就労ビザを増やして、景気を回復せよ
by Vivek Wadhwa on 2009年8月31日

h1bvisa本稿は起業家出身の学者であるVivek Wadhwaによる寄稿である。同氏は、カリフォルニア大学バークレー校客員教授、ハーバードロースクール上級研究員およびデューク大学客員経営者を兼務している。Twitterアカウントは@vwadhwa。

1セントも使わずに経済成長を促進する方法を、大統領に提案したい。H-1Bビザの緩和だ。

現在米国内で、医者、技術者、科学者、研究者その他の熟練労働者とその家族が100万人以上、「入国管理問題」で身動きをとれずにいる。彼らはこの国に合法的に入国し、わが国の競争力向上に多大な貢献をしてきた。この国の高い税金を払い、模範的な市民として暮らしている。彼らの目的は、アメリカンドリームを共有し、わが国の経済成長に力を借すことだけだ。

彼らはアメリカ人と同じように会社を起こし、家を買い、コミュニティーセンターを建て、ぜいたくもできるはずだ。しかし、わが国の発行する永住ビザ(グリーンカード)の数が足りないために、おそらく10年前にこの国にやってきた時と同じであろう仕事についている。ひどく不満を募らせた彼らの多くが、自国に戻って不本意な競争相手となる。そうやって、この国の景気回復を持ち去ってしまう。

外国人嫌いの連中は、移民が職を奪うと言って、自分たちの生活やアメリカに起きるあらゆる悪事の責任を押しつける。しかし、先週TechCrunchが書いた ように、腕の立つ移民が生みだす仕事の方が、奪い取る仕事よりも多い。これは事実だ。私の調査チームが調べたところ、1995~2005年の全米における技術系スタートアップ全体の1/4が、移民によって設立されている。ボストンではこれが31%、ニューヨークでは44%、そしてシリコンバレーでは52%にも上る。2005年には、移民によって設立された会社が計45万人の労働者を雇用している。これは、その年にグリーンカードを発行した技術系労働者の数を、はるかに上回る。

生まれたのは雇用ばかりではない。2006年には、米国の世界特許の25%以上が、外国生まれの人によって書かれたものだ。しかもそこには、私のようにこの国に移住して市民権を得てから、複数の特許を出願した者は含まれていない。Qualcommの世界特許のうち、72%の発明者が外国生まれだった。Merckでは65%、GEでは64%、Ciscoでは60%だ。私は米国特許局に提出されたくだらない特許の話をしているのではない。わが国の企業が世界で競争する上で役に立つWIPO PCT(世界知的所有権機関 特許協力条約)出願のことだ。

なぜ、シリコンバレーに外国生まれの労働力が必要なのだろうか。それは、彼ら移住者たちが、困難や差別にあいながらも、世界で最も優れた技術精神や最も成功した起業家たちと一堂に会せるこの異国の地に来てくれるからだ。彼らは、シリコンバレーのエリートたちを、もっとよく働き頭を使うよう動機付けることもできる。そして彼らは、グローバルな視点を加え、アメリカを向上させる。

移住民の最大基盤をなすのが、インド、英国、中国である。例えばインド生まれの移住者は、アメリカの技術系企業の6.7%を設立している。シリコンバレーでは15.5%だ。しかし、国勢調査によると、インド人の数は全米人口の1%以下だ。中国も同じだが、わが国の世界特許の16.8%に貢献している。これが、すばらしい数字であることh統計学者でなくてもわかるだろう。

そう、H-1Bビザでは会社を起こせないことは知っている。そこが問題だ。許していないからだ。

何十万人という、非常に優秀で高学歴の労働者で、会社を起こせるはずの人たちが、そうできないでいる。グリーンカードの申請中は、仕事を変えたり、昇進を受けることができない。順番が遅れるのが怖いからだ。もし職を失ったら30日以上に別の仕事を見つけないと、国外に追放させられてしまう。雇用者は 移民労働者たちがどこへも行かないことを知っているので、昇給やボーナスはほどほどで済ませられる。悪質な雇い主の中には、そこにつけ込む者もいる。また、移民の配遇者たちは社会保障番号を持っていないために、通常働くことができず、州によっては運転免許証すら取れないところもある。ここはアメリカなのだろうか?

この国が面している大変な経済問題と違い、この問題は簡単に修正が効く。熟練労働者用のクリーンカードの数を増やすだけでいいのだ。家を買うか、会社を立ちあげて大勢のアメリカ人を雇うという条件を付けてもいいかもしれない。私の予想では、それで何万というスタートアップ企業と、何十万という世帯が生まれる。これは、つい最近$2B(20億ドル)を投じたポンコツ政策以上の景気回復効果だ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)

  • http://jp.techcrunch.com/archives/20090907when-it-comes-to-founding-successful-startups-old-guys-rule/ ベテランは強い―成功したスタートアップのファウンダーの平均年齢は40歳

    [...] 編集部注:この記事は元起業家で現在大学教授のVivek Wadhwaの寄稿 。Wandhwaはカリフォルニア大学バークレー校の客員研究員、ハーバード・ロースクールの上級研究員、デューク大学大学院の客員経営者などを務めている。先週、WandhwaはアメリカがH1-B就労ビザの制限を撤廃するよう求める記事をTechCrunchに寄稿した。Twitterのアカウントは@vwadhwa [...]