とデータがある一定水準に達しさえすれば、この土台の上でできることに限りはない。

Twitterは、現状を一新して、ユーザーと広告主双方にとって真に役立つ新しい広告の形を作り出すことのできる、ユニークな立場にいる。これはGoogleの成功のカギであったとともに、Twitterの将来にとってのカギでもある。広告が役立つようになるまでには時間がかかる。膨大な流動性が必要だからだ。Twitterは、それだけの流動性を早く作り上げて、広告主たちの競争に間に合わせなければならない。ストリーム広告ならTwitterのところへ行け、と買い手に知ってもらう必要がある。GoogleがTwitter記事を見つけるまでにどれがけ遅れがあるかを知りたければ、Googleアラートを仕掛けておくだけでいい(私は3日遅れでアラートが送られてきたつぶやきを見たことがある)。Googleは、リアルタイムのウェブの戦略的重要性を感じていることを隠そうとはしない

この段階でTwitterが農場(つぶやきストリーム)を明け渡すことは自殺に等しく、クリエイティブな怠慢とでもいうべき行為だ。Twitterはここまで来たら、今銀行にある金で満足していてはいけない。立ち上がって突っ走れ、君たちには歴史を作る責任がある。手を引いてノンビリするより他に、いくらでも出来ることがあるだろう。どうしてもデータや会社をGoogleに売らなくてはならないのなら、金を出させることだ。払えるのだから。もしデータを大手資本にくれてやれば、彼らはもう会社を買収する必要などなくなる。だから、自分でしっかりと儲ける方法を見つけない限り、ひとり立ちして生き残る術はない。

自分で道を切り開けば、成功はついてくる。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)

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